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日中間の貨物に遅れ 中国税関、一部で検査を厳格化

2010年9月26日21時10分

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 【北京=吉岡桂子】北京や上海など一部の中国税関がここ数日、日本との輸出入に対する通関の検査を厳しくしている。このため自動車部品や機械などの輸出入に遅れが出始めた。日本企業の生産活動に影響を及ぼしかねず、日本政府や企業は情報収集を急いでいる。日本側には、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に絡んだ中国側の嫌がらせではないかと懸念する声もある。

 北京では25日から突然、日本向けの商業用航空貨物がすべて開梱(かいこん)検査の対象となった。通常は10〜20%を抜き取り検査してすませており、検査の遅れから予定した便に載せられない貨物が相次いでいる。日本からの輸入品も検査率を引き上げられた。

 上海では21日、税関当局が大手運輸業者に対して、航空貨物を全量検査し、検疫の検査率も10%から50%に引き上げると通告してきた。上海港でも海運貨物の輸出許可が遅れ、日本向けコンテナの積み残しが出ている。天津港など各地で同様の事態となっている。

 日本の大手運輸会社の担当者は「多くの日本メーカーは部品の在庫をできるだけ減らし、空輸で相互に調達して両国の工場で生産しており、検査の厳格化が長引けば影響は大きい」と心配する。

 日中間の貿易では、中国政府は指示を否定しているものの、電化製品や電気自動車に必要なレアアース(希土類)の中国から日本への輸出が漁船衝突事件後に止まっている。中国漁船の船長を解放後も北京空港で貨物検査を強化し始めており、日本への対応を緩める気配はみられない。

 日本にとって中国は輸出入とも最大の貿易相手国。日本貿易振興機構(JETRO)によると、2010年上半期(1〜6月)の貿易総額は1383億ドル(前年同期比34.5%増)で、半期ベースでは08年下半期以来3期ぶりに過去最高を更新した。日本からの輸出は建設機械や電子・自動車部品など、日本への輸入は電気機器の完成品などの伸びが大きい。中国にとっても日本は米国、欧州連合に次いで、東南アジア諸国連合と並ぶ貿易相手となっている。

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