チラシの裏SS投稿掲示板




感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[15824] 久瀬の野望 将星録【ネタをネタだと見抜ける人でないと難しいSS】
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/09/12 23:59
【ネタをネタだと見抜ける人でないと難しい】

……あえて釣られますが、このタイトルの時点で『ネタ』なので、ここで突っ込まれるとなんとも言えないですね……
ネタを解説する行為ほど悲しいことはないので、まずはググってみてください。



とりあえず、このSSを読む以前に『たけしの挑戦状』を全クリすることをお勧めします。(別にタイトルや元ネタとは一切関係ありませんが)
それ以前に、真面目な人や偏差値・社会的地位の高い方はこのSSを読まないほうがいいです。



ここまで書いてダメだったら、もっとわかりやすくタイトルを書き直します。

ちなみに誤解を招かないように断り書きをいたしますと、不愉快に思うとの書き込み自体に、私、作者と致しましては不都合なことは一切ございません。感想を書き込まれる方は、これからもご指南のほどよろしくお願いいたします。(捨て台詞は勘弁してください。ガチでヘコみますので……)






*改めて注意書き

私への注意、悪口、誹謗中傷等を感想掲示板に書くのは、私は一向に構わん!…のですが、まったく関係ない方に対してそういうのを書くのはなるべく控えてくださるよう、どうかよろしくお願いします。




それでは、気を取り直して……



はじめに…
このSSはKanonの駄作SSのつもりでしたが、だんだんオースティンハワーズみたいないろいろごっちゃ混ぜの糞クロスオーバーSSになってしまったわけでありますが……
っていうか、もはやなんのSSだかわからない……



そんなに真面目に書いているSSでもなく、思い付きと他読者の意見のみで構成されている糞SSです。
よそに投稿しろといわれれば、まあ、そうかもしれませんが、仕事帰りにちゃちゃっと暇つぶし的にネタを書きたいだけなので……
……ってか、今更HP作ったり他所に掲載するのがかったりぃ……わけでございます。



とりあえず、軽いキャラ紹介とストーリー紹介。

久瀬
最低の外道。えいえんの世界を我が物にしようとし逆に取り込まれ、まいと知り合う。北斗神拳伝承者。

まい
舞の片割れのちびまい。ある目的を達成するために、えいえんの世界に久瀬を呼び寄せる。

美汐
生徒会役員で久瀬の後輩。いつも久瀬の貧乏くじを引かされる。

香里
久瀬の元恋人で現在宿敵のシスコン。北斗琉拳を極めている。



ストーリー(まあ、本編のネタバレ…)

Kanon本編ALLEND後…
祐一があゆとイチャライチャラしている傍ら、久瀬は今までどおり最低の生徒会長を続けていた。
その最低の生徒会長は、どこから調べ上げたのか『えいえんの世界』の存在を突き止め、それを悪用しようとしていた。
その一方で、舞の事件のことも調べ上げていくうちに、もうひとりの舞である『ちびまい』が、ある目的のために『みずか』とは異なるえいえんの世界を作り上げていた。
彼女はある目的を達成するため、えいえんの世界を研究している…かつての舞の敵であった久瀬を呼び寄せたわけで……




このSSは、人任せのテキトーSSであります。
ゆえに、まあ、感想なんかでどうすればいい、こうすればいいという意見は随時受け付けております。
自由度の高い駄作ではありますが、どうかよろしくお願いします。
尚、感想掲示板にて、文末の選択肢の答えの番号を書いていただければ幸いでございます。

また、感想掲示板ではパーティ選びも募集しております。久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。






























追伸
このSSは差別的表現を多少含みますので、学○員及びΩ信者等の宗教関係者、竹島を独島と言い張る非常識人、左翼団体関係者は読むな。



[15824] 仲間キャラ(追加のたびに更新します)
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/12 21:13
春原陽平 ジョブ…エセ不良 アビリティ…かくれる・すてごま

岡崎朋也の悪友にて完全なる三枚目。バカ・アホ・マヌケ・ヘタレの四重苦で、普段ろくなことを考えないからろくな結果にならない。
基本的に悪人ぶってはいるが、これでもいいお兄さんである。無論、昨今のマンガでありきたりのシスコンのキモイ近親相姦野郎ではなく、リアルにいいお兄さんであるので、その辺はまだ救いがある。
一応、サッカーがうまいのだが、このSSでそんなスキルが役に立たないことはいうまでもない。
このSSでは主にボケ役でありつつ、久瀬の外道行為に一番振り回される人物でもあるが、半分は自業自得なのであまり同情の声は上がらない。たぶん……
基本低ステータスであるが、HPと運のよさだけは異常に高い。



ロックマン ジョブ…ロボット アビリティ…バスター

ライト博士の作った家事用ロボだったが、Drワイリーの世界征服の野望を止めるため戦闘兵器に成り下がった悲しき玩具。十数回もワイリーの野望を阻止した功績はお見事。
人間以上にまともな性格であり、人間以上に性格の悪い面々ぞろいのこのパーティではもっとも気苦労の耐えない人物であろう。
ロボなので防御力は高いがHPが低いため一撃でティウンティウンになる可能性も高い。しかし、このSSではあらゆる属性の敵が出てくると予測されるため、ロックマンのバスターはあらゆる場面で活躍できる。まさに初心者向けのキャラである。



古手梨花 ジョブ…時を駆ける幼女 アビリティ…L5

雛見沢症候群の根源。100年の魔女であり、古手神社の一人娘で発育不全がコンプレックスの『梨花ちゃま』であるが、まあ、今日日のペドどもにはもてはやされることであろう。
100年も自分が死ぬ歴史を繰り返すのは拷問に近いものがあり、神奈やディアボロ(ジョジョ第五部)とはいい勝負である。もっとも羽生にも言われたことではあるが『自身』で問題を解決する努力をしないようではどうしようもないのではあるが。
ちなみにワインが好きらしいが、未成年として扱うべきか100歳以上として扱うべきかの判断は難しいところ。法的には完全に未成年であるのだが……
HP・攻撃・防御は低いが知性に特化しておりステ異常には強い。しかし追い詰められると弱いなど精神的にもろいところもあり、上級者向けのキャラであるといえよう。



バンデット・キース ジョブ…デュエリスト アビリティ…デュエル・せいれい

かつて全米一のカードプロフェッサーだったが、トムに負けて没落…トムの勝ちデース!
目的・勝利の為なら手段を選ばない『アメリカヤンキーのクソ商売根性』そのまんまの人物ではあるが、凡骨相手にイカサマした挙句に敗北。ペガサスに自分の指を拳銃代わりに強制自殺させられる。ナンマイダブ。
『遊☆戯☆王R』では天馬夜行の計画の実験体として蘇生。邪神イレイザーを使うも再び凡骨に敗れる……ここまで来ると笑うしかない。
ステータスは平凡であるが、カードを使って召喚されるモンスターは強力である。
リビングデッドの呼び声の効果で蘇生させた『煉華(烈火の炎)』を新たにカードとして加え使用可能となった。その能力は、墓地に送られた機械族モンスターを自らの炎として扱うというものであるが、紅麗の紛い物であることは言うまでもない。



涼宮ハルヒ ジョブ…SOS団団長 アビリティ…せかいそうぞう

黄色いリボンカチューシャがトレードマークの一見美少女。だが、その正体はキチガイな厨二病である。
その上、本人は無自覚ながら「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」能力を持っているため、タチの悪さでは範馬勇次郎にも匹敵するといえる。もっとも、その根底に常識思考があるあたり、真性キチの学会員やΩ信者、南朝鮮人らと比較すればまだ生ぬるい。
また、「恋愛感情は一時の気の迷いで精神病の一種」という持論を持つが、そんなものは童貞がSEXを語るようなものであり、非常に滑稽である。
身体能力が高いためか、攻撃、素早さは非常に優秀。アビリティの使いづらさを除けばかなり優秀なキャラである。



キョン ジョブ…普通の高校生? アビリティ…なし

本名不祥……なんだかクロマティ高校の北斗の子分を髣髴させる。理屈っぽく事なかれ主義であり妙に故事成語に精通している。しかし、ハルヒの度が過ぎるキチガイ行為や仲間の危機に啖呵を切るなど熱い面を持ち合わせている。
ハルヒに対しての恋愛感情は不明ではあるが、ハルヒの能力を開眼させるきっかけを作った諸悪の根源であることは確かである。
みくるに対する態度を考えるに、彼が「おっぱい星人」であることは疑いようのない事実である。
ステータスは基本的に低いほうだがHPと精神は優秀であり、持久戦で能力を発揮すると思われる。



斉藤一 ジョブ…南斗水鳥拳伝承者 アビリティ…なんとせいけん

久瀬の学校の生徒会副会長で、いつも久瀬に振り回されている。Kanonでは本来モブなしのキャラで、苗字のみの登場。ちなみに名前は「かず」と読み「はじめ」ではない。
とかく義に篤い男であり、特に彼女である水瀬名雪に対しては命さえ投げ出せる、ある意味アブない……
見た目は美人な女性なのだが、彼は男でありそれがコンプレックスとなっている。
素早さがケタ違いに高い反面、HP、攻撃、防御が低い。しかし、アビリティの南斗聖拳は防御無視でダメージを与えられるため、敵の攻撃にさえ当たらなければ安定した戦闘要因となれる。



[15824] 第一話 …さっそく人任せかよ!!!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/01/23 18:28
ここは、Kanonの舞台でもある学校の生徒会室。
生徒会長である久瀬は、後輩の天野美汐とともに生徒会の仕事をしていた。



久瀬「さあ、友達のいない天野君。今日は第二次補正予算案をまとめておいてくれ」
美汐「友達がいないは余計です」
久瀬「まあまあ、そう怒らないで欲しいものだ。本当のことだし」
美汐「……その一言が余計なんです」



……と、まあ、ここまではいつもどおりの日常。



しかし、この日は何かが違っていた。



久瀬「では、僕はミルクティーを淹れてくるのでこの場を離れる」
美汐「はあ……」



久瀬が生徒会のドアを開けると、そこは真っ青な世界が永遠に広がっていた。



久瀬「………」



久瀬は一瞬、自分のの見間違えか何かだろうと思い、一度生徒会室のドアを閉め、今度はゆっくりとそのドアを開けた。




……やはり真っ青な世界が永遠に広がっていた。



久瀬「………」



美汐「どうしたのですか?」
久瀬「……いや……なんでもない。君はもう帰る支度していいから」
美汐「はぁ……」

久瀬にはその青き世界が何を意味するのかはわかっていた。
久瀬は躊躇することなく、その青き世界…『永遠の世界』へと足を踏み入れたのだった。
無論、久瀬がえいえんの世界へ消えている間は、現実での久瀬への記憶はすべて消失することになるが、久瀬にとってそんなものは知ったこっちゃなかった。




久瀬「まいいいいいいいい!!!」

まい「やっと会えたね」



怒気含む声でまいを呼ぶ久瀬とは対照的に、何事もなかったかのように久世との再会を喜ぶちびまい。

久瀬「『やっと会えたね』ではない!!なぜ生徒会室を出ようとしたら永遠の世界が辺り一面に広がっているのだ!?」
まい「大丈夫。『えいえんの世界』は久瀬にしか見えてないから」
久瀬「そういう問題ではない!!」
まい「だって……」
久瀬「うっ……」

さすがにマズイと思ったのか、久瀬は泣きそうになるまいを宥めた。

久瀬「それより、このようなことをしてまで僕を呼ぶなど、一体なんの用だね?」
まい「ただ会いたかっただけじゃ……ダメ?」
久瀬「どこで覚えてきたのだ、そのセリフ……」
まい「冗談だよ」
久瀬「まったく……」



まい「ホントのことを言うと、『えいえんの世界』を行き来できる久瀬じゃなきゃ頼めない出来事が出来ちゃったから……」

久瀬「……なるほど。一応、話だけでも聞こう……」

久瀬はまた『そのワケのわからない超展開系の話か…』と諦めの気持ちになった。

まい「どの時間軸かわからないけど、すべてのギャルゲー、エロゲー、SSのシナリオを無に帰そうとする悪い人が出てきたから、久瀬に何とかしてほしいの」

久瀬「!!?い、いや…そんな唐突に言われてもだな……」

予想通りのトンデモ超展開。
しかも何をどうしていいのか、そのヒントすらもないクセに、やたら話だけは大きい。
もう久瀬は、半ばどうでもいい気持ちであった。




まい「ねえ、お願い!力を貸して!」






しかし、まいに至っては本気のようで、ただ、ひたすら久瀬に懇願するだけだった。
久瀬はそんなまいのお願いに対し……



1・「子どもの頼みなら仕方がない。わかったから、いい子にしてるんだぞ」
2・「だが断る!この久瀬の好きなことは、自分で思い通りになると思い込んでいるやつに『NO』と言ってやることだ!!」



[15824] 第二話 …よくあるパターン
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/01/25 00:53
2・「だが断る!この久瀬の好きなことは、自分で思い通りになると思い込んでいるやつに『NO』と言ってやることだ!!」



久瀬「だが断る!この久瀬の好きなことは、自分で思い通りになると思い込んでいるやつに『NO』と言ってやることだ!!」

子ども相手に、なんとも大人気ない発言をする男、久瀬。

まい「……そう……」
久瀬「…まあ、今のは言い過ぎであるが、まあ、そんな引きこもりみたいな者など、わざわざ僕が手を下すまでもない。秋になるまでほっといたら自然に枯れるであろう」
まい「そんな、雑草じゃないんだから……」
久瀬「大体、どの時間軸にいるのかわからない敵なぞ、どうやって『何とか』するのかい?」
まい「その問題なら心配ないよ」
久瀬「え?」



すると、えいえんの世界に謎の女性が出現する。

久瀬「…って、ミス・ブルーこと蒼崎先生!?」

青子「久しぶりね、久瀬君」
久瀬「まあ、あなたほどの人間ならえいえんの世界に簡単に出入りもしそうですけど……」
青子「それは買いかぶりすぎ。私はこの『まいちゃん』に招待されてこの世界に入ってきただけよ」
久瀬「はぁ…。しかし、なんでまた……?」
青子「答えは簡単♪」
久瀬「???」



●デション



久瀬「あ~れ~………」



久瀬は次元の狭間へ消し飛ばされた。



青子「ごめんね~。姉が『盗んだ金返せ』ってあんまりにもシツコク迫るもんだから、えいえんの世界にしばらく引き篭もらせて貰う代わりに、あなたを魔術でどっか別次元へ飛ばせって頼まれちゃったのよ。縁があったらまた会いましょう」
まい「……本当に、ごめんね……」













久瀬「……って、こんなのありなのか!?おのれい!蒼崎青子ッ!!!今度会ったら『マホトーン銃』で魔力封じてから、あんなことこんなこといっぱいしてあげよう!!!フハハハハハ!!!」

…と言うものの、どうやらこの世界は、久瀬が存在する世界とは異なる時間のようで、さしもの久瀬もここは怒りを沈め、とりあえずまいの言うとおり諸悪の権化を探すことにした。



久瀬「……うーむ……どうやらここは、僕が住んでいる時間とはまた違う時間みたいだが……。周囲の環境から察するに、ここはどうやら―――」



1・「―――過去のようだ」
2・「―――未来のようだ」



[15824] 第三話 …春原くん悶絶ス
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/01/27 22:59
1・「―――過去のようだ」



久瀬「……うーむ……どうやらここは、僕が住んでいる時間とはまた違う時間みたいだが……。周囲の環境から察するに、ここはどうやら過去のようだ」



そう…
久瀬が辿り着いたのは、1999年以前の時間であった。

久瀬「しかし…周囲を見るに、何十年とかそこまで古い時間というわけでもなさそうではある……。むしろ、つい最近…といった感じのほうが強いような……」

久瀬の推測は当たっていた。

時は1997年4月…
場所は光坂市の高等学校校舎内……

次元の狭間より久瀬が辿り着いた先であった。



??「なんだ?見慣れないやつだな」
久瀬「む?」

校舎内の廊下にて久瀬になれなれしく話しかける、金髪の男。
我々は知っている!
そう、このあほな少年を!!!

