2010年8月1日 16時55分 更新:8月2日 1時5分
1日午前9時10分ごろ、埼玉県秩父市の滝川沿いで日本テレビ報道局記者、北優路さん(30)=さいたま市浦和区=と同局カメラマン、川上順さん(43)=東京都江東区=の2人が心肺停止状態で倒れているのを県警山岳救助隊員が発見。午後3時過ぎ死亡が確認された。北さんの頭に傷があった他は2人に目立った外傷はなかった。
県警などによると、北さんらは県の防災ヘリコプター墜落事故の検証取材をするため入山。7月31日午前6時半ごろ、山岳ガイドの水野隆信さん(33)と、豆焼橋を出発した。1時間後に着いた滝川の水温が低く、2人が軽装だったためいったん引き返した。
ところが午前10時ごろ、「黒岩尾根で機体が見える場所を探す」と言って2人だけで再び入山。下山しなかったため午後11時、日本テレビが県警秩父署に救助を要請した。県警は2人が滑落したか川に流された可能性もあるとみて、遭難した経緯を調べている。
2人が発見されたのは墜落事故現場から約2キロ下流の滝つぼふちで、体の一部が水につかっていた。さらに約50メートル下流で、リュックサックが見つかった。2人は半袖Tシャツにジャージー、沢登り用の靴だった。
熊谷地方気象台によると、秩父市山間部では31日午後2時からの2時間に計43ミリの雨を観測。墜落現場は難所で、県警は報道各社に入山自粛を要請していた。1日夕会見した日本テレビの細川知正社長は「お騒がせしたことを心からおわびしたい。取材上の問題点がなかったか、早急に事態を把握したい」と陳謝した。【町田結子、飼手勇介、岡崎博】