ヤフー社長:「編集方針は独立」…検索提携でMSに反論

2010年8月2日 21時20分 更新:8月2日 21時46分

米グーグルとの検索・広告での事業提携について説明するヤフーの井上雅博社長=東京都港区のヤフー本社で2010年8月2日午後6時ごろ、和田憲二撮影
米グーグルとの検索・広告での事業提携について説明するヤフーの井上雅博社長=東京都港区のヤフー本社で2010年8月2日午後6時ごろ、和田憲二撮影

 日本のインターネット検索最大手のヤフーの井上雅博社長は2日、毎日新聞などの取材に応じ、同社とネット検索世界最大手の米グーグルとの検索・広告での事業提携について、「検索サービスは(グーグルとは)独立した編集方針で運営する。今後もお互いに競争を続ける」と強調した。米マイクロソフト(MS)が「公正な競争環境が損なわれる」と検索市場をグーグルが独占すると批判していることへの反論。

 両社の提携は、グーグルが検索サービスの中核技術である「検索エンジン」と、検索に連動する広告配信システムをヤフーに提供。ヤフーがそれらの利用料を支払うほか、ネットオークションやネットショッピングで随時更新される販売データなどを提供するもの。

 ヤフーによると、日本の検索市場シェアはヤフーが約58%、グーグルが約38%。今回の提携でグーグルの検索エンジンが日本市場の90%以上を独占することになるが、井上社長は「これまで通りヤフー独自のポリシー(基準)で運営し、ヤフーのコンテンツを生かした検索体験を提供する」と強調。「ヤフーとグーグルのシェアを足すと90%を超すが、グーグルが(単独で)90%を超すことにはならない」とした。

 米MSは7月27日、「日本ではグーグルがすべての検索情報を支配することになる」との声明を発表。米国で08年に米ヤフーとグーグルが提携しようとした際、米司法省の承認を得られず破談となった経緯もある。MSは日本の公正取引委員会に、ヤフーとグーグルの提携が公正な競争を阻害し、独占禁止法違反に当たるとの「証拠」を提出する構えを見せている。

 井上社長は、日本の公正取引委員会に数カ月間かけて提携内容を説明し了承を得たと明かし、「今回の提携は米国での(米ヤフーとグーグルとの提携交渉破談の)件も踏まえて検討した結果」などと繰り返し説明したが、両者の対立は容易に解消しそうにないとの見方が出ている。【和田憲二】

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