春原「僕、春原っていうんだけどさあ。この辺じゃあちょっと知れた名前なんだよねえ」
久瀬「宇宙の果てを知らないようにそんな名前しらねー」
春原「なっ!!?」
久瀬「…と、言うより、初対面の人間に対してずいぶんと無礼な男だな。その口ぶりから察するに、まあ、おそらく自分が不良であることを僕に伝えたいらしいのであろうが……」
春原「へ、へぇー……ず、ずいぶんと言ってくれるじゃないのっ」
久瀬「僕は君と不良の喧嘩ごっこしている暇はないのだよ」
春原「ふーん…そんなこと言っちゃっていいのかなー?」

刹那―――

春原「……へ?か…体が動かないッッッ!!?」
久瀬「秘孔を突いて君の両手両腕の自由を封じた。君の両手はただ肉の棒をしごくのみ―――」






―――しばらくおまちください―――






春原「あ…あんた、お、鬼ですか………」
久瀬「木っ端微塵にされないだけありがたいと思え」
春原「そ…そんな……あっ!!!おっ、岡崎―――ッッッ!!!」

そんなくだらないやり取りをしているうちに、春原の友人らしき人物が通りかかった。

久瀬「知り合いか?」
岡崎「校舎内で○○○○するやつなんか、俺の知り合いにいないが…」
久瀬「そうか。すまなかったな」
岡崎「いや、じゃあな」

春原「…って、完全に他人扱いですかッッッ!!?」

岡崎「他人だろ」
春原「そんな、あーんまりだーーー!!!」

??「どうしたんですか、岡崎さん、春原さん」

するともう一人、内気そうな女子生徒が現れた。

岡崎「ああ、古河か。その……春原が、この人(久瀬)となんかもめてたっぽいんだが……」
古河「は…はあ……。どうもはじめまして」
久瀬「ああ、いや。こちらこそはじめまして」
古河「あ…あの……春原さんが、なにかしましたでしょうか…?」
久瀬「いや、特には……」
春原「む、むしろ被害者は僕―――」

ゴツ

岡崎「お前は少し黙れ」

岡崎のツッコミ(?)一発で春原を黙らせる。



久瀬「……(…っていうか、そもそもなぜ僕が、このワケのわからない時間に飛ばされたのだ!?)」

久瀬がそう思っていると、えいえんの世界より、ちびまいの声が久瀬の心に語りかけてきた。

まい(それは、多分、青子さんが諸悪の根源について少し調べてくれて、その諸悪の根源を『何とか』できる可能性のある人物が、この時間にいるからじゃないかな……?)
久瀬(はあ……。で、それは一体誰なのだね?)
まい(……そこまではわからない……)
久瀬(………)



久瀬がまいと心の会話を広げている間にも、春原たちのほうで話は進んでいるわけで……



岡崎「で、結局この人は誰なんだ?制服からしてウチの生徒じゃなさそうなんだが……」
古河「春原さんのお友達さんですか?」
春原「僕の友達にこんな物騒な奴はいないッ」
岡崎「お前も違う意味で物騒な奴だけどな」



久瀬「(……なるほど。もしかすると、この中にその『諸悪の根源』を『何とか』できる可能性のある人物がいるかもしれないと……。……かといって、全員にいちいち事情を説明したとして、一体誰がこんな話を信じるというのだろうか……?……うーむ……ここはいっそ、誰か一人に絞って仲間を増やすのが得策かも知れないが……)」



とりあえず久瀬は……



1・春原にすべてを説明することにした。
2・岡崎にすべてを説明することにした。
3・古河にすべてを説明することにした。
4・こいつらからは小宇宙の『こ』の字も感じられないので、他をあたることにした。



[15824] 第四話 …必ず最後に金は勝つ
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/23 22:58
1・春原にすべてを説明することにした。



久瀬「(……まあ、こいつなら少し煽てれば鉄砲玉ぐらいにはなるだろうし……、なにより、自分より惨めな奴が一人いると思って励みになるだろうからな)」

相変わらず、考えることがサイテーな久瀬。

久瀬「ちょっとそこの金髪君」
春原「僕は春原だっ!」
久瀬「春原だか野薔薇だかそんなのはどっちでもいい。とりあえずだな……すこし顔を貸してくれないかね?」
岡崎「ああいいぞ」

春原「…って、なんでアンタに選択権があるんですかっ!?」

久瀬「了承した」
春原「ちょ、僕の権利は―――」
久瀬&岡崎「「あるわけないだろ」」

古河「あ…あの……それはあまりにも―――」

岡崎「古河……お前はなーんにも気にしなくていいんだ」
古河「は、はぁ……」

そういうわけで春原を拉致ることに成功した久瀬。






ところ変わってここは資料室。
久瀬は、とある女子生徒に注いでもらったミルクティーを飲みながら、春原と対談している。

久瀬「よもや資料室が喫茶もどきになっているとは…。まあ、それはいい。実はかくかくじかじかで―――」



久瀬は春原に、『すべてのギャルゲー、エロゲー、SSのシナリオを無に帰そうとする諸悪の根源』の話を説明した。



春原「あははははは!!!アンタ頭おかしーんじゃないの?」

言うまでもなく、春原は本気にしなかった。

久瀬「……信じる、信じないは君の自由ではある……が、もし、諸悪の根源の打倒に成功したら、それなりの報酬を用意しよう」
春原「はあ?どーせはした金だろ?」
久瀬「そうかそうか」

久瀬は鼻で笑いながら、大き目のアタッシュケースを開ける。
中には一万円の札束がぎっしりと敷き詰められていた。
その重さは、ゆうに30㎏は超えていた。

久瀬「まあ、3億円ほど入ってはいるが……そうか、はした金なら仕方がない」
春原「やらせていただきますッ!!!!!」

春原の目が$になっていたことは言うまでもなかった。

金の力は、その人の概念そのものを捻じ曲げる……
さっきまで春原の概念に存在しなかった『諸悪の根源』は、その3億円を介して存在を認められたのである。



久瀬「(さて、捨て駒……もとい仲間が一人増えたところで、この後どうするべきか……)」



1・この時代にとどまり、もう少し仲間を増やす。
2・まいに別の時代へ移動させるよう頼む。
3・とりあえず、資料室にいる女子生徒を口説く。



[15824] 第五話 …丁重にお断り申し上げます
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/02/08 21:39
3・とりあえず、資料室にいる女子生徒を口説く。



久瀬「(……そうだなぁ。この女子生徒、倉田さんにどことなく似ているところもあるし……、いいかも知れないな)」



時を越えて不埒な行為に及ぼうとする男、久瀬。

久瀬「君、名前はなんと言うのかね?」

女生徒「私ですか?宮下有紀寧と言います」

久瀬「ふむ。宮下有紀寧さんか。いい名前だな」
有紀寧「ありがとうございます」
久瀬「まったく、春原君も人が悪い。このような美人な生徒がいるのであれば、初めに教えてくれればいいものを……」
春原「い、いや、僕も岡崎に連れられて初めて知ったから……。でも、ホントーにカワイイね」
有紀寧「そこまでほめられると、かえって恐縮です」
春原「いいじゃん、本当のことだって」

その後も調子に乗って有紀寧を褒めまくる春原と、その有紀寧のほんわかとした受け答えや雰囲気を楽しむ久瀬。



春原「有紀寧ちゃん本当にカワイイし、僕たちお似合いだと思うんだ!ねえねえ、これからさあ、僕と付き合わない?」

ついには久瀬をも出し抜いて、そのまま告白までしてしまう春原。



有紀寧「あはは。春原さんには、私よりもっとふさわしい方がそのうち現れますよ」

春原「今のって、かんっぜんにフラレモードっすよね……」

あえなく玉砕、涙モードの春原。
当然の結果である。



久瀬「(……やはりこの手のタイプか……ッ。捨て駒(春原)が勝手に自爆しなければ、僕も同じ目に遭っていたというところか……)」

久瀬が不埒な考え事をしているうち、有紀寧は一冊の本を取り出して机の上に置いていた。

有紀寧「ところで、せっかくこうして知り合えたのも何かの縁です。ここに『とっておきのおまじない百科』というものがあるんですけど……」
久瀬「ほぅ……」
有紀寧「よろしければやってみますか?」

久瀬「(……うーむ、僕はこの手のものは一切信用しない主義なのではあるが………)」



1・「彼女の好感度を上げるためにも、一つくらいは付き合うとするか」
2・「そのような時間はない。早く別の時代に移動しなければ!」
3・「いや、そんなことより経絡秘孔を突いて、あんなことこんなこといっぱい楽しもう」



[15824] 第六話 …やっぱ戦闘モノじゃねぇともりあがらねぇ!!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/02/18 23:05
3・「いや、そんなことより経絡秘孔を突いて、あんなことこんなこといっぱい楽しもう」



久瀬「(……うーむ、僕はこの手のものは一切信用しない主義なのではあるが………。いや、そんなことより経絡秘孔を突いて、あんなことこんなこといっぱい楽しもう)」



そんな久瀬の不埒な考えはお構いなしにとおまじないの本を広げていく有紀寧。

春原「ねえねえ、僕をモテモテにできちゃうおまじないってないのー?」
有紀寧「ちょっと待っててくださいね。えーっと……」

久瀬「(僕の腕なら秘孔を突こうとも、そのことを相手は認識することはできないッッ!!!フハハハハハハハ!!!)」



●デジョン



久瀬「え?」
春原「へ?」
有紀寧「?」



久瀬&春原「「あーれー」」



有紀寧「あ…あはは………」

次元の狭間に強制的に落とされた久瀬と春原を前に、有紀寧はただ苦笑いをするしかなかった。













久瀬「後一歩のところで……なんてことをしてくれるのだ!!まい!!!」

まい「べっつにー……」

新たに飛ばされた地は、また違う時間の世界のようだった。
久瀬はどことでもなく虚空に向かい激昂するも、虚空より聞こえたのはまいのそっけない返事だけだった。

春原「……って、なんで僕まで巻き添えなんですかッッ!!!」
久瀬「いや、君には報酬を支払うのだから、それ相応の働きをしてもらわなくてはな」
春原「そんなぁー!あんまりだー!」



はたして、久瀬と春原は何時の時代に飛ばされたのか!?
そして、この地で何が起こるのだろうか!!!













……ここは、久瀬が存在する時間とはまた異なる時間の世界……

そこには一人、ただならぬ魔力を感じさせる……おそらく、諸悪の根源と呼ぶべき人物が存在していた。

???「そうか……えいえんの世界がついに動いたか。……しかし、いかなる存在も私を止めることは出来ない。時間圧縮の支配の中で、永遠など無意味であることを教えてやろう……」



??「まずは私に任せていただこうか」

その諸悪の根源の前に現れたのは、冷笑をたたえた美青年であった。



???「ほう……貴様が……。かつて修学旅行バスジャック事件を起こし少女たちを誘拐、陵辱、殺害と悪行三昧を繰り返し、処刑されたあとも亡霊として現世に復活を果たし、再び数多の少女たちを陵辱した貴様が動くのか……。それは楽しみだな」

??「クックックッ……。まあ、見ててください。三度蘇ったこの現世を悪夢と絶望と暗黒に満ちた世界へと変えて見せよう」



青年が場を離れると、年齢の異なる四人の配下が青年の周りに現れる。

??「爺か…。いよいよ、時を超えた狩りの時間がやってきたな」
???「ふぉふぉふぉ。よもや三度現世に戻りこのような機会があるとは思いませんでしたよ、ぼっちゃま」
?「い…いよいよ、俺の出番か…なあああああ」
??「しかし、再び少女たちを犯しまくることが出来るなんて、なんとも待ち遠しいですぜ」
??「それはいいのだが……、…我々は、何ゆえに再び蘇り、彼の者の命に従わねばならないのか……まったく理解が出来ていない」
??「フッ……今のところは命令どおりに動く。だが、我々が再興を果たしたあかつきには、ヤツの世界さえ我々の思うがままに操ろうではないか!!」
???「そのとおりじゃのう。我々が忠誠を尽くすのは、ぼっちゃまただ一人でございます」
??「決まりだな。では行こう。まず最初のターゲットは雛見沢村とかいう過疎地だ」
配下四人「「「御意に!!」」」













場面は戻り、久瀬たちの存在する世界。

春原「……ってか、僕たちどうすればいいんですかッッ!!?」
久瀬「うろたえるな!!周囲の環境から察するに、ここはどうやら―――」



1・「―――過去のようだな」
2・「―――未来のようだな」



[15824] 第七話 …初めて買ったエロゲーの届いた先は実家
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/03/20 22:38
2・「―――未来のようだな」



久瀬「うろたえるな!!周囲の環境から察するに、ここはどうやら未来のようだな」

そう、久瀬たちがいる世界は、誰がどう見てもあからさまな機械だらけの世界だった。
そのあまりの現実から乖離した現象に、春原はただパニックを起こすだけであった。

春原「それがわかったからどうなんですかァァァ!!!ああ神様ァ!他のものはどうなってもかまいません!どうか僕だけは元の世界に戻してくださいィィィ」
久瀬「……最低だな、君」

どっちもどっちである。



とはいえ、このままただ突っ立っているわけにもいかず、とりあえず、久瀬と春原はこの機械だらけの世界を歩き出したわけで。



春原「それにしても、やたら穴とか段差が多いトコっすね…」
久瀬「油断するなよ。落ちたら一発でアウトだ」

そう、久瀬たちが歩いている地形といえば、アクションゲームのステージを髣髴させる穴、穴、階段、段差の連続であった。
稀にビーム砲が飛んできたりもあったが、そこは久瀬がうまく防ぎ、なんとか進んでいっているわけで。

春原「ヒィィィィ……なんなんだよォォォ!この世界はァァァ……」
久瀬「うむ…。かなり『荒廃した未来』の世界か……もしくは、『あえてそのように作られている場所』なのであろうか……」
春原「その……最初に言った『荒廃した未来』ってのもイヤなんだけどさあ……、もし、その、アンタが後に言った『あえてそのように作られた場所』だとしたら、なんでこんなモノ作ったワケ?」
久瀬「うーむ……それは……やはり何かのアジトか、もしくは重要な機密があるのであろうな」



?????「そのとおりだぜッッッ!!!」



久瀬「!!!」
春原「ヒィィィィッ!!!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



威勢のよい声とともに現れた威圧感は、実に巨大な戦車であった。



??????「ここはDrワイリー様の秘密基地!この先はこのガッツタンク様が通さないぜ!!!」

久瀬「いや…っていうか、ガッツマンだろ、君……」
ガッツタンク「な…なんだとお!!!オ、オレはあんな弱っちいロボじゃねえ!!ガッツマンに改良に改良を重ね戦闘用戦車として生まれ変わったのだ!!!」
久瀬「フッ……、所詮はガッツマンもどき。恐るに値しない」
春原「な、ななな…なんでアンタは冷静なんですかッッ!!?」
久瀬「…君は少しビビりすぎなのだよ……。あの間抜け面ごときに……」

ガッツタンク「二人まとめてぶっ潰してやるぜ!!!」

啖呵を切り久瀬と春原に突撃を仕掛ける超大型戦車ガッツタンク。

春原「で…ど、どーするんですかァァァ」
久瀬「……よければいいだけの話であろう」
春原「よけたあとはッッ!?」
久瀬「見たところ、あの巨体の大半以上をヤツの燃料タンクが占めている。そこを引火させれば一発ドカン!!!…というわけさ」
春原「な、なるほど……」
久瀬「ところで君、不良なのだろう。ライターか何かもってないのかね?」
春原「んなもんないよ」
久瀬「何ィィィ!!?不良といえばタバコであろう!!!」
春原「僕はタバコを吸わない不良なのッ!!」
久瀬「今日日不良でなくともタバコは吸うというのに(美坂君(香里)とか、北川君とか……)…エセ不良に期待した僕が愚かだった」
春原「悪かったね!!そういうアンタこそ、そんだけの案浮かんどいてなんかないのッッッ!!?」
久瀬「よしなに」



そうこう言い争っている間にも、二人めがけて突っ込んでくるガッツタンク。
そのとき―――



1・ハンサム久瀬は突如反撃のアイデアがひらめく。
2・仲間がきて助けてくれる。
3・かわせない。現実は非情である。



[15824] 第八話 …ロックマンのボスにタイムストッパーは通用しないのはもはや常識!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/04/11 20:25
2・仲間がきて助けてくれる。



久瀬たちに向かって怒涛の勢いで向かってくる重戦車ガッツタンク―――



久瀬「『ゲドープラチナ・ザ・ジャム!』時は止まる!!」







説明しよう!!
『ゲドープラチナ・ザ・ジャム』とは、水瀬秋子の得意とする『ザ・ジャム』と同様、数秒間時を止めることが出来る技である!!
ただし、秋子さんが9秒間時を止められるのに対し、久瀬はまだ未熟であるため3~4秒時を止めるのが限界である!!

