マヨネーズ路上に散乱すべって７台衝突

　兵庫県加古川市の国道２号・加古川バイパス下り線で２５日午前０時ごろ、大量のマヨネーズが路上に散乱し、オートバイや乗用車、大型貨物など７台がからむ多重事故が発生した。散乱したチューブ入りのマヨネーズは数十本に上り、滑ったり避けようとした車が次々に巻き込まれた。同バイパスはマヨネーズの油分除去のため、午前５時半まで通行止めになった。兵庫県警高速隊では、マヨネーズを落とした車の行方を追っている。

　深夜の路上に散乱したマヨネーズで、バイクや車など計７台が次々と衝突した。現場は高架になっている片側２車線のバイパス。事故は、北西へ向かう下り線上で発生した。高速隊によると２４日午後１１時４７分、現場を走行していた車から、「路上にマヨネーズが落ちている」との通報があった。高速隊は現場へ急行したが、到着前の２５日０時過ぎに多重事故に発展していた。

　路上に落ちていたのは、５００ミリリットル入りのマヨネーズのチューブ数十本。段ボール箱に入っていたり、箱から飛び出してチューブごとに散らばるなどし、２車線約３００メートルにわたって散乱していたという。一般的なマヨネーズの主成分は鶏卵とサラダ油で、油分は約７５％。タイヤに踏まれた多くのチューブからはマヨネーズが路上に噴きだし、路面が滑りやすくなっていた。

　高速隊の調べでは、最初にオートバイで走行していた加古川市の男性会社員（２３）がマヨネーズでスリップし、左車線で転倒。続いてバイクの横を右車線から通り過ぎた乗用車が中央分離帯に激突。後続車１台は急ブレーキを掛けて無事。だが、その後を走ってきた乗用車２台は止まりきれず、左車線へ回避したところ、同線の大型トラックに衝突。停止した大型トラックに今後は軽トラックが追突。さらに大型トラックが乗用車を引きはがそうとバックしたところ、後方の軽トラックを押し、その後ろに止まっていた乗用車に衝突した。

　オートバイの男性は右手に軽傷。大型トラックに衝突した乗用車のうち１台を運転していた姫路市の女性小学校教諭（２５）と同乗していた神戸市の男性小学校教諭（２７）が頭と胸を打ち、軽傷を負った。同バイパスはマヨネーズ除去のため、午前５時半まで通行止めになった。

　マヨネーズは配送中の車から、荷崩れなどの原因で路上に落下したとみられる。高速隊ではマヨネーズを落とした車について、道交法（転落防止措置義務）違反の疑いで行方を追っている。有力な目撃情報は得られていないが、マヨネーズの製造番号などから、配送業者などを割り出す方針。

　［2010年9月26日7時58分　紙面から］