菅首相:議員定数削減「年内合意を」 代表選は消費税封印

2010年7月30日 21時27分 更新:7月30日 23時1分

記者席を見渡す菅直人首相=首相官邸で2010年7月30日午後5時33分(代表撮影)
記者席を見渡す菅直人首相=首相官邸で2010年7月30日午後5時33分(代表撮影)

 菅直人首相は30日、臨時国会召集を受けて首相官邸で記者会見し、国会議員の定数削減について年内に与野党合意を目指す方針を表明した。臨時国会では政策課題ごとに野党と連携する「部分連合」を模索する考えを示す一方、9月の民主党代表選後の内閣改造・党役員人事には言及せず、早期の衆院解散・総選挙も否定した。

 首相は、参院選の敗因について自らの「消費税発言が大きく影響した」と反省の態度を示す一方、「財政再建は誰が首相だろうが、どの政党が政権を担当しようが避けて通れない。しっかり取り組む決意だ」と強調した。ただし、党代表選で消費税増税を公約にすることについては「考えていない」と述べ、「封印」した。

 ムダ削減について首相は「国会議員が身を切ることも必要」と強調。衆院480(小選挙区300、比例代表180)のうち比例80、参院242のうち40を削減する参院選マニフェストに沿って、8月中に党内意見をまとめ、12月までに与野党合意を目指すよう枝野幸男幹事長と輿石東参院議員会長に指示したことを明らかにした。

 30日召集された臨時国会は、衆参で多数派が異なり、参院では野党が多数を占める「ねじれ国会」となった。首相は「与野党が合意する政策はかなり困難でも実行可能と前向きに受け止めたい」と指摘。「野党にどういう形なら賛成いただけるか、一つ一つの案件ごとに丁寧に説明し、議論していきたい」と政策協議を呼び掛けた。

 特に「長期の経済低迷、膨大な財政赤字、不安な社会保障の現状は大変な国難」との認識を示し「野党の政策に真摯(しんし)に耳を傾け、謙虚に話を聞き、合意できたものはしっかり取り組みたい」と低姿勢を強調した。

 衆院解散・総選挙については「全く考えていない」と否定。出馬表明した党代表選後の内閣改造や党役員人事に関しては「この国会で国民の理解をいただくことに専念したい」と言及を避けた。【田中成之】

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