…まあ、ようするにザ・ワールドであることはいうまでもない。



久瀬「ふぅ……あとは燃料タンクを破壊するだけ……」



ゴゴゴゴゴゴ―――



ガッツタンク「ヒャッハー」
久瀬「!!?」

時が止まっているにもかかわらず、平然と久瀬に向かってくるガッツタンク!!

久瀬「バ、バカな!?まさかこんな間抜け面ロボが時の世界に入門してきたというのか!?ええいッ!時は動き出す…ッッ」







春原「ヒィィ!久瀬と戦車が瞬間移動したあああ!!?」

無論、春原にとって時の止まっている世界は、見えもせず感じもしない。
久瀬とガッツタンクが急にワープしたように見えるのも必然であろう。

ガッツタンク「ハハハハハ!!このまま押しつぶしてくれる!!!」

久瀬「答え…3…3…3……」
春原「なにワケわかんないこと言ってるんすか!!!……ああ…死ぬ前に一回でいいから女の子とデートしたかったあああ……」



今にもガッツタンクが久瀬と春原を轢き殺そうかとするその刹那―――



バシュゥゥゥウウウ!!!




ガッツタンク「なっ!!?なあにいいいいいいィィィ!!?」



ティウンティウンティウン……



遠方からの光弾がガッツタンクを直撃!!!
そのまま爆破したわけで……



久瀬「……って、僕らも巻き添えなのか……」
春原「……それでも生きてるって素晴らしいっすね……」

その光弾を発射した『青ヘルメットの男』は、そのまま久瀬たちの所へ近づいてきたわけで……

???「これでワイリーの所まで後もう少し……って、なんでワイリーの基地に一般人がいるんですかぁぁぁ!?」

久瀬「……危ないところをどうもありがとう。まあ、こっちはいろいろとワケありでね……。それよりここをDr.ワイリーの基地と君は言っていたが、Dr.ワイリーとは何者なのかね?」
春原「…ってか、アンタは何者なのさ?」

???「僕はロック。元はライト博士に家庭用お手伝いロボとして造られたんだけど、ワイリーの野望を止めるために戦闘用に改造してもらったんだ」

久瀬「で、そのワイリーとは?」
ロック「ロボットを操り世界征服をしようとしてる悪い科学者です」
春原「……SF映画に出てくる典型的な悪役っすね……」
久瀬「しかし、来栖川エレクトロニクスでようやく数体開発している人型ロボをこうも量産できているとは……どうやらここは相当『未来の時代』らしいな……」
ロック「『未来の時代』……って……あ、あなた方は……」
久瀬「実はかくかくじかじかで……」



????「よくきたな!!ロックマン!!!」



久瀬がロックにいきさつを説明しようとしたとき、突如青い円盤とともに猛々しい老人の声が聞こえてきた!!

久瀬「なんだあれは?『ブルーレット置くだけ』か?」
ロック「ワ、ワイリー!?な、なぜここに!!?」
久瀬「あれが厨二病科学者ワイリーか……」

ワイリー「フフフ……新たに出来たワイリーマシンを貴様に披露したくてな」

久瀬「おまけに目立ちたがり屋かつ自信過剰……。おおよそ、ロックマン君を造ったライト博士に対するルサンチマンな部分もあっての世界征服なのだろうか。発想がまるで子供だな」

ワイリー「な…なんだと!!?このガキ………ん?貴様、どこかで見たことがあるぞ……!そうか!『あの御方』が言っていた男とは貴様のことか!!久瀬!!!」

久瀬「……ほう!やはり『諸悪の根源』には僕の正体が割れていたか……」
ロック「久瀬?あ…あなたは一体……?」
春原「あ…あの~……僕は無関係なんで帰っていいですかね~……?」

ワイリー「たわけッッ!!『あの御方』に逆らうもの!そしてワシの世界征服の邪魔をするものはこの『ワイリーロボRX』で皆殺しじゃあああ!!!」

久瀬「センスのかけらもないネーミングだな……」

ワイリー「黙れ黙れ黙れ!!!『あの御方』の力によりパワーアップしたワシの『RX』の力!思い知らせてくれるッッッ!!!」

ロック「お前の好きになんかさせないぞ!ワイリー!!!」

久瀬「まあ、別に世界征服などはどーでもいいが、『諸悪の根源』が関わっているとなれば黙殺するわけにはいかないな」
春原「僕はもう帰りたい……」

ブルーレット……もとい青い円盤の背後に現れる謎の巨大ロボ……
それに敢然と立ち向かうロックマン!!!

そして久瀬は……



1・ロックマンに任せて高みの見物をした。
2・とりあえず自分も臨戦態勢をとった。
3・春原を投げつけた。



[15824] 第九話 …まさか、本当に答えくれる人がいるとは思わなかった。たとえ冷やかしだとしても最高に感謝したいです。
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:acfa1651
Date: 2010/05/08 00:21
3・春原を投げつけた。



ブルーレット……もとい青い円盤の背後に現れる謎の巨大ロボ……
それに敢然と立ち向かうロックマン!!!

そして久瀬は春原を投げつけた。



春原「ぬわぁぁぁんどぅぇですかぁぁぁぁぁぁ!!!?――――――」



ロック「……い…いいんですか……?」
久瀬「使えるものはバカでも使えってことだ」

しれっとした態度の久瀬に、ロックは本気で引いていた。



一方、投げつけられた春原はというと……

春原「あ~れ~」
ワイリー「猪口才な!!ワシのワイリーマシンを舐めるでないぞ!!」

毎度おなじみ、ドクロをモチーフとした巨大ロボからバットを持ったアームが現れた。

ワイリー「見事打ち返してくれる!!!」
春原「そぉぉんなぁぁぁ!!あぁぁんまりだぁぁぁ!!!」

ワイリーマシンの懇親のフルスイング!!!



スカッ…



ワイリー「な!なにぃ!!?」
春原「ドギャス」

無情にも春原の軌道は変化し、バットから逃げるように真下へ落ちていった。
春原はそのままワイリーマシンの足元に這い蹲る形になっていた。



久瀬「フッ…『フォークボール』だ」

ロック「って、ワイリーに当てなければ意味ないじゃないですかッ!!?……こんなこというのも非人道的ですけど……」
久瀬「愚か者が……春原君を直撃させたところで、あんな巨大ロボ倒せるわけないだろう。あれはあくまでも囮だ」

ロック「(こ…この人、ある意味ワイリーより最低かも……)」

そのままワイリーロボの足元で伸びている春原を完全に無視し、久瀬は今度はワイリーの前に立ちはだかった。



ワイリー「フン、人間を投げつけるという不意打ちには少し驚いたが、当たらなければ意味はないぞ!!もっとも、当てたところでこの『ワイリーロボRX』はビクともしないがのう!!!」
久瀬「相変わらず、目先のものしか見ることのできない、なんとも視野の狭いご老人だ。だから貴様はライト博士に常に遅れをとっているのだ」
ワイリー「な、何ィ!!?」
久瀬「春原君を投げつけた足元……よぉく見てみるのだな」



そう、春原の体には謎の黒い箱のような物体とコードが巻きつかれていた。

久瀬「春原君…君の犠牲は無駄にしない」
春原「…へ?」

ポチっとな―――









!!!!!!!!!






謎の爆発とともに、ワイリー基地は消し飛んだ………



















久瀬「……と、まあ、普通に核を使ったのでは、ワイリーに簡単に阻止されただろうからな。見事に不意打ちは成功したわけだ」

その爆発から逃れた……
否、他の何者かの力によって核爆発からの脱出に成功した久瀬、春原、ロックマン……
すべては久瀬の計算の上で行われていた出来事であった。



久瀬「もっとも、超小型核はこういうときのためにいくつか常備してあるが……」
ロック「か…核を使うなんて……ワイリーすらやらなかった非道行為を平然とやってのける………」
久瀬「そこにシビレル!!憧れるゥ!!……ってか?」

春原「んなわけないだろ!!!一歩間違えれば僕たち全員消し飛んだんだからね!!!」
久瀬「そういうなよ。僕の読みどおり、青子先生が『デジョン』で別次元へ飛ばしてくれたではないか」

してやったりとばかりに、どや顔で話す久瀬。



…そして、虚空より聞こえる天の声……

まい「相変わらず、ロクでもない戦法……。もし、青子さんが久瀬の考えに気づかずにデジョン使わなかったらどうするつもりだったの……?」
久瀬「あの高名な魔法使い大先生が、僕のごとき浅はかな企みなど見抜けないはずはないだろう。それに、君らの目的を果たさないうちは、ここで僕を失う選択などという暴挙に出るはずもないだろうからな。フハハハハハハ」

なんとも傲慢不遜な男である。

青子「まったく、デジョンの魔石は高いのよっ。あとであなたの家に請求書送り付けとくからね♪」
久瀬「僕は一向に構わんさ。……しかし、敵の魔の手は様々な時代に伸びていることは確かのようだったな。ワイリーなどはその尖兵であったのだろう」

ロック「……つまり、あなたたちはそのワイリーを操っていた『諸悪の根源』を倒すために、過去の世界からやってきたと……」
久瀬「そのとおり。そして、ここまで僕らに関わった以上、君にも『諸悪の根源』を倒すため仲間になっていただこう」

言うまでもなく、ここは仲間フラグである。

ロック「……そ、それは構わないんですけど……その諸悪の根源をどうやって倒すのですか?」
久瀬「まあ、様々な時代をめぐり、『諸悪の根源の存在する時間軸』を探し当てるほかはあるまい。先のワイリーのように、ヤツの手下に遭遇することも可能だろうしな」
春原「ひどく行き当たりばったりな作戦っすね……」
ロック「でも、話を聞いていると、今はこうして地道にやっていくしかなさそうですね」



かくして、ワイリーがどうなったのかは不明ではあるが、『諸悪の根源』が様々な時代に干渉してきていることはわかった。
そして、次なる敵を倒すため、久瀬たちはまた新たな時間軸へと飛ばされていくわけで……
その先にあるものは―――



1・女ばかり存在する幻想の世界だった!
2・カードゲームがひたすら流行している公園だった!
3・歌うロボが大人気な電気街だった!
4・昭和58年の古い仕来りに縛られし村だった!





[15824] 第十話 …忘れた頃に更新するタチの悪いSS
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/06/30 21:25
4・昭和58年の古い仕来りに縛られし村だった!



かくして、ワイリーがどうなったのかは不明ではあるが、『諸悪の根源』が様々な時代に干渉してきていることはわかった。
そして、次なる敵を倒すため、久瀬たちはまた新たな時間軸へと飛ばされていくわけで……
その先にあるものは昭和58年の古い仕来りに縛られし村だった!



久瀬「おそらくは岐阜県の山奥の田舎村のようだ…」

久瀬たちが辿り着いたのは、田舎村からも離れた山奥であった。
木々が生い茂る、非常に気味の悪い森の中を歩き回る久瀬たち……

春原「…なんで県名まで分かるんだよ…」
久瀬「それを君に一から説明しなければならないのかね?」
春原「……い、いえ、結構です……」
ロック「…………」

久瀬と春原がくだらないやり取りをしている一方、まったく見たこともない自然あふれる昭和テイストに、圧倒され無言になるロックマン。

久瀬「もっとも、この村は、昭和後期辺りにダム建設反対運動が盛んだったからな。その際、毎年のように変死体が発見されていたという話だ。当然興味を持つさ」
春原「(……そりゃああんただけだっての)」
久瀬「しかし、そのタネ(元凶)も、知ってしまえばどうでもよくなる。僕はいたずらに歴史を変えるつもりはない。同志を見つけしだい早く別の時代に移る心づもりだ」
ロック「あるいは、ワイリーのようにその『諸悪の根源』に自分を売った者も出てくるかもしれないですしね」
久瀬「……(フッ…当たらずとも遠からずか………。諸悪の根源、ないしその手下が、高野一二三氏の研究成果を嗅ぎ付け悪用する可能性は十分にある。周囲の状況から推測するに、僕らが飛んだ時間は幸いなことに、彼女らが決行するはずであった終末作戦以前の可能性が高い。……敵が接触する前に彼女……『鷹野三四』に接触する必要がありそうだ……)」




兵隊「動くな!!!」




春原「ヒィィ!!!」

突然銃口を向けられ情けない声を上げる春原。
久瀬が考え事をしているうちに、いかにもな兵隊に発見されてしまったようだ。

兵隊「こんなところで何をしている!」

久瀬「いや、『野村』の命令で、雛見沢の監査をしているものだ」

いけしゃあしゃあと嘘をつく男、久瀬。



兵隊「はっ!!それは失礼しました!!!」
久瀬「『失礼しました』だとぉ!?僕らは『野村』直属の特命部隊で、極秘で現地に赴いているのだよ?それをその一言で済むと思っているのかね?」
兵隊「ヒ、ヒイイ」
久瀬「本来なら上官への反逆とのことで粛清モノではあるが、大事の前でありことを荒げたくはない。とりあえず大地に頭をこすりつけ僕を拝め!そして靴をなめろ!それで許してやらぬこともない」
兵隊「ハ…ハイッ!!!ただいまやらせていただきますッ!!!」



見るに耐えないので描写はカットします―――


ロック「の…『野村』って誰ですか…?」
久瀬「こいつらの上司といったところだ(そして『鷹野三四』に終末作戦を示唆した黒幕でもある)。まあ、僕の時代にはすでに逮捕され無期懲役となっているがな」
春原「……で、それで平然と上官ぶる……アンタ、本当に恐ろしいっすね……」




小此木「な!!!お、お前、なにやってるんだ?」
兵隊「た、隊長!!も、申し訳ありません!!!実は特命部隊にとんだ無礼を……」
小此木「特命部隊ィ!?そんな話聞いてないぞ!!」
春原「や、やば……」

小此木「て、てめえら何者だッッ!!?」
久瀬「フッ………」

謎の笑みとともに、突如、目にも留まらぬ速さで大きな木の枝に立ち、グレートサイヤマンばりのワケの分からないポーズを取る久瀬。



久瀬「世のため正義のため金のため!!この世にはびこる悪を!生皮剥いだ挙句市中引き回しの上脳漿ぶちまけ家族親戚もろとも皆殺し!!正義のヒーロー!その名も『オヤシロマン』様だ!!!」

久瀬は、そう咆哮すると木から飛び降りこれまたワケの分からないポーズを取っていた。

春原「だ…ださい……」
ロック「その前に、正義のヒーローのやることじゃない……」

兵隊「キ、キチガイだ……」
小此木「え、ええい!!ひるむな!!全員でかかれ!!!」



―――!!!



数多の兵隊が銃を撃ちながら久瀬らを攻め立てる!!!



小此木「ば、バカな!!!仲間を盾に!!?」


久瀬「愚か者が!!!ロックマンはロボット!!!貴様らの銃撃など効かぬわ!!!ロックマンを盾に全速前進DA!!!」
ロック「い、いや、その、痛いんですけど……」

小此木「クソッ!!!大事な作戦の前に!!!こんなところで足止めなど食らってられるかッ!!!バズーカだ!!!バズーカを用意しろ!!!」



手下の兵隊が大型のバズーカを用意する。



小此木「ハッハッハッ!!!こいつは対戦車用のバズーカだ!!!いくらロボットとはいえひとたまりもあるまい!!!」

春原「ヒエエエエエ!!!こ、今度こそヤバいっすよおおお!!!降参しよう!!ねえ!!?」
久瀬「うろたえるな。策はまだまだある」

小此木「何をくっちゃべってるんだ?まあいい。よぉし、撃てえ!!!」







久瀬「ゲドープラチナ・ザ・ジャム!!!時は止まった」



久瀬は止まった世界の中、兵士たちの撃ったバズーカの弾の軌道を逆向きにする。

久瀬「…フッ、これはおまけだ!」

そして、小此木隊長の秘孔を突く。

久瀬「秘孔戦ようを突いた。貴様は動くことは出来ない。そして時は動き出す」







兵隊「え?た、隊長!!弾がこっちにィィィィィ!!?」
小此木「か、身体が動かねえェェェェェェ!!?」



チュドォォォォォォン!!!



