白鵬「達成感ある」６１連勝、強過ぎＶ１６！自身初４連覇！…秋場所１４日目

白鵬（右）は琴欧洲を寄り切りで下し、４場所連続１６回目の優勝を決める

宮城野部屋に戻った白鵬は関係者に祝福され笑顔を見せる

　◆大相撲秋場所１４日目　○白鵬（寄り切り）琴欧洲●（２５日・両国国技館）　横綱・白鵬が自身初の４場所連続での１６回目の優勝を飾った。２敗で追う平幕の嘉風と豪風が共に敗れ、結びの一番を待たずにＶ１６を達成。自身は大関・琴欧洲を寄り切り連勝を６１に伸ばした。千秋楽では、大関・日馬富士を下し前人未到の４場所連続全勝Ｖを目指す。進退がかかるカド番の大関・魁皇は、小結・稀勢の里を寄り切って勝ち越しを決め１３度目の危機を脱出した。

　国技館に大歓声が渦巻く中、白鵬は表情ひとつ変えなかった。土俵上で小さく息を吐き、静かに喜びをかみしめた。自身初の４連覇とＶ１６に「今までは３連覇（が最多）だったので、達成感はあります」と、うなずいた。

　２敗で追っていた嘉風、豪風が敗れたため、取組前に優勝が決まった。千秋楽を待たずに優勝を決めるのは、これで３場所連続。そのためか、珍しく力を抜く場面があった。立った直後、一気に寄り土俵際まで追い詰めたが、琴欧洲に中央まで戻された。上手投げから相手の体勢を崩すと、最後は万全の寄り切り。６１連勝に伸ばしたが「足が出たと思って力を抜いてしまった。ちょっとホッとして、勝負に対する甘さも出た」と猛省した。

　それでも着実に結果を残した白鵬。千秋楽では、念願の天皇賜杯を手にする。名古屋場所では野球賭博の影響で賜杯の授与はなく、内閣総理大臣杯など外部の表彰をすべて辞退。たった７分間の表彰式に、土俵上で号泣した。「それは明日」と多くを語らなかったが、誰よりもこだわった賜杯が自分のもとに戻ってくる。菅直人首相（６３）も総理大臣杯を手渡し、白鵬の優勝を祝福する。

　敵なしの状態に、観戦した横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長（８３）は「大横綱だね。ひょっとしたら双葉山を超すかもしれない」と伝説の６９連勝超えを期待。「特別顕彰」については「渡すのは決まっているが、連勝が続いているから。止まったときか、超えたときになる」と話した。

　日馬富士に勝利すれば、４場所連続全勝優勝の偉業を達成する。全勝Ｖ回数は「８」となり、優勝制度ができた１９０９年以降では、双葉山、大鵬と並び１位となる。打ち出し後には墨田区の宮城野部屋に戻り、先場所自粛した乾杯と、タイを持っての記念撮影を行った。だが「あこがれの先輩に並ぶのは気持ちいいけど、まだ一番ありますから」と気を引き締めた。最後まで平常心で臨み、全勝でＶ１６に花を添える。