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【敗北 尖閣事件】(下) 責任、検察に転嫁…「起訴すべき!」会議室に響いた声 (3/3ページ)
柳田法相が官邸を辞して1時間後の午後2時半すぎ、那覇地検の鈴木亨次席検事は釈放を発表。理由に「日中関係への考慮」を挙げた。検察当局が政治決断を負わされたこともにおわせる、異例の発言だった。
一方、菅直人首相も仙谷長官も釈放は「検察の判断」と繰り返すのみだ。
船長釈放から半日後の25日午後、拘束中の邦人4人は北京の日本大使館員と面会できた。検察が憂慮した人命の危機は脱した。
しかし、検察当局に対し、「中国の圧力に屈した」との国民の失望感は広がっている。折しも大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)という前代未聞の事件も発覚。逆風にさらされる中で検察当局が下した今回の判断は、当面の危機を脱する役割は果たしても、さらなる国民の不信という禍根を残す結果となった。
(大竹直樹、千葉倫之)