久瀬「フフフフフフ…フフフ…フハハハハハァ―――ッハハハ!!!」

かくして、図らずとも山狗は全滅した。



ロック「い、いくらなんでもやりすぎじゃあ……」
久瀬「フン、どんな手を使おうとも勝てばよかろうなのだ!!!」
春原「さ…最低だ……最低すぎる」
久瀬「なあに、時空の平和のための礎ともなれば、彼らも本望であろう」

あまりにも主人公にふさわしくない、最低の行為も平気で行う男、久瀬。

久瀬「まあ、邪魔者を片付けたところで、まずは『鷹野三四』という女性と接触したいのだが……とりあえず―――」



1・「入江診療所に向かうとしよう」
2・「雛見沢分校に向かうとしよう」
3・「古手神社に向かうとしよう」
4・「鬼ヶ淵沼に向かうとしよう」



[15824] 第十一話 …部活レベルです
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/05 20:18
2・「雛見沢分校に向かうとしよう」



久瀬「まあ、邪魔者を片付けたところで、まずは『鷹野三四』という女性と接触したいのだが……とりあえず雛見沢分校に向かうとしよう」



久瀬一行は森を進み、田舎村の小さな学校を目指すことにした。



日の暮れた頃にようやく辿り着く久瀬たち。
だが、そこで信じられない場面に遭遇した!!



??「レナ!!」
レナ「これですべて失敗か。宇宙人と必死に戦ってきたのに…これで人類が滅んじゃったら、圭一くんのせいだからね」
圭一「は?宇宙人?そんなのイマドキ誰が信じるっつうの!」

オンボロ校舎の屋上で、金属バットを持った男…圭一と、鉈を持った女…レナが対峙していた!!



久瀬「なんだ、ただの痴話げんかか。無視しよう」

春原「で、でも、バットとか鉈とか、ブッソーすぎるんっすけど……」
久瀬「ハハハ。元気があったいいではないか」

どこぞの政治家のごとき無責任な発言である。



キィィィン



そんな久瀬たちをまったく介せず、圭一とレナは激闘を始めていた。

ロック「な、なんとかしないと」
久瀬「偶然、カワイイ女の子が雁首そろえている。とりあえず、事情を聞くとしよう」
春原「まってくだすゎい!カワイイ子なら、この僕が話を…」

??「あ、あんたたち、こんな時期に観光客!?」

春原がナンパまがいなことを考えている間、逆に胸の大きい女の人から声をかけられる。

春原「うぉっ!こりゃあ智代ちゃん並にあるかもっ」
??「はぁ?」

この状況での春原の不謹慎な発言に、心底あきれた声を出す、おっぱいの大きい女。

???「そ、それより、二人を止めてくださいっ!ホントはみんな仲良しで、でも、なんか知らないけどこんな風になっちゃってッ!!!」



圭一「この緊張感堪らねぇぜ!決着がつくことすら興ざめするくらいにな!」
レナ「あっはは!!負けても恨まないでね!?」



久瀬「むぅ…」

屋上で激闘を繰り広げる圭一とレナ。
久瀬たちに二人を止めて欲しいと泣きながら懇願する小さい女の子。

そして、久瀬はその女の子に若干の見覚えがあった。

久瀬「(この人はたしか…雛見沢村ダム推進派の北条の娘だったな。もっとも、それが原因で北条家は村八分にされてしまっていたが……。負けず嫌いでめげない性格の人間だと聞いてはいたが……、今回の件は相当参っているらしいな。……と、なると、あっちのおっぱいの大きい娘は園崎の娘……魅音か詩音のどちらか……。……そして、もう一人の小さな子は………)」



??「……あなた、どこまでボクたちのこと知ってるの?」
久瀬「!!?」

久瀬にだけ聞こえるよう、小さな声で話しかける謎の少女…

久瀬「……!!(……そう!この子は古手梨花!!彼女もまた、えいえんを知る数少ない人間の一人!!!)」

梨花「…あなた、この時代に人じゃないのです…。多分未来人……その中でもかなりの特殊な部類に入る人間なのです」

久瀬「(……さすがは、100年の間歴史を繰り返し見てきただけのことはある)」

梨花「でも、いまはそんなことよりあの二人を止めてくださいっ!ボクからもお願いなの!!!」

今度ははっきりと聞こえるように梨花は言い、みぃみぃと泣き始める。

園崎「あ、あなたたちが何者かはさておき、私からもお願い!!」
久瀬「ふーむ……(勝手に歴史を捻じ曲げるのもなぁ……しかし、ここで恩を売っておけば、この先彼女らは強力な戦力になりえそうだし―――)」



1・仕方がない、ここは僕が何とかしよう。
2・だが、所詮は痴話げんか。ほっとけば勝手に収まるだろう。
3・この戦いに、ソレスタル・ビーイングが介入する!!



[15824] 第十二話 …僕も大きくなったらお父さんみたいに竜騎士になるんだ!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/11 21:34
2・だが、所詮は痴話げんか。ほっとけば勝手に収まるだろう。



久瀬「ふーむ……(勝手に歴史を捻じ曲げるのもなぁ……しかし、ここで恩を売っておけば、この先彼女らは強力な戦力になりえそうだし……だが、所詮は痴話げんか。ほっとけば勝手に収まるだろう)」

園崎「ねえ、聞いてるの!!あなたなら圭ちゃんもレナも止めれるんでしょ!!」

久瀬「まあまあ、僕の読みが正しければ、この喧嘩は些細なもので終わるであろうし……(おそらくは僕らが知る雛見沢の時間軸とは異なる……『罪滅し編』であろう。ならばこの後二人は和解し、翌日に山狗部隊に全滅させられているはずだ。……もっとも、山狗はさっき『間違って』全滅させてしまったわけだが……。しかし、それが歴史を変えたとは到底思えぬわけだし……)」







……



………



久瀬の読みは当たっていた。
そして、圭一とレナはこの戦いを楽しく思っていた。


それを見る、警察や生徒達。

梨花「久瀬という男の存在……そして、彼なら、圭一なら、出口なき惨劇の迷路を打ち破れるかもしれない……」


圭一は自分が勝ったら、レナにメイドになってもらうことを約束する。

レナ「可愛い服じゃないと嫌だよ?」
圭一「そこは任せろ。監督の完全監視の元、ちゃんと取り揃えてやるぜ」
レナ「凄い凄い。負ける気はさらさらないけど、何だか楽しそう」

少しずつ毒気が抜かれていくかのよう、屈託のない純粋なレナに戻っていく。

レナ「私も圭一君と同じご褒美がいいな。朝、私におはようって言って、夜は私におやすみって言って欲しい。いっぱい私に優しくして、いっぱい私を楽しくさせて欲しい」

この時、レナはもう元のレナに戻りつつあった…



沙都子「な、なんだか楽しそうですわ…」
久瀬「フフフ……すべては計算どおり。おそらく次の一撃で決まるであろう」
魅音「なっ!!そんな冷静に言わないでよっ!!」
久瀬「勘違いするな。決まるのはお互いの心だ。まあ、その後の未来については僕も予測できないがな(山狗は全滅したし……)」
梨花「……え?」



とか何とかやっているうちに、圭一とレナの決着はついていた。
レナの前に倒れる圭一……



レナ「もう決着ついたんだよね?」
圭一「まだついてねぇ…そいつを振り下ろすまでは、まだ……」
レナ「いやだ…いやだよ。いやだ!!……私は皆を信じていたはずなのに。どこで信じられなくなっちゃったんだろう」
圭一「お前、やっぱりすげぇよ!お前は自分自身の間違いに気づけたんだよ!さすがだ、さすがだよ、レナ!」

レナを圭一は抱きしめる。

圭一「簡単なことだったんだ。誰でも思いつくとても簡単なことをすれば良かったんだ!何かヤバかったり、疑いそうになったり、辛いことがあったときはな。仲間に、仲間に相談するんだよ!」
レナ「そう、だよね。そうだよね!」

圭一の言葉に納得し、また泣き出すレナ。



………



……







―――はずであった。



久瀬「……おかしいな」
魅音「おかしいな…じゃないでしょ!!!レナ!!!正気に戻って!!!」

久瀬「あ…ありのまま、今、起こった事を話すぜ。『レナがジャンプを連発するせいで圭一の攻撃はまったく当たらなかった』。な…何を言っているのかわからねーと思うが、僕も何があったのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…『罪滅し編』だとか『カケラ紡ぎ』だとかそんなチャチなものでは断じてない!」
梨花「そんなこと言ってる場合ですかっ!!!」



そう、屋上では圭一は、明らかにレナに圧倒されていた!!



圭一「なぜだ!レナっ!」
レナ「問答無用だよっ!」
圭一「一体何があったんだ!?」
レナ「うるさいっ、黙れ!圭一くん!とどめだっ」


そのとき久瀬に予感が奔る!!

久瀬「(まさか、レナも『諸悪の根源』に!)」



レナ「今、楽にしてあげる!」

久瀬「そうはさせないっ!!」
ロック「く、久瀬さんっ!!?」

久瀬がレナに向け、先ほど山狗から奪った拳銃を構えたそのとき……


魅音「やめてーッ!」



レナ「魅ぃちゃん!!」

魅音の叫び声が校舎に響き、久瀬はレナを撃つのを、レナは圭一に止めを刺すのをためらった。




??「何を血迷っているのだ、竜宮レナ……」



虚空より聞こえる男の声……

久瀬「貴様が諸悪の根源か!」
??「お前が久瀬か。会えたばかりで残念だが、これが俺の挨拶だ!レナ…遊びはその辺にして、止めを刺すのだ」
レナ「うんッ!」
圭一「やめろレナ!」
レナ「!」
魅音「下がって、圭ちゃん!」
??「ほう、そんなにこの男が大事か。ならば この男は預って行こう。お前とは是非、また会いたい。その約束の証としてな」
行くぞレナ!」
レナ「命拾いしたね。魅ぃちゃん!」
魅音「待っ…て!」



レナと圭一と謎の声の気配が完全に消えた……



魅音「くッ…」

そして残ったのは、完全に意気消沈のメンバーたち……



沙都子「大丈夫ですかっ!」
春原「あの圭一って人、さらわれちゃった」
久瀬「(あの声……どこかで聞いたような……)」
魅音「圭ちゃん……」

沙都子「しっかりして、みんな! 圭一は、きっと無事ですわ!!」

春原「…そうだね!」
久瀬「どのみち、『諸悪の根源』を倒すのが目的だ。野郎一人助けるぐらいついでだからやってしまおう」

魅音「ありがとう…」



諸悪の根源の手下に成り下がり、圭一は囚われてしまった!!
そして、改めて諸悪の根源の打倒を誓う久瀬一行!!!

久瀬「(しかし、相手の力が計りしれない以上、彼女ら全員を連れて行くのは危険だな。捨て駒は春原君一人で十分……)」
春原「また変なこと考えてるな」
久瀬「と、なると―――」



1・彼女のトラップは戦いに大きく役に立つだろう。北条沙都子に決まりだ。
2・古手梨花の知識や経験は、時空を操る諸悪の根源を解析できるかもしれない!
3・やっぱり色気が欲しいから、おっぱいの大きい魅音だな。
4・いっそ、詩音を探してパーティに加えたらどうだろうか?おっぱい大きいし…



[15824] 第十三話 …私にとってすべての感想がまともな感想だす。でも、ありがとうございます
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/18 13:38
2・古手梨花の知識や経験は、時空を操る諸悪の根源を解析できるかもしれない!



久瀬「(しかし、相手の力が計りしれない以上、彼女ら全員を連れて行くのは危険だな。捨て駒は春原君一人で十分……)」
春原「また変なこと考えてるな」
久瀬「(と、なると古手梨花の知識や経験は、時空を操る諸悪の根源を解析できるかもしれない!)よし!ここは古手梨花君のみを連れて行こう」



沙都子「もしかして、ロリコンですか?」
久瀬「断じて違う。というか、君が言うな」

沙都子も梨花も、体系はさほど変わりあるまい。

梨花「それはさておいて、やっぱりここはみんなで行動したほうが―――」
久瀬「(…この旅は非常に危険なのだ。君は何度もこの雛見沢の時空をループしており、その君の知識と経験こそがすべての鍵を握っている。君とて前原君ら『部活メンバー』を危険に巻き込みたくはあるまい…)」
梨花「(…わ…わかったの……)」

集団での行動を希望する梨花であったが、久瀬はそれをなんとか説得する。



魅音「でも、私のせいで圭ちゃんが連れてかれたわけだし、やっぱり私が…」

そして、魅音は心底圭一とレナのことが心配のようであった。
置いてけぼりを食らうことが一番納得できないのは、おそらく彼女であろう。
しかし、久瀬としては『個人の感情』ほど戦略に扱いづらいものはない。
そこで……

久瀬「…君の気持ちは痛いほど分かる。君にとってその二人はよほど大切な人物なのだろう」
魅音「………」
久瀬「……だからこそ、ここは僕たちに任せて欲しい」
魅音「で、でも……」
久瀬「今、君がやるべきことは、一悶着あった前原君と竜宮君とみなの仲を仲裁し、元の鞘に戻すこと。そして、その居場所を確保することなのだ。もし、君が我々とともに戦いに来れば、一体誰が彼らを迎える準備をするのかね?」

沙都子「それはワタクシが―――モゴモゴ―――」
春原「ちょっとごめんねー」

沙都子の口をふさぐ春原。
意外と彼らの連携は取れているのかもしれない。

そして……



久瀬「それは君以外には誰も成しえない。ここは我々に任せ、君は圭一君とレナ君の居場所を確保して欲しい……」



魅音「わ…わかったわ……」



こうして舌先三寸で魅音を丸め込んだ久瀬。
その後、沙都子も似たような手段で丸め込み、4人で別の時代へと移動する。

久瀬「(本来なら鷹野三四に会うことが目的だったが……『罪滅し編』の末期ともなればすでに始末されている可能性が高い。これ以上この時代に留まるのは徒労だな……)」

青子「じゃあ、次は未来の時代に飛ばすわね」
久瀬「うむ、わかった」



●デジョン













……ここはえいえんの世界……



梨花「…ここは……」
久瀬「な、なぜに!?未来へと飛ばすのではなかったのかね?」

他の時間軸へ飛ぶはずの久瀬らは、なぜかえいえんの世界へと到達していた。

青子「うーん……おかしいわねぇ」

どうやら青子先生にもまったく覚えがないようであり、完全な事故のようであった。







まい「違う時間を生きる者が、4人以上で時空のゆがみに入ると、次元の力場がねじれてしまう……。『諸悪の根源』が時間全体に影響を及ぼしているからかもしれない……」

とりあえず、この現象の原因を分析…説明をするまい。

梨花「ってことは、誰か一人えいえんの世界に残ってたほうが安全ってことなの」
春原「えぇえ!?こんなとこおいてけぼりぃ!?」
まい「えいえんはあるよ。ここにあるよ……」

春原「いやだあああ!!僕はもっと現実世界で女の子といっぱいあーんなことこーんなことしたいんだああああああ!!!」

久瀬「黙れ」

…久瀬に秘孔を突かれ気絶する春原。

まい「…ここはすべての時につながってるから……久瀬が願えばいつでも仲間を呼び出せる。でも時の旅は不安定。3人で行動したほうがいい」

久瀬「思いっきり『クロノトリガー』だな」



青子「とりあえず、次は『海馬コーポレーション』を目標にするわ。まあ、久瀬君はいなければいけないとして、まずはパーティを組む必要があるわね」
久瀬「そうだな、ならば『海馬コーポレーション』戦に臨み、次のパーティは……」



1・久瀬・春原・ロック
2・久瀬・春原・梨花
3・久瀬・ロック・梨花



[15824] 第十四話 …ソリッドビジョン
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/18 13:38
3・久瀬・ロック・梨花



青子「とりあえず、次は『海馬コーポレーション』を目標にするわ。まあ、久瀬君はいなければいけないとして、まずはパーティを組む必要があるわね」
久瀬「そうだな、ならば『海馬コーポレーション』戦に臨み、次のパーティは僕とロックマンと古手梨花君に決まりだ」

春原「えええ!?僕はおいてけぼりですかあああ!?」

明らかに不平不満たらたらの春原。

久瀬「……あのなあ、春原君……」
春原「へ?」

久瀬は離れた場所に春原を連れ出す。



久瀬「ここはえいえんの世界。時間は永遠にあるわけだ」
春原「だぁかぁらぁ、んなとこにいられるかっての!!!」
久瀬「まあ、聞け。君は青子先生をどう思うかね?」
春原「え?そりゃあ、まあ、美人だと思うけど……」
久瀬「君はその美人と永遠の時間を過ごせるのだ。男は君しかいない永遠の時間。青子先生といえども欲求不満に陥り何か間違いがあるかも―――」



