白鵬４連覇！取組前にＶ決定も６１連勝で花

＜秋場所１４日目＞優勝を決め、後援者を前に鯛を持ちポーズをとる白鵬
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　大相撲秋場所１４日目は２５日、東京・両国国技館で行われ、横綱・白鵬（２５＝宮城野部屋）が自身初の４連覇で、１６度目の優勝を決めた。出番前に２敗で追う平幕の嘉風（２８）豪風（３１＝ともに尾車部屋）が敗れて優勝が決定。その後、白鵬は大関・琴欧洲（２７＝佐渡ケ嶽部屋）を寄り切って１４戦全勝とし、初場所１４日目から続く昭和以降２位の連勝を「６１」まで伸ばした。ライバル不在の中で勝ち続ける一人横綱は全勝優勝を目指し、千秋楽に大関・日馬富士（２６＝伊勢ケ浜部屋）と戦う。【取組結果】

　４連覇の瞬間を支度部屋で迎えたことが、圧倒的な力を持つ白鵬の孤独な戦いを物語っていた。結びを迎える前に２人の２敗力士がともに敗れ、その時点で優勝が決定。その後、一切表情を変えないまま土俵に上がった横綱は琴欧洲を寄せ付けず連勝を６１に伸ばした。

　「今回は４回連続というのがあったんで達成感がありますね。（連勝と優勝の）両方を意識していました。そうすると集中できる気がして」

　名古屋場所では受け取れなかった天皇賜杯の獲得、そして尊敬する双葉山の６９連勝。その両方にこだわり、１６度目の優勝をたぐり寄せた。

　琴欧洲戦。立ち合いで右を差し、一気に土俵際まで寄ったが、相手の足が徳俵で残った。「足が出ていると思って力を抜いたので危なかった」。出番前に優勝が決まり「勝負に対する甘さが出た」と言うが、気持ちを切り替えて上手投げ、掛け投げを連発。相手の体勢を崩して寄り切り、余裕の勝利を収めた。

　ライバル不在。常に孤独の中で戦う白鵬がテーマとしている歌がある。親交のある演歌歌手・小金沢昇司の「ありがとう…感謝」だ。モンゴル出身ながら、吉幾三、美空ひばりらが歌う演歌が大好きな白鵬が最近カラオケで十八番にしている曲。「思い起こせば数えきれない多くの人に出会いました。迷惑かけたり心配かけたり半人前の僕でした。だけどこうして歌を歌い、夢をつむいでこられたのはあなたがいるから」。今場所前に部屋関係者らとカラオケに行った際、白鵬はこの曲を歌いながら涙を流したという。部屋では常に付け人のサポートがある。家に帰れば妻と２人の子供の笑顔が待つ。自らを支える人々の大切さをあらためて実感し土俵に上がっている。

　千秋楽。双葉山、大鵬に並び史上最多記録タイとなる８回目の全勝優勝を懸けて日馬富士戦に臨む。「この地位を４年近く務めて白星を挙げる大変さは知っている」。双葉山の６９連勝まであと８勝。１勝の重みは変わっていくが、白鵬の土俵に対する真摯（し）な姿勢は変わらない。

[ 2010年09月26日 ]