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大毅が初防衛!家族の力で勝った!

スポーツニッポン 09月26日06時00分

10回、坂田(左)に右フックを見舞う亀田大毅

 一進一退で迎えた5回。興毅から大毅に指示が飛ぶ。回を重ねるごとにプレッシャーを強める坂田に対し、大毅は下がることなく体を預けた。「向こうがペースを上げて攻めてきたけど、お兄ちゃんの指示で工夫して動けた。その通りやっただけ」。相手の体に触れるギリギリまで接近しパンチを出させない防御。坂田攻略の秘策だった。
 これには坂田陣営の大竹トレーナーも「研究されていた。入っていくとパンチを打てなかった」と脱帽。9回以降は逆に距離を取りだした坂田に、大毅は左フックを打ち込みポイントを稼いだ。
 ボクシングのセンスでは兄弟2人に劣る。だが、大毅には無類の打たれ強さと強烈な左フックがある。世界王者となった今も右が少なく課題が多いのは確かだが、ボクシング関係者の間には「将来性は3兄弟で(大毅が)一番」と潜在能力を評価する声は多い。かつて師弟関係にあった金平会長もその一人だった。
 坂田戦は遺恨対決と呼ばれた。07年には当時WBA王者だった坂田に挑戦するプランが持ち上がったが、同門対決は八百長疑惑を招くとして反対され、WBC王者・内藤大助(宮田)に挑戦。結果は前代未聞の反則騒動を起こし、1年間の出場停止処分を受けた。08年5月には父・史郎氏(45)の意向で契約を解除。今でもファイトマネーの未払いをめぐる裁判を抱えており完全に袂(たもと)を分かった。
 そうした遺恨をリング上の勝負できっちり清算した。「きょうは家族のおかげで勝てたけど満足はしてない」と大毅。誰もが認める世界王者の“称号”を得るための階段をまた一つ上がった。


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