春原「はぁぁぁい!!!留守番やらせていただきまぁぁぁす!!!」



久瀬「(バカだ…)」

まい「決まりだね」
青子「(この人(春原)に莫迦姉のパンツ売りつけようっと♪)」
ロック「……本当に大丈夫なんでしょうか……」
梨花「…………」

こうして舌先三寸で春原をだまくらかしパーティが決まった。







ロック「ところで、どうして次の目的は海馬コーポレーションなんですか?」
青子「そうねぇ……今回の敵、もしかすると『亡霊』なんじゃないのかなぁって」

ロック「ぼう…れい……?」

青子「海馬コーポレーションには、なんでも『亡霊』を実体化する技術があるらしいから、その技術を使えば『亡霊』を実体化させて倒すことが出来る………そうでしょ、久瀬君」

青子は一通り言い終えた後、事を確認するかのように久瀬に話を振る。



久瀬「…さすが青子先生。すべてお見通しでしたか。実は、先ほどの雛見沢村で聞いた声に聞き覚えがありまして……あの声、僕の記憶に間違えがなければ『勝沼紳一』ではないかと……」

春原「か…勝沼紳一……って!!!あの勝沼財閥の御曹司で、『聖エクセレント女学園』の修学旅行中に手下とともにバスジャックして『24人』の女子を拉致監禁、陵辱の限りを尽くしたものの逮捕されて死刑になった史上最悪のレイプ魔のぉぉぉお!!?」
久瀬「……話はそれだけではない。僕らの時代で起こった事件で、青子先生は知っていると思うのだが……32人の女性を拉致監禁し陵辱した挙句、彼女らを道連れに焼身自殺を図った史上最悪の犯罪者『草陰茂』……しかし、彼は操られていたに過ぎない!彼を操っていたのは他でもない!!その『勝沼紳一』とその手下たちなのだ!!!」

青子「(…そして、通常では知りえない情報を意図も簡単に入手している久瀬君も相当だけどね……)」

ロック「……さ…最低すぎる……まさか、そんな人物が諸悪の根源だって言うんですかっ!!?」

久瀬「……それは分からない……。しかし、もし『諸悪の根源』が彼だとしたら、竜宮レナ君も無事である可能性は低いであろう……」
梨花「そ…そんな…!!!そんなの嘘なのですっ!!!」

久瀬「……そうだな……。とにかく、すべての真相を確かめるためにも、その『勝沼紳一』を実体化させ霊体を完全に封印する必要がある!!!」







次の目的も決まり、出陣する前のこと……
梨花は久瀬を呼び出していた。


梨花「ところで、久瀬は未来から来たのですよね」
久瀬「まあ、君の時代からすれば……な」
梨花「……未来で……雛見沢村は……」


何か聞きた気な……しかし真実を知りたくはないような顔を見せる
そのとき、久瀬は梨花が何を知りたがっているのか、何を恐れているのか、そしてどのような答えを欲しているか即座に見抜いていた。

久瀬「……未来は君らが築くものだ。僕があれこれ歴史に干渉することは出来ない」
梨花「……そう……ですか……」
久瀬「しかし、これだけはあえて言おう。僕のいた未来……歴史の道しるべが用意した未来では君の村は滅びてはいない。後何回雛見沢村が滅ぼされるのか…後何回君らが殺されるのかは分からないが………必ず、君の仲間たちがすべてを解決し、最も幸福な未来を掴み取る!…そういうことになっている!!……だから、きっと前原君もレナ君も無事なのだよ」

梨花「………そう……ですねっ」

久瀬の答えを聞き、『にぱっ!』と笑う梨花。

久瀬「まあ、そのためにも一刻も早く『勝沼紳一』を倒し、前原君とレナ君を救うことだな」
梨花「はいっ!なのですっ!」







こうして時空移動を済ませた久瀬一行は―――



1・とりあえずカード屋に向かった。
2・海馬コーポレーションの頂上へ向かった。
3・なんとなく女子高へ向かった。



[15824] 第十五話 …単純に不法侵入及び強盗です
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/18 22:43
2・海馬コーポレーションの頂上へ向かった。



こうして時空移動を済ませた久瀬一行は海馬コーポレーションの頂上へ向かった。



久瀬「ここがKC(海馬コーポレーション)ビルか。入り口の像のセンスが悪いな」

青眼の白龍の像を虚仮下ろした後、ビルに潜入する久瀬たち。
ビルの中はガランとしており人の姿は見当たらなかった。

ロック「明らかに不法侵入したというのに、警備員一人見えませんね」
梨花「それどころか、社員さん一人見えないですの」
久瀬「……おそらくこちらの方でもなにかのっぴきならない事態に陥っているのだろう。かえって好都合だ」
梨花「ふぁいと、おー!」

こうして歩みを進めていく久瀬一行。



…上の階に上がっていくにつれ、徐々に人の姿が見えてくる。

久瀬「……しかし何でこいつら腕に変な板みたいなのつけてるんだ?」
梨花「これが今流行のファッションか何かなのですかね?」
ロック「とりあえず何があったのか聞いて見ましょう。情報を知っているのかもしれません」
久瀬「そうだな」



ピキーン!



久瀬「解亜門天聴を突いた。貴様は口を割るしかない。さあ、このビルで何があったのか白状しろ」
ロック「(なんで普通に聞けないんだろう…)」

ロボ顔の男「な…!?口が勝手に……」
久瀬「ちなみに抵抗すれば全身から血を吹いて死ぬから、全部ゲロったほうが身のためだぞ」
ロック「(ま…まさに外道……!!)」

ロボ顔の男「…ぼ…僕の名前はシーダー・ミール……『キース・ハワード』に召集されたカードプロフェッサーという賞金稼ぎで……武藤遊戯を倒せば10万ドル貰えるということで……」
久瀬「…貴様のことはどうでもいい。このビルで何が起こっているのだ?」
シーダー「……ぼ…僕もよくわかんないんだけど…I2社の『天馬夜行』という人が、海馬コーポレーションの技術で『ペガサス・J・クロフォード』を蘇らせようとしてるんだよ……そのR・A計画のために真崎杏子を連れ去って……」

久瀬「なるほど……ペガサスとは…これまた随分な大物を蘇らせようとしてる……。僕の眼に間違いはなかった!!狙うはKCビルのサーバールームだ!!」
梨花「了解なのです!!」

こうしてサーバールームへと走り出す久瀬たち…



シーダー「……ぼ…僕は……?」







その後も数人のカードプロフェッサーを見かけるも、全員すでに戦意喪失のようであった。

久瀬「おそらくは武藤遊戯ご一行に敗れたのだろうな」



……さらに上へと進んでいくと、今度は一人のグラサンをかけた米国ヤンキーが座り込んでおり、一人の不良っぽい凡骨がそれを見下ろしていた。



凡骨「こいつはテメーに返すぜ…このカードで純粋にデュエルを楽しんでいた頃の心を取り戻して来いよ!復讐鬼じゃなく決闘者としてオレの前に現れたときは…いつでも闘ってやるぜ!」



そう言って一枚のカードを米国ヤンキーに投げた後、凡骨はエレベーターのほうへ走り去っていった。

久瀬「……おそらくこいつがキース・ハワードってやつだな。通称『バンデット・キース』らしいが……」
ロック「……多分、今走っていった人にやられたんでしょうね」
梨花「まあ、なんてかわいそーなの」
久瀬「こんなアメリカヤンキーの糞商売根性など捨ておけい」
ロック「そんな、せめて介抱くらいはしてあげましょうよ」
久瀬「時間の無駄だ」



…とかなんとかやっているうちに、気を取り戻すバンデット・キース……

キース「…クソ……城之内は……どこだ……!お…オレと闘え……」

久瀬「完全に狂ってるな。かわいそうだから止めを刺してあげよう」
ロック「どうしてそんな発想になるんですかっ!!!」
久瀬「…うーむ、仕方ない。あたぁ!!!」

久瀬はキースの秘孔を突き正気を取り戻させる。

キース「チィ……クソが……!」
久瀬「助けてもらってその第一声がそれか」
キース「ウルセェ!!誰が頼んだ!!クソ……あの城之内!!今度こそ倒してやる!!」
梨花「もう一度黙らせたほうがよくない?」
久瀬「うむ」
キース「なっ!!」
ロック「みなさん冷静に!!!……とりあえず、蘇っていきなり頼むのもなんですけど、サーバー室まで案内してもらえませんか?僕たちには今どうしてもそのKCの技術が必要なんです!!」

キース「……な…なんでオレがそんなこと……」

梨花「やっぱりもう一度……」
久瀬「うむ」

キース「わ、わかった!案内すりゃあいいんだろ!!クソ!!」














久瀬「……どういうことだ……!!!」

サーバー室に辿り着いたときには時すでに遅し。
ビルから嬉々として出て行く遊戯ご一行とカードプロフェッサー、そして天馬兄弟……

キース「あー…まぁ…その、あれだ。多分、遊戯が天馬のヤローを倒したんだろーな……」
久瀬「チィ……しょうがない!!あの海馬社長に直接交渉してくる!!!」

梨花「あ、そういえばさっき、センスのカケラもない龍みたいな飛行機が飛んで行きましたの」

久瀬「何ィ!!?それは紛れもなく海馬社長専用飛行機ではないか!!!クソ!!!こうなったらサーバー室ごと盗むぞ!!!」

ロック&キース「「(さ…サイテーの発想だ……)」」



警備員「こ、こらー!!何をしている!!!」

久瀬「チィ!!面倒なことになる前に逃げるぞ!!!」
梨花「おー」
ロック「わわわわわ」
キース「な、なんでオレまで……!?」



なんとか海馬コーポレーションを脱出するも、海馬コーポレーションの技術を得ることに失敗したわけで……



久瀬「ええい!まだだ!まだ終わらんよ!!!」



キース「……ってか、オレも一緒に行動しなきゃいけねーのかよ!!!」
梨花「まあまあ、命があるだけでもめでたいことですの」
久瀬「『勝沼紳一』の魂を捕らえる技術はまだあるはずだ!!僕が新たに入手した情報だと―――」



1・県立北高校にはキチガイなクラブがあるらしい!!
2・私立桜ヶ丘高校には軽音部があるらしい!!
3・CREW GUYS JAPANにはメテオールという謎の技術があるらしい!!







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデッド・キース』の4人です。



[15824] 第十六話 …わーれーらーがー四天王!!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/21 03:10
1・県立北高校にはキチガイなクラブがあるらしい!!

パーティ…久瀬・春原・キース



久瀬「『勝沼紳一』の魂を捕らえる技術はまだあるはずだ!!僕が新たに入手した情報だと県立北高校にはキチガイなクラブがあるらしい!!」
キース「…あぁん?それで?そんな仲良しクラブなんかがなんの役に立つっつうんだよ」
久瀬「まあ、なんでも『SOS団』とか言って、宇宙人やらアンドロイドやら未来人やらと遊ぶことが目的らしいからな(…と、HPに書いてあった)。なんらかしらの情報があるかもしれないだろ?」

春原「部活動……ねぇ……。僕はあんまし興味ないね」

久瀬「ほぉ…なんだかやけに不機嫌そうだな」
春原「べっつにー……ただ、なんか真面目に部活動なんかやってるやつの気が知れなくてね」
キース「……今の話の内容を聞いて、どこが真面目な部活動だと思ったんだ…?明らかにフザけてるだろ」
久瀬「ま、『SOS団』がどこまでの力になるかは分からないが、ただでさえ雲を掴むような話なのだ。当てになる情報は一つでも検証していったほうがいい」












……ここは、久瀬が存在する時間とはまた異なる時間の世界……
そこに『勝沼紳一』、そしてもう一人『闇の衣に包まれた巨大な蜘蛛』が存在した。

紳一「来い、『草陰茂!』」
茂「へっ!『土の草陰茂』、今来ましたぜ」

そう、この男こそ『草陰茂』!!
32人の少女を拉致監禁し強姦した上、自身の立てこもる旧校舎を放火し、すべてを焔の中へ葬った男である!!
彼は勝沼紳一に操られていたに過ぎないが、彼自身、操られる以前にも旧校舎を根城とし強姦を繰り返していた邪悪な男には変わりなかった。
そして肉体が滅びた後に、勝沼紳一の傘下と加わったわけであるが……

紳一「あの久瀬という男は侮れん。今のうち、手を打っておいた方がよさそうだ。幸い、奴は俺らを完全に葬る力は持っていない。お前の『今の肉体』の率いるアンデッドたちには、その拳も鈍ろうというもの。だが奴は、俺たちを葬る力を得ようと北高校に向かっている」
茂「…そりゃマズくないですかい?」
紳一「そうなる前に始末するのがお前の役目だ」
茂「…心配ありませんよ。ついでにいい女がいたら、喰っちまっても構いませんかね?」
紳一「まあ、いいだろう。ただし!『涼宮ハルヒ』、『朝比奈みくる』、『長門有希』はこの俺が犯すからここに連れて来い。いいな」
茂「わ、わかりました……」

こうして『巨大な蜘蛛』…その肉体を借りた『草陰茂』は姿を消した。

紳一「面白くなったな。竜宮レナ!」
レナ「うん…。でも、梨花ちゃんたちは油断したら…」
紳一「かつての友を敬う気持ちも分るが…だからこそ、『草陰茂』を差し向けた。ヤツも四天王の一人。楽しませてくれるはず。なあ前原圭一!」
レナ「部活メンバーはレナが…!」
紳一「この間のような失態を見せておいて、何を言う!お前は前原圭一の見張りをしてろ」
レナ「…はい……」

圭一「気をつけろ……梨花……」

紳一「(クソ……『ヤツ』の命令がなければ前原圭一など殺して、こんな女などとっくにヤリまくってるってのに!……まあいい、ヤツを超える力を手に入れたときが最期よ!最後に笑うのはこの俺だ!!ウワーハハハ!!!)」













場面は戻り、童実野町の公園。
北高校へ場所移動をしようとする久瀬の前に、一人の髪のクソ長い外人が歩いてきた。

????「Hay!お久しぶりデース」
久瀬「そ、その声はミスター・ペガサス!?」

…そう、死んだはずのペガサス・J・クロフォードであった!

キース「て、てめぇ!!死んだんじゃ!?」
久瀬「ま、まさか、天馬夜行の『R・A計画』は成功したとでも……!?」

ペガサス「NonNon!そもそもワタシは死んでなどいまセーン!『遊戯王GX』でも普通に出てきマース!」

完全にフザけた外人である。

ペガサス「I2社はワタシがいない間に、天馬兄弟が立て直したようで安心シマシタ。ワタシの眼に狂いはありませんデシタネ。さらにここでミスター久瀬とビジネスの話が出来るとナレバ鬼に金棒、『サウザンドアイズに月読命』デスネー!!」
久瀬「うむ、確かにあなたほどの男とのビジネスの話は興味あります。しかし今は……」

キース「んなこたぁどーでもいい!!……クックックッ!!こうしてテメェに復讐する機会が出来たんだ!!!今!ここでデュエルしろ!!!」

ペガサス「フー……ヤレヤレデスネ……」

キース「それとも、オレ様が怖くてケツまくって逃げるのか、オカマ野郎!!」

ペガサスとの思わぬ再会に、バンデット・キースの復讐心がいきり立つ。



久瀬「………(今はこんなことしている場合ではないと思うのだが―――)」



1・最優先は『SOS団』との接触である!キースを黙らせてでも先を急がねば!
2・ここでバンデット・キースの実力を確かめるのも一興だ。好きにさせよう。
3・その隙に、誰か女の子を誘ってイイコトをしよう。



[15824] 第十七話 …トムの勝ちデース
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/28 22:47
3・その隙に、誰か女の子を誘ってイイコトをしよう。



久瀬「………(今はこんなことしている場合ではないと思うのだがその隙に、誰か女の子を誘ってイイコトをしよう。どーせそう簡単に決着はつくまいし……)」



キース「まさか逃げたりしねェよなぁ!オカマ野郎」
ペガサス「……ワカリマシタ。あなたがこのエセ金髪ボーイに勝つことが出来マシタラ、リベンジに応じまショウ」

キース&春原「「な、なにい!?」」

春原「ぼ、僕、やり方なんてぜんぜんわかんないんだけど……」
ペガサス「大丈夫デース!この紙に書いてあるとおりに闘えば、絶対に勝てマース」



かくして、久瀬がどっか行こうとしている間に、キースのリベンジ前哨戦が始まったわけで……



キースLP4000 春原LP4000

キース「オレのターン!!まずは『メカ・ハンター』を召喚!!次に魔法カード!『未来融合フューチャーフュージョン』を発動!!デッキから『リボルバードラゴン』、『ブローバックドラゴン』を墓地に送り2ターン後に『ガドリングドラゴン』を特殊召喚……ただし!オレはさらに『オーバーロード・フュージョン』を発動し、墓地より『リボルバードラゴン』、『ブローバックドラゴン』を除外!!HAHAHA!『ガドリングドラゴン』を特殊召喚!!カードを二枚伏せてターンエンド!!!」

メカ・ハンター レベル4/闇属性/機械族/攻1850/守 800

ガドリングドラゴン レベル8/闇属性/機械族/攻2600/守1200
コイントスを3回行う。表が出た数だけ、フィールド上のモンスターを破壊する。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。



春原「げええ!!カードが実体化してるぅぅぅ!!?」

キース「(リバースカードは『リミッター解除』と『リビングデッドの呼び声』……攻撃した瞬間、攻撃力二倍の機械モンスターで返り討ち……さらに次のターン『リビングデッドの呼び声』で蘇ったガドリングドラゴンでトドメよ……クックックッ………!!!)」



春原「え…えっと……そのカードが出てきたら、LP800を払って『洗脳ブレインコントロール』を発動してガドリングドラゴンのコントロールを得て……さらにLP1000払って魔法カード『トゥーンワールド』を発動……ガドリングドラゴンをリリースして『トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール』を召喚……」


トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール レベル6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700
場に自分の「トゥーン・ワールド」がないと特殊召喚不可。
「トゥーン・ワールド」が破壊された時このカードも破壊。
相手がトゥーンをコントロールしていない場合このカードは相手を直接攻撃できるが、コントロールしている場合は相手のトゥーンを攻撃対象に選ぶ。
また、自分と相手の墓地にある「ブラック・マジシャン」「マジシャン・オブ・ブラックカオス」の数だけ、攻撃力が300ポイントアップ。



春原LP2200

春原「えっと……さらに装備魔法『巨大化』を装備して攻撃力2倍にして直接攻撃……」
キース「え!?」

キースLP0


ペガサス「エセ金髪ボーイの勝ちデース!!!」

キース「バ…バカな!!!その紙を見せてみろ!!!」
春原「ぐえ……」

キースは春原から紙を取り上げると、たしかに、春原はペガサスの書いた紙どおりに行動していただけだった!!

