2010年9月27日
【ワシントン=勝田敏彦】発電所や工場などの機器を監視・制御するシステムを乗っ取って操ることができるウイルスが、世界規模で広がっていることがわかった。「スタクスネット」と呼ばれ、電気、水道、ガスなど重要な社会インフラに影響が出る可能性がある。米CNN電子版は「これまで見つかった不正プログラムで最も危険な可能性がある」と報じた。
このウイルスはUSBメモリーに書き込まれ、挿入されたコンピューターから米マイクロソフト社の基本ソフト、ウィンドウズの弱点を突いて侵入。産業用システムとして広く使われている独シーメンス社製のソフトを探索して乗っ取る。家庭や企業の情報システムには感染しない。
シーメンスが把握している感染は、7月中旬以降、主にドイツの工場で見つかった15件。シーメンスのソフトは、機器を監視・制御する機能を持つため、弁の誤動作などさまざまなトラブルが起きる恐れがあったが、ワクチンソフトですでに対策を施した。マイクロソフトも、弱点をふさぐ更新ソフトを8月にリリースした。
米セキュリティーソフト大手シマンテックのゲリー・イーガン安全性対応部長は「手口が非常に洗練されており、素人の仕業とは思えない」と述べ、専門知識のある組織の関与を疑っていることを明らかにした。そして「電力、ガス会社などは十分な注意が必要だ」と強く警告している。
シマンテックによると、イランやインドネシア、インドに感染が集中している。理由は不明だが、24日付英フィナンシャル・タイムズは「イランの核施設が標的」とのドイツの専門家の見方を伝えた。
ウイルス対策大手のトレンドマイクロのリポートによると、8月に日本でも13件被害が報告されたという。
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