キース「―――ッッ!!?」

ペガサス「例え『千年眼』がなくても、心理戦はワタシの得意技デース!復讐心にマインドを支配されたユーの行動はすべて手に取るようにワカりマース!今のユーでは、まだまだワタシに勝てまセーン」



久瀬「なんだと!!僕がカワイイ娘を探すまもなく終わっているではないか!!!まったく!全米一の賞金稼ぎが聞いてあきれる!!」

あまりのキースのだらしなさに憤慨する久瀬。



キース「……ま……まだだ……もう一度…だぜェ…もう一度オレと…闘え……!」



ペガサス「ヤレヤレ…困りマシタネ……」
久瀬「こんなヤツ用済みだ…ミスターペガサス。あなたが代わりに仲間にならないかね?」



久瀬はペガサスにすべての事情を話した……



ペガサス「事情はワカりマシタ。しかし、ワタシはユー達と行動するより、ミスター海馬と協力し、その『勝沼紳一』を捕らえる技術を完成させたいと思いマス」
久瀬「それは残念ですね」
ペガサス「それより、その県立北高校の『SOS団』には何かがあると思います。ユー達はそこに向かい『SOS団』と接触すべきデス」
久瀬「…貴方ほどの男がそこまで言うのですから、間違いはないでしょう」



ペガサス「ついでに、この男(キース)の根性も叩き直して真っ当なデュエリストに戻してやってくだサーイ」



久瀬「……え?」

そういって、ペガサスは勝手に帰っていった……



久瀬「(……とりあえず『SOS団』との接触は必要として……次は誰を連れて行くか………)」







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデッド・キース』の4人です



[15824] 第十八話 …愛すクレーマー
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/07/30 00:11
久瀬「(……とりあえず『SOS団』との接触は必要として……次は誰を連れて行くか………)」



パーティ…久瀬・春原・ロック







…ここは県立北高校。

そう!
我々はこの学校を知っているッ!!
この学校に存在するキチガイ……もとい何とも奇妙奇天烈なクラブを……!!!






*ここからはとある人物の語り口調で物語りは進行します






ハルヒ「みくるー!お茶ー!!」
みくる「は、はいっ!!ただいまっ……!!」

ハルヒ「あーあ……もうも平凡な日常が続くとなんか退屈ね」

…あれだけの事件が起こって間もないのに、よくそんな口を叩けたものだ。
喉元過ぎれば暑さを忘れる…ともいうが、ようやく世界が超常現象とは無縁の平凡な日常に変わってしまったことに、少しはありがたみを感じるべきだろう。

ハルヒ「ちょっと!バカキョン!!なんか面白いことないわけ!?」

またいつものハルヒの我侭が始まる……
そうそうハルヒの求める『面白いこと』など起こってたまるか。
宇宙人に殺されかけたり『機関』とかかわりを持ったり…そんな日常は二度とごめんだ。

キョン「やれやれ……」

……しかし、あの女がああ『我侭』を言う以上は、きっと何かが起こるのだろう……






パリィィィン!!!



??「ゲフウウウウ!!!」

キョン「なっ!!?」

……とか何とか言ってるうちに、窓ガラスより金髪の男が飛び込んできた!!
このなんとも突発的な状況にこの女は……

ハルヒ「ちょっと!これ!何かあるんじゃないの!!もしかして元KGBの奇襲!?ネオナチ!?それとも創価学会の嫌がらせ!?」

元KGBやネオナチ、創価学会が何の得があってこんなところを襲うのだろう?
…いや、プーチンなら長門や古泉の情報を握っていてもおかしくはないかもしれないが……



??「いやあ、すまない。偶然『南斗人間砲弾』が失敗して、偶然君達の部室にはいってきて申し訳ない。いやあ、本当に偶然だね。フハハハハ」
???「そんな!いくらなんでも無茶苦茶です!!いや、皆さん申し訳ありません」

…そして、やたら『偶然』を連呼する白衣の男がノックもせずに教室に上がりこんできた。
こう『偶然』を連呼される場合、大抵が偶然ではない。

??「僕の名前は『久瀬』。年齢は17歳。結婚はしていない。とある学校の生徒会長で毎日遅くとも夜8時には帰宅する。タバコは吸わない、酒はたしなむ程度。夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている…。寝る前にあたたかいミルクティーを飲み、2時間ほどのSEXで体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡さ…赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに、朝目を覚ませるんだ…健康診断でも異常無しと言われたよ」

…こいつはどこぞの手首フェチの殺人鬼か……!



みくる「はわわわわわ!一体何事なんですかあああ!?」

お茶を汲みに行っていた朝比奈さんが姿を現す。
顔を出しても絶対ろくなことにならないのに、なんともけなげだと思う。

久瀬「なんだおっぱい奴隷か」
ハルヒ「よくわかったわね」
みくる「ち、ちがいますううう!!!」
ハルヒ「この金髪の弾丸(春原)もあんたの奴隷なワケ?」
久瀬「いや、捨て駒だ。まあ、春原君にしては今回は頑張ったほうだろう」
春原「アンタは毎回毎回……」

…この女…すでにこの状況に溶け込んでやがる……

ロック「……はぁ……本当に申し訳ありません……」

この申し訳なさそうに頭を下げる青い服?を着た男……
この人はまだまともであることに救いを感じずにはいられない。



ハルヒ「で、偶然大砲でここに入ってきたとして、なんでそんなことしたわけ?」
久瀬「……まあ、実はだな―――」

そして、この『久瀬』という白衣の男がこの砲撃?の理由を話始めたわけで―――



1・非常に不本意ではあるが、ハルヒと話を聞くことにした。
2・俺は興味がないので部室から出ることにした。



[15824] 第十九話 …God Unknows…
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/16 00:55
2・俺は興味がないので部室から出ることにした。



ハルヒ「で、偶然大砲でここに入ってきたとして、なんでそんなことしたわけ?」
久瀬「……まあ、実はだな―――」

そして、この『久瀬』という白衣の男がこの砲撃?の理由を話始めたわけで、俺は興味がないので部室から出ることにした。



長門「……おかしい」
キョン「は?」

廊下に出た瞬間、まるで俺を待ち伏せでもしてたかのように、長門が現れ呟いた。

長門「……あの男……『久瀬』はどうデータを照合しても普通の人間……」
キョン「それのどこがおかしいんだ?」
長門「あなた同様、涼宮ハルヒの力に影響を与えるイレギュラーの可能性……それも皆無……」
キョン「……じゃあ、それで別にいいんじゃないのか?」

長門「……状況から推測すると、涼宮ハルヒが望む非日常が具現化し、且つ、『久瀬』は『ある目的』を達成するため涼宮ハルヒの力を利用しようとしている……お互いの目的が一致したケースということになる………」

…長門が何を言いたいのかさっぱり分からない。
今までのパターンから考えれば、これはハルヒの望んだ現象……ただそれだけなんじゃないのか?



長門「……でも問題はそこじゃない……。あの男…『久瀬』らは何らかの手段により時間遡行をしここに来た……『時間断層』が生じ3年前からの時空移動が不可能になったにも拘らず、それもTPDDなしで……」

……なるほど……
どちらかといえば朝比奈さんに近いものがあるということか……

キョン「……つ、つまり……『久瀬』って男は普通の人間でありながら、ハルヒの望んだ厄介なモノを満たすなにかを持っているってこと……か?しかも、お前ら以上にありえない方法で時間移動してきて……」

……そこまで推察することが出来るようになるとは……
水は方円の器に従うとはよく言ったものだ……

長門「……しかし、事態は『情報統合思念体』すら解析できないことに陥っている―――」



古泉「そして、我々『機関』も非常に興味深い話なのですが、どう介入していいのか困ったものなんですよ。なにせ『閉鎖空間』ではなく『現実』に起きる出来事ですから」

いきなり俺の背後に現れた古泉……
……ってか、顔が近すぎる……

キョン「つまり……今、一体何が起きてるんだ?知ってる限りのことでいいから教えてくれ!!!」

……本当は知りたくもないことなのだが、それでも聞かずにはいられなかった。

長門「……今明らかな情報は、時空を超越する『諸悪の根源』が時間圧縮を行い全てを無に返そうとしている……それを『久瀬』は『現時点』では阻止するために涼宮ハルヒを利用しようとしている」

……なるほど……
相手がなんでもありならこっちもなんでもありのハルヒで対抗するという、まさに毒を持って毒を制す…ってやつか……

キョン「…って、納得できるかッッ!!長門の話が『仮に』正しいとして、そんなワケのわかんないことのために巻き込まれなきゃならないんだ!?」
長門「涼宮ハルヒが巻き込まれるということは、高確率で貴方が巻き込まれるということ」
キョン「それもそうだけど、いくらハルヒにそういう『力』があるからって、それを『利用する』って……どっからどうみても(あくまで外見だけだが)普通の女子高生を、ワケのわからない戦いに狩り出すなんて、一体どれだけ非情なヤツなんだ……!?」



??「……フフ……ずいぶんな言われようだな」



何時の間に……
それこそ古泉の時とは違う……
まるで時を止められたかの感覚で、本当に何時の間に俺の目の前に、この白衣の男…『久瀬』は存在した……!!!

久瀬「……それに僕は『利用する』つもりはない。あくまで『協力してもらう』のだよ」

ハルヒ「まあ、話は聞いたけど、面白そうジャン!!こういう、本当の非現実な……まさに『第三次時空大戦』みたいなのを望んでたのよ!!!」

……こ、この女は、今ひとつ事の重大さに気づいていない……

久瀬「君は何をしていても構わない。ただ、その戦いの場を感じ取ってくればそれでいい。それでも、それが今後のSOS団の活動に大いに貢献する出来事になると思うよ」
ハルヒ「そうねえ!時間を支配する敵に、それを倒すため時を越え仲間を集める男……熱い展開じゃない!断られても絶対に行くわよッ!!」
久瀬「それでこそSOS団団長だ」

…もはや言葉もない。
……ハルヒがただただ単純なのか、あるいはこの『久瀬』という男の交渉術がすごいのか…まるで見当もつかない……



久瀬「(ちなみに、長門君や古泉君、朝比奈君の情報は一切伏せているから、そこは安心したまえ)」
キョン「………!!!」

俺にだけ聞こえるように小声で俺にささやく久瀬。
その言葉を聞いた俺は、まさに青天の霹靂であった。



…そして、我に返ったときに当然思うこと。
なんでこの男は『長門』『古泉』『朝比奈さん』のこと知っているんだ!?

久瀬「(彼女が長門君らの情報を得たところで、この世界には不利益しかもたらさないからな。極力情報は伏せておくのが得策というものだ)」

いや、この男がなんでこちらの情報を握っているのかはこの際どうでもいい。
……この調子だとおそらくこの男は、この戦いがいかに危険であるかとか、そういった肝心な情報は一切伏せ、ハルヒの喜びそうな情報だけを与え懐柔したに違いない。

そんなヤツが世界のために戦う…だと!?



…俺はこの久瀬という男を―――



1・一発殴らなければ気がすまなかった…
2・意地でも止めようと思った…



[15824] 第二十話 …糞SS=下劣×不精×根性悪
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/17 23:23
1・一発殴らなければ気がすまなかった…



いや、この男がなんでこちらの情報を握っているのかはこの際どうでもいい。
……この調子だとおそらくこの男は、この戦いがいかに危険であるかとか、そういった肝心な情報は一切伏せ、ハルヒの喜びそうな情報だけを与え懐柔したに違いない。

そんなヤツが世界のために戦う…だと!?



…俺はこの久瀬という男を一発殴らなければ気がすまなかった…






予想もしなかったことだが、かわされると思っていた俺の拳は難なく『久瀬』という男の左頬を貫いていた。

久瀬「…これが…若さか……」



キョン「……ッッ」

……というより、なんだかわざと殴られた感さえ感じられる。
俺が殴ることさえもこの男の想定にあるとすれば、古泉並にタチの悪い男だ。

ハルヒ「ちょっと!キョン!アンタいきなり―――」

久瀬「……いや、なに構わんよ」

案の定、何もなかったかのよう話を続けようとする久瀬。

春原「なんだったらもっとやっても……」
久瀬「古泉君、この男を永久に『閉鎖空間』に封印してくれないかね?」
古泉「あまり私用で能力は使いたくないんですがねぇ」
春原「な、なんだかよく分からないけど、いや、マジすんません」



久瀬「……フフ……君は似ている」
キョン「は?」

今度は突然何を言い出すんだ…?

久瀬「……かの闇のフィクサー『銀王・平井銀二』は言っていたよ。『巨悪を征するのはそれより大きな巨悪』…と」
キョン「……なッッ!?」
久瀬「悪を倒すのは正義などではない。暴力にはより強い暴力で、権力や金にはそれ以上の権力や金で屈服させなければならないのだよ」

キョン「………」

……開いた口が塞がらなかった。



長門「(……データによると、この男『久瀬』は以前も同じことをしている)」
キョン「へ?」

今度は長門が、俺にだけ聞こえるようにそっと話す。

長門「(以前、彼は自分の通う学校で『川澄舞』という人物に手刀を寸止めされた時も微動だにしなかった)」
キョン「(…それってただ単にケンカに弱い…ってだけじゃ……)」
長門「(……それなら初めからこのような戦いはしない。……この男は自分の善悪に忠実な究極のエゴイスト。己の悪も理解しその業を背負おうとする……極めて不合理な有機生命体―――)」



ハルヒ「アンタたち、さっきから何をウダウダ言ってるのよ!」



人が重要な話をしているときにこの女は……



ハルヒ「ほら!みくる!戦闘服に着替えなさい!!」
みくる「…だからって、なんでこんなピチピチでやたら露出の多い服なんですかぁぁぁっ!!?」
ハルヒ「SF映画のヒロインの服ってみんなそういうもんでしょ」
春原「うんうん!すんごくいいっす!!」

前言撤回!
たしかに……!
朝比奈さんなら何を着ても似合うが、こういうフィフス・エレメントに出てくるような非常にセクシーな衣装なら、これぞ文句なしの眼の保養になる。
あの金髪不良男のオーバーなアクションも妥当といったところだろう。



……って、そんなこと考えてる場合じゃない!



キョン「……あのなあ……ハルヒ。事がどれだけ重大か分かってんのか?」
ハルヒ「もちろんよ。世界の危機が懸かってるんでしょ。だからってガチガチに構えていても何も始まんないわよ」
キョン「……はぁ……」

古泉「(……おそらく長門さんは静観の立場を取るでしょうけど……万が一の時には、僕が久瀬さんを始末しなければならないかもしれませんね……)」







視点は第三者に戻る―――







久瀬「(折原浩平君…相沢祐一君…国崎往人君…岡崎朋也君……キョン君は彼らと極めて似たタイプだ。これらのタイプの人間は、なぜか予測の出来ない『奇跡』を引き起こすモノを持っている。もしかしたら彼は、涼宮ハルヒ君の『世界を操作する力』以上に収穫かもしれない…フフ……)」



ロック「……あの、どう見ても彼ら普通の高校生なんですけど、どう考えてもこんな戦いに狩り出すのは非人道的じゃ……」

そう、朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹のデータを握っているのはあくまで久瀬のみ。
春原、ロック、キースは当然知りえない情報である。(梨花、蒼崎青子、まいは知っていたかもしれないが)
故に、ロックの意見は至極まともな意見であった。



……しかし、久瀬はその意に介さない。



久瀬「(戦いはすでに始まっている。情報戦ではまずはこちらがリード…勝沼紳一が涼宮ハルヒ君に手を出す前に接触、仲間にすることは出来た。問題はこの後……!勝沼紳一は間違いなくこの場所に現れ僕らと対峙するであろう。彼を倒すには涼宮ハルヒ君の能力が不可欠ではあるが、彼女の能力は今のところ極めて不安定かつ不確定要素が強い。……だとすると、彼女の能力をバックアップする仲間が一人くらいは欲しいところだが―――)」



1・やはり涼宮ハルヒ君に対し影響力が強く、相沢君のような『奇跡』を体現する可能性もあるキョン君だろう。
2・情報統合思念体の超越した英知と蓄積された情報をもつチート、長門有希君だな。
3・ヤプールばりに閉鎖空間に行き来できる超能力者、古泉一樹君だろうか……
4・やはりアイドルは欠かせない!おっぱい最高な未来人朝比奈みくる君に決定ッッッ!!!



[15824] 第二十一話 …外道の手下は外道
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/20 21:50
1・やはり涼宮ハルヒ君に対し影響力が強く、相沢君のような『奇跡』を体現する可能性もあるキョン君だろう。



久瀬「(戦いはすでに始まっている。情報戦ではまずはこちらがリード…勝沼紳一が涼宮ハルヒ君に手を出す前に接触、仲間にすることは出来た。問題はこの後……!勝沼紳一は間違いなくこの場所に現れ僕らと対峙するであろう。彼を倒すには涼宮ハルヒ君の能力が不可欠ではあるが、彼女の能力は今のところ極めて不安定かつ不確定要素が強い。……だとすると、彼女の能力をバックアップする仲間が一人くらいは欲しいところだが……やはり涼宮ハルヒ君に対し影響力が強く、相沢君のような『奇跡』を体現する可能性もあるキョン君だろう)」


ハルヒ「ってわけで、キョン!あんたも同行するのよ!!」
キョン「……へ?」
みくる「が、がんばってくださいっ!!」
キョン「あ、はい……(って、そんなギリギリのSF衣装で迫らないでくださいっ……)」

久瀬「……まあ、そういうことだ。(……ってか、僕が仲間にする前に強制連行か……)」




古泉「……(キョン君なら、まあ、大丈夫でしょう。僕としては影ながらサポートしたいのですが……。今回、貴方と僕の利害は一致するはずですから、一緒に動きませんかねぇ)」
長門「(……異論はない)」



久瀬「……無論、君達のバックアップは想定の範囲内だ。特に長門君。君には至る場面でご助力をお願いしたい」

長門「……構わないけど……情報統合思念体は、貴方達のような有機生命体が解析、理解するには容量が大きすぎる……。それは久瀬君……貴方とて例外ではない」
久瀬「無論、そのようなおこがましいことは考えてもいない……フフ……。ただ、その君の能力の一部を貸していただくに過ぎない。最も、君も涼宮ハルヒ君の監視も出来てお互いの利益は一致するのではないのかね?」

古泉「それは僕とて同じ立場なんですけど、なぜ彼女なんです?」

久瀬「男より女の子の方がいいに決まっている」
古泉「あらら」



そんな会話の中でも長門は久瀬の意思にアクセスしようと試みているのだが……

長門「(……何という強靭なエゴ……!情報の書き換えはおろか、こちらからの介入を一切許さないなんて……)」

……無論、久瀬はそれを許さなかった。

久瀬「(長門有希……否、情報統合思念体……か。僕の持っている不都合な情報を削除しようとするとは、やはり完全に僕を信用してはいないらしい。……フフ……)」











ここは北高前……
ついに現れた闇の衣に包まれし蜘蛛……!
否、その身体を操る邪悪な魂『草陰茂』!!!



茂「グ…グフフ……なんていい身体なんだ……!こいつの能力なら、誰が相手であろうとも……いや、軍が相手であろうと負けやしねぇ……!グフフフフフフ!!」

男は身体の記憶にあるルーンの文字を校庭に描き、呪文を唱え始めた!!



茂「天に燃ゆる金蠍宮の火の心臓よ……我が従僕に仮初の命を与えるべし……」



すると、ルーンの魔方陣より肉体がトマトソースのごとくグチャリとしたものが姿を現す……!

???「グオオオオオ!!痛イ…!痛イ…!ナゼ安息ノ眠りヲ妨ゲル……ッッ!!」

茂「うっ、うるせぇな!こ、この俺様が再び現世に蘇らせてやったんだ!ありがたく思えよな。ヒッヒッ……」

???「わ…俺を……!俺を『魔竜王ガーヴ』と知ってのことか……!」
茂「し、知らねえよ!お、俺はただ、勝沼様から与えられた身体の能力でアンタを『アンデッド』として蘇らせただけだ」
ガーヴ「グアアアアアア!!!」
茂「わ、我ながらひでぇ能力だぜぇ……。皮膚のない痛覚神経剥き出しで蘇生させちまったんだからなぁ……!こんなんじゃ女を蘇生させて犯そうにも気が削がれちまうぜ……」

ガーヴ「紅蓮の炎に眠りし暗黒の竜よ、その咆哮をもて、わが敵を焼き―――ミギャアアアアア!!!」

茂「わ、悪ぃな…、アンタ、もう俺の従僕なんだからさ……、俺に逆らおうとすれば、もっと苦しくなるだけだぜ…。そ、それに、久瀬たちを倒して北高の女を犯しまくれば、お、お前にもおこぼれくらいはやるぜ……!」

ガーブ「い、いらん……グアアアア!!!」



聡明な方は気づいたであろう。
草陰茂の操るこの身体は『冥王ゴルゴナ』のものであった!!
生前も死後も『冥王』に弄ばれる魔竜王ガーブの様はまさに皮肉でしかない。



茂「ま、まあ、とりあえず久瀬たちを倒せば、もう一度安息の眠りを与えるぜ……グヒッ…」

ガーヴ「ほ…本当……だな……」

茂「あ、ああ……本当だぜ」

こうして主人・勝沼紳一ばりの口八丁で魔竜王ガーヴを操り、久瀬の抹殺及び涼宮ハルヒの奪還を狙う草陰茂。







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデッド・キース』『涼宮ハルヒ』『キョン』の6人です。



[15824] 第二十二話 …勝てばよかろうなのだァ!!!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/20 22:03
こうして主人・勝沼紳一ばりの口八丁で魔竜王ガーヴを操り、久瀬の抹殺及び涼宮ハルヒの奪還を狙う草陰茂。



パーティ…久瀬・キース・ハルヒ







アンデッドと化した魔竜王ガーヴ……
その牙がついにSOS団、そして久瀬へと向けられる!!!

ガーヴ「紅蓮の炎に眠りし暗黒の竜よ、その咆哮をもて、わが敵を焼き尽くせ。魔竜烈火咆!!!」



キース「罠発動!!八式対魔法多重結界!!手札から魔法カードを一枚捨てることで発動は無効になる!!!」

ガーヴ「なっ……!!!」

ガーヴは失われし最強クラスの魔法『ガーヴ・フレア』を放とうとするが、事前に張っていた罠により無効化されてしまった。



久瀬「残念だったな。先ほどの君と…姿こそ違えど『草陰茂』の行動は見せてもらったよ。『ガーヴ・フレア』か……フフ…手の内は二度も見せるものではない。……切り札は最期まで取っておく……これは勝負の鉄則なのだよ」

ガーヴ「お…おのれい!!!」

久瀬「こちらは三人…果たして今のような大呪文、僕らを相手に唱える暇があるものかね?」
ハルヒ「ふーん…そいつが魔竜王?なんだかたいしたことなさそうね」

ガーヴ「な…舐めやがって!!だが、俺は魔法だけじゃねえぜ!!!」

ハルヒ「その崩れかかった身体で肉弾戦?バッカじゃない?」
久瀬「そのようなこと……僕のデータにないとでも思ったのか愚か者が。確かに貴様は剣の達人ではあろうが……ホレ、涼宮君」

久瀬はそういうと、ハルヒに一本の剣を渡した。

久瀬「果たして、貴様にこの女子高生を倒すことが出来るかなァァァ……?」

ハルヒ「ふーん……剣道ねぇ。実践でやってみるのも面白そうだわ」
魔竜王「ま…マジで舐めやがって!!」

刹那!魔竜王ガーヴの剣撃がハルヒに襲い掛かった!
しかし、さすがは天性の運動神経をもつ女、涼宮ハルヒ…
その剣撃を見事刃で受け止めた!!!

……しかしその力の差は歴然としており、ガーブの剣が徐々にハルヒの刃の盾を圧してきている……!

ガーヴ「ハン……さすがにセンスはあるかもしれんが地力が違うんだよ!!!」
ハルヒ「そうかしらッ!」

ゴッ!!!

その一瞬!
ハルヒの剣より炎の渦が発生しガーヴを包み込んだ!!!



ガーヴ「ぐああああああああ!!!」



ハルヒ「さすがは久瀬ね。まさか剣の中に発火装置を仕掛けているなんて」
久瀬「なあに、君ならすぐに気づくと思ったさ。魔竜王といっても所詮はアンデッド……おまけに痛覚神経が剥き出しでは、この炎攻撃はひとたまりもあるまい」

ガーヴ「き、汚ねえ……!!剣の勝負じゃなかったのか―――ッッ!?」

久瀬「何ィ?聞こえんなァァァ!!…そもそも、誰が剣で勝負するといったのかね?」
ハルヒ「ホント、魔竜王なんていうからどんなものかと思えばただのバカじゃない!まだキョンのほうがマシってもんよ」

……まさに最悪の外道コンビである。

ハルヒ「……もういいわ、さらに追撃行くわよ」
久瀬「うむ」

次の瞬間!久瀬とハルヒはボンベについてあるホースの口をガーヴに向ける!!

久瀬&ハルヒ「「汚物は消毒だーッッ!!!」」

ゴゴゴオオオオオオ!!!

ガーヴ「ウガッ!!ギャアアアアア!!!」

紅蓮の炎に焼かれしこたまのた打ち回る魔竜王ガーヴ……



キース「(こ、こいつらなんと言うコンビプレー……っつーか、キチガイじみてるぜ……!!)」

そして、この圧倒的残虐な状況についていけずドン引きするキースであった。

ハルヒ「とにかく、こんな雑魚倒してもアンデッド増やされちゃたまったもんじゃないわ」
久瀬「うむ、となると次の一手は―――」



1・当然、敵の親玉『草陰茂』を始末しに行くことだな。
2・再び罠を張り、より戦いを優位に進めよう。



[15824] 第二十三話 …ヒロイン=非処女でファビョるのってただのギャグだろ
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/22 22:51
1・当然、敵の親玉『草陰茂』を始末しに行くことだな。



ハルヒ「とにかく、こんな雑魚倒してもアンデッド増やされちゃたまったもんじゃないわ」
久瀬「うむ、となると次の一手は当然、敵の親玉『草陰茂』を始末しに行くことだな」
ハルヒ「そうね!このまま消耗戦に持ち込めば、手下がほぼ無限に作れる敵のほうが有利…!だったら敵本体に奇襲攻撃を仕掛けるのが得策ッ!!」



キース「(こ…こいつら本当にただの高校生か!?地力のみならあのハルヒって女は魔竜王に絶対ェ勝てなかったハズだ!!……それを俺のカードを使ったとはいえ、敵の奇襲を破ることで心理的優位に立ちッ!すかさずブラフで敵に剣のみの勝負を挑ませたところを罠に嵌め、後は反撃も赦さねェ徹底した攻撃……ッッ!!……ククッ……まさかオレ以上の悪党がここにいるとは……!!)」

久瀬「フフ……『諸悪の根源』よ!心理戦でこの僕に勝てると思うなよ!!!」

キース「(しかもタチの悪いことに、この高校生の悪党はテメェのことを『正義』だと思い込んでやがる……最低最悪のペテン野郎だぜ……ッッ)」








アンデッドの親玉『草陰茂』との直接決戦に備え、邪魔な有象無象のアンデッドを蹴散らしつつ、校庭に出る久瀬とハルヒ……



?「フシュルルル……」



ハルヒ「何か言った?」
久瀬「いや、なにも」

?「フシュルルル……」

ハルヒ「邪悪な気配が!?」

?「嬉しい……嬉しいぞ……お前らを葬ることが出来て……」

久瀬「何者だ!?」

茂「お、俺は……死の水先案内人……勝沼紳一様の四天王……土の草陰茂」
アンデッドA「フシュルルル……」
アンデッドB「フシュルシュル……」


ついに対峙した!勝沼紳一の手下の一人、『草陰茂』!!!
今はかの『冥王ゴルゴナ』の蜘蛛の肉体と能力を操り、数十体のアンデッドを引きつれ久瀬たちとの決戦に臨んでいた!!!



茂「俺の可愛いアンデッド達の……餌のじか―――」

キース「可変機獣ガンナードラゴンをリリースなしで召喚!!撃ち殺せッッ!!!」

ドッ!!!

茂「ミギャアアアア!!!」

なんとあらかじめ背後に回っていたキースの召喚したモンスターが、背後より草陰茂を狙い撃っていた!!!

久瀬「フハハハハ!!!さしもの冥王の肉体とはいえ、この不意打ちは効果ありだろう!!!クククッ!!!」

茂「おっ!おのれェェェ!!!こっ!この俺にィィィ!!!」

久瀬「まだだ…!まだ僕のターンは終わらんよ!!!」
ハルヒ「火炎放射攻撃ィィィ!!!あんたのかわいいアンデッドごと焼き払ってくれるわッッ!!!」



ゴゴゴオオオオオオ!!!



アンデッドC「アアアアアア―――」
アンデッドD「!!!!!!!!!」

ハルヒと久瀬の放たれた火炎放射器の紅蓮の炎は、見事なまでに草陰茂及び数十体のアンデッドを包み込んでいた!!!



ゴゴゴオオオオオオ!!!



ハルヒ「勝負ありね…!」
キース「ハン!!この『ゴースト骨塚もどき』よりテメェらのほうがよっぽど怖ェぜ」

久瀬「(……おかしい……!あの勝沼紳一の直属の部下にしてはあっけなすぎる!!そもそも魔竜王ガーヴと違い、草陰茂自身の肉体は完全なものであるはず……!!いくらアンデッドが火に弱いとはいえ、こんな火炎放射ごときで倒せるものなのか……ッッ!?)」






茂「こ……光葬魔雲……!!!」

刹那!
炎が途切れるとともに、黒き雲が渦を巻き久瀬たちを覆い始めた!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

キース「ぐああああ!!!」
ハルヒ「な…なんでなのッ!?アンデッドは火に弱いはずじゃ……!!!」

茂「あ、甘く見たなバカめ!!き、貴様らが俺と魔竜王ガーヴの一連を見ていたように、俺も手下のアンデッドにさっきの戦いを監視させてたんだ!火の弱点はとうに克服しているんだぜッ!!!」

久瀬「……グッ!!(…お…思ったとおり!す、すでに炎に対する耐性をつけるべく………!!!)……と、取り込んだな!!貴様!!その冥王の背中に……ぐあああああ!!!」

茂「ほぅ……察しが着いたか……。さすがは久瀬。あの勝沼紳一様や『あのお方』が警戒するだけのことはある。そうよ!取り込んだのよ!!炎術師とやらの死体をアンデッドとして蘇生させ冥王の身体にな!!!」

ハルヒ「ど…どういうことなの!?」
久瀬「……『冥王ゴルゴナ』とは、冥王の体内に取り込んだ7人の人物のリーダー格の名前に過ぎない……!草陰茂はあくまで冥王の肉体を操り、炎術師を蘇生し体内へと引き入れたのだ!!」
キース「そ、そいつァ初耳だぜッッ」

久瀬「……グッ……ぜ、前例がないわけではないッッ!!『森光蘭』という男がその義理の息子『紅麗』の『炎術』に対抗すべく、紅麗の遺伝子を持つゴスロリ少女『煉華』を作り出したのだがッ!その煉華が敗走するや否や森光蘭は煉華を『喰らい』炎術の抗体としたのだ!!!」
キース「ひ…ひでぇことしやがるぜッッ……」

茂「そのとーり!いやぁ……どうせ煉華って女はしょ…『処女』だったんだろうから……まともに蘇生できれば真っ先に犯したかったんだけどなぁ……ヒッヒヒヒ……」

ハルヒ「さ…サイテーね……」



久瀬「所詮は処女厨か……。穴に入れればなんだって同じだろうに……」

キース「テメェも大概サイテーだな……」

ハルヒ「え?そういうもんじゃないの?」

キース「オメーも同類かよ!!!」

所詮、愛もへったくれもない久瀬とハルヒであった。


茂「な…なんだかわからんが、まあいい!トドメを刺してやる!!!」
久瀬「フフ……どうやら貴様はペラペラしゃべりすぎたようだ!」
茂「何ィ!?」
久瀬「先ほどの要らない一言で、貴様への攻略方法が見つかったのだよ!!」
茂「ヒャッハハハ!!!ほ、炎の効かないアンデッド相手をどう倒すっつーんだぁぁぁ!?まさか聖属性の技を使えるやつがいるわけじゃあるまいし、殴り合いならすでに大ダメージを負っている貴様らの方が圧倒的に不利なんだゼェェェ!!!」
久瀬「フフ……滅び行く貴様に一つ大ヒントを与えてやろう!!貴様を攻略する切り札は―――」



1・この僕だッッ!!
2・涼宮ハルヒ君だッッ!!
3・バンデッド・キース君だッッ!!



[15824] 第二十四話 …劣化の炎
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/27 20:23
3・バンデッド・キース君だッッ!!



茂「ヒャッハハハ!!!ほ、炎の効かないアンデッド相手をどう倒すっつーんだぁぁぁ!?まさか聖属性の技を使えるやつがいるわけじゃあるまいし、殴り合いならすでに大ダメージを負っている貴様らの方が圧倒的に不利なんだゼェェェ!!!」
久瀬「フフ……滅び行く貴様に一つ大ヒントを与えてやろう!!貴様を攻略する切り札はバンデッド・キース君だッッ!!」

キース「え!?オレ!?」

突然の久瀬の指名に、まさに青天の霹靂といった感じのキース。

久瀬「君の持っている2枚のキーカードがヤツを倒す切り札となるのだよ」
キース「ハ!?んなこといったって、キーカードがなんなのかオレさえも知らねェ……」
久瀬「君はデュエリストなのだろう。そのくらい察したまえ」
キース「て、テメ……」



茂「ヒッヒヒ……作戦会議は終わったかい?」

キース「ええい!!!破れかぶれだ!!!『カードガンナー』を召喚!!オレのデッキからカードを三枚墓地に送り攻撃力は1900までアップ!!」

キースの召喚したモンスター、カードガンナーの銃口が草陰茂に向けられる。

キース「撃ち殺せ!!!」
茂「そんなもの、この冥王の身体に効くかよッ!」

案の定、カードガンナーの弾は冥王の黒い瘴気によって阻まれた。

キース「チィィ!!!カードを2枚伏せターンエンドだッッ……」



キースの攻撃はここにて終わった。
土の草陰茂相手に、もはやなす術はないのであろうか……!?

茂「ヒャハハハ!!何が切り札だ!!やはり久瀬お得意の『ブラフ』だったようだな!!トドメだ!!!光葬魔雲!!!」

再び、久瀬たちを闇の雲が覆い始めた……!!



久瀬「今だ!!!」
キース「ヘッ!こうもあんたの筋書き通りに行くとは恐れ入ったぜ!!!罠発動!!『武装解除』!!!貴様の装備している『煉華』の骸は解除される!!!」

茂「なっ!!?だ、だがもう遅いぞ!!今更炎の耐性がなくなったところで、この攻撃で貴様らはお終いなんだからなァァァ!!!へっへっへっ」

キース「全米元ナンバー1をナメんなよ!!永続罠発動!!『リビングデッドの呼び声』!!!さっきテメェから分離した『煉華』の骸を攻撃表示で特殊召喚だァァァ!!!」



キースのカードの効果により、煉華が地獄より蘇った!!!



煉華「パパァ……どうしてぇ……どうして皆煉華をいじめるのぉ……?怖いよぉぉぉ………」

しかし、蘇生した煉華の様子はどことなくおかしい。
生前の活気あふれる無邪気な姿はどこにもなく、今は裏切りと死に対する恐怖でいっぱいであった…!

キース「な、なんだぁ!?コイツ!?」

久瀬「……おそらく、生前の死の間際の恐怖の記憶なのだろう。大丈夫だ。ここには君を裏切るパパもいなければ怖いお兄ちゃんもいない。安心したまえ」

煉華「う…嘘だぁぁぁ……苦しいよぉぉぉ……」

久瀬「う…うーむ……」

煉華の生前の情報を『なぜか』握っている久瀬は、これ以上彼女を説得する術を知らない。
しかし―――

キース「ええい!!泣くな泣くな!!!だからガキは嫌いなんだ!!!オラ!とっとと得意の『炎術』でテメェを喰らったあのムナ糞悪ィ蜘蛛野郎を焼き払っちまえ!!!」

キースにとって煉華の生前の記憶など知ったこっちゃなかった。
キースはあくまで煉華をカードとして扱い、草陰茂に対し反撃を試みさせる。

すると、煉華は泣きながらも全身より紅蓮の炎を練成し始めた。
その炎は徐々に何かを模り始め……

キース「あ、アレはカードガンナーの効果で墓地に送った『デモニック・モーターΩ』と、さっきのヤツの攻撃で破壊された『可変機銃ガンナードラゴン』!!?」

久瀬「フフ……彼女(煉華)のコピー元である『紅麗』は死者を自身の炎として蘇らせる能力を持っていた。……ならば、彼女にも同じことは不可能ではあるまい。……もっとも、紅麗が『人間の炎』なのに対し煉華が『人造(機械族)の炎』であるのはなんと言う皮肉であろうか……フフ……」

キース「(こ…こいつ!!ここまで計算して!!?こいつぁぺ、ペガサス以上にオレや相手の心を見透かしてやがんのか!!?)」



煉華「……ユルサナイ………!!!」

茂「な!!!ちょ!ちょっとま……」

煉華「みんな……みんな燃えちゃえ!!!」



ゴゴゴゴオオオオオオオオオ!!!



炎と化したデモニックモーターΩとガンナードラゴンの一撃が茂の身体を焼き尽くす!!!
しかも効果は抜群だ!!!

茂「あんぎゃあああああ!!!身体が崩れていくぅぅぅ……」



そして、茂は炎に包まれ炭と化した……



久瀬「よぉしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!とってもイイ子だ!!!」

ハルヒ「おもいっきりジョジョじゃない」

煉華「……イイ子?……ホントにイイ子?……もう苛めない?」
久瀬「ああ。本当だとも。僕は君のパパ『森光蘭』とは違うのだよ」
キース「ハン!どうだか。コイツもソートーのペテンだからな」
久瀬「フフ……黙れい」

煉華「キャハハハハハ。オジさんたちおもしろーい!!」

ハルヒ「本当にあんたたちといると、非日常すぎて面白いったらありゃしないわね」



こうして、キースによる煉華マシーンコンボにより草陰茂を倒したかに思われた。



……しかし!



茂「フシュルルル‥‥よくぞ俺を殺してくれた。死して尚、恐ろしい土の草陰茂の強さ……ゆっくり味わいながら、死ねえ!」

なんと草陰茂が蘇ってきたのだった!!!



ハルヒ「ハン……そのような五体不満足の消し炭寸前の状態で何が出来るってのよ!!!」

茂「グフフ……!そ、そういえば、この肉体はとある場所で真の力を発揮できるんだったなあ。たしか、その場所は……『冥界』ッッ!!!」

煉華「め、冥界ッッ!?……い、いやだよおおお!!怖いよおおおおお!!もう死にたくないよおおおおお!!!」

茂「黙れ役立たず!!!肉便器以下!!!再び骸になりやがれえええ!!!」



………

……





すると、草陰茂を中心に周囲が暗黒に包まれた!!!



久瀬「……ほぉ……まだ僕らを『冥界』に引きずり込む力があったとは……」

茂「よ、余裕ぶっていられるのも今のうちだ。そ、それとも今度こそ正真正銘の『ブラフ』かい?」



無論、久瀬のこの余裕の態度は……



1・更なる切り札が用意されているが故のものである!!
2・完全なるブラフ!すでに久瀬の策は尽きていた!!



[15824] 第二十五話 …鋼入りの変人
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/08/29 23:22
2・完全なるブラフ!すでに久瀬の策は尽きていた!!



久瀬「……ほぉ……まだ僕らを『冥界』に引きずり込む力があったとは……」

茂「よ、余裕ぶっていられるのも今のうちだ。そ、それとも今度こそ正真正銘の『ブラフ』かい?」



無論、久瀬のこの余裕の態度は完全なるブラフ!すでに久瀬の策は尽きていた!!



久瀬「(……ここまできたら策などない……!いまはただ、一つの可能性に『賭け』るのみ……だな!!!)」



万策尽きた久瀬とは対照的に、一転して余裕綽々の草陰茂。

茂「さぁて……こっちのハルヒとかいう女は紳一様に与えなくてはいけないからなぁ……!アンデッドだが仕方ねぇ……煉華の穴でもいただくとするかなぁ…グヘヘヘヘ……!うーん……あの巨乳の女の子…朝比奈みくるちゃんだっけか……そいつは内緒で喰っちまうのもイイかもなぁ……ウヒッ…涎が止まらねぇぜ!!!」

ハルヒ「うわっキモ!亡霊になってもまだ女とヤルことしか考えられないなんて、ド低脳もイイトコね。どーせ生前もモテなくてレイプくらいしか出来なかったんでしょ」
煉華「アンタなんか燃えちゃええええ!!!」
茂「グヘヘヘ!いいたいことはそれだけかぁ?」



久瀬「それはこちらのセリフだ」

草陰茂とハルヒの間に割って入る久瀬。

茂「フヒヒ……焦るなって。お前ら男はまとめて細切れにして黄泉比良塚に捨ててやるからよぉぉぉ」

もはや勝ったも同然顔で久瀬を見下す草陰茂。

久瀬「その黄泉比良塚はどこにあるのだ?」
茂「そりゃあ、この冥界に―――」



なかった。



茂「―――って!?ここはどこだ!!?」



久瀬「北高の校庭だ」

そう、久瀬の言葉どおり冥界はどこにもなく、何時の間にやら久瀬たちは北高の校庭へと戻ってきていたのだ!!!



古泉「……まさに貴方の策通りですね」

どことなく現れた超能力者古泉。

久瀬「…言ったであろう。もはや策ではなく『賭け』であるとな」
古泉「……世界に風変わりになるのを望む一方、常識を優先しているという涼宮さんのジレンマ……さしずめ、貴方は涼宮さんの『ジレンマ』と『力』を利用したのでしょう。まったく恐ろしいお方です」
久瀬「何度も言わせないでくれ。あくまで賭けであると。……しかし、この程度の力を発動できないようでは、この先とてもではないが『勝沼紳一』及び『諸悪の根源』を倒せそうにはない」
古泉「試したんですね」
久瀬「……人聞きの悪いな」



あるいは、この世界は新たに構築された世界なのかもしれないが……
どうやらハルヒの『世界を変える力』により、冥界は完全になかったことになっていたようだ。

久瀬と古泉の会話はさておき……



茂「ひ…ヒィィ!!?」

もはや冥界という切り札も失い、年貢の納め時となった草陰茂。

ハルヒ「アンタ、さっきから散々下劣なこと言ってくれたわねぇ」
煉華「キャハハハハ!!こうなったらアンタ、ただの火達磨のお化けだもんねぇ」

冥王の大蜘蛛の姿さえ維持できずハルヒの能力か、あるいは長門の能力かは分からないが、その霊魂は実体化し醜い火達磨の霊の状態となり正体を露にする。

茂「ヒイイィィィイーッ!ゆっゆっゆっ」

必死に逃げようとする草陰茂。

ガバァッ

茂「ゆるしてくださあぁーいッハルヒ様----ッ」

草陰茂は恥も外聞もなく土下座して謝る。

茂「俺の負けですッ!改心します。ひれ伏します。靴もなめます。悪い事しました。ヒイィーッ」

ついには泣きながら命乞いをする。

茂「いくら殴ってもいいッ!ブッてください!蹴ってください!でも!」
キース「(いや、霊魂なんだから殴りよーねぇだろ……)」

ハルヒの足にしがみついて謝る草陰茂。

茂「命だけは助けてくださいイイイイイイィいいいい~ハルヒ様~~~~~~~~」
キース「(いや、テメェ死んでるし……)」

ペロペロ

ハルヒの靴をなめる草陰茂。
それを冷たい顔で見下ろすハルヒ。

ギロッ

俯いた草陰茂の目つきが変わる

茂「(もうすぐだ!もうすぐで俺のアンデッドどもが蘇生する!このハルヒのアホタレは今そのことを知らない。今度はてめーのオ○ンコからア○ルに挿入してやるッ!久瀬は数メートルも遠くにいる。見てろ~~~~死ぬほどの苦しみを味わわせてやるぜ~~~~)」

心の中でつぶやく草陰茂。



ハルヒ「どーでもいいけど、冥王だかの身体切り離して、どーやってアンデッドを蘇生させるワケ?」



茂「へ?……あ!!!しまっ―――わっ………ゆるしてくださ----いッ」

再び土下座して許しを請う草陰茂。

ハルヒ「許しはアンタがレイプした女に乞えば……?あたしたちははじめっからアンタを許す気はないわよ」

茂「し、紳一様から女のおこぼれもらったらあげるからさ……ね、そこの金髪のイケてる兄さんさぁ、こいつら説得してくれよぉ……」

ハルヒを諦め今度はキースに懇願する草陰茂。



キース「胸糞悪ィ……煉華、ダイレクトアタックだ」

煉華「はーい。じゃあ『煉獄』」



ゴオオオオオオ!!!

煉華が禍々しい炎の塊を放つと、その炎は刹那にして茂の霊魂を包み込んだ。



茂「おのれ……この俺がきさまら如きに……!グ……パァ―――!」



………

……





こうして、スティーリー・ダンの再来とも呼べる情けない敗北を喫し、霊魂ごと燃え尽きた四天王の一人、土の草陰茂。
その生前の肉体と同じく炎によって滅びるとは、なんと言う皮肉であろうか。

かくして北高校の攻防は久瀬たちの勝利に終わったのであった。







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデッド・キース』『涼宮ハルヒ』『キョン』の6人です。



[15824] 第二十六話 …デュエルアカデミアの就職率=代々木アニメーション学園の就職率
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/03 23:42
こうして、スティーリー・ダンの再来とも呼べる情けない敗北を喫し、霊魂ごと燃え尽きた四天王の一人、土の草陰茂。
その生前の肉体と同じく炎によって滅びるとは、なんと言う皮肉であろうか。

かくして北高校の攻防は久瀬たちの勝利に終わったのであった。



*パーティ編成の前に……



ここはえいえんの世界……



久瀬とまい、青子、梨花が会話をしている。

まい「……久瀬の策も尽きて奇跡頼みになるなんて、厳しい戦いだったね」
青子「まあ…それがあと少なくとも3人、そして『勝沼紳一』と『諸悪の根源』までいるのね」
久瀬「……フフ……あの程度の奇跡さえ起こせぬようでは、とてもではないが今後の戦いでは勝つことはできない」
梨花「……そう。まして雛見沢を救うなんてできやしない。でも、あの涼宮ハルヒの力に久瀬の知略があれば、歴史は変えられる…って、信じたくなったの」
久瀬「フフ……何度も言わせないでくれ。僕らの未来では君らの村では『雛見沢大災害(もとい終末作戦)』など起こっていないのだよ」
梨花「それも今なら信じれる」
久瀬「よしよし。梨花はいい子だ」
まい「……ふ~~~ん………ま、それはいいけど。今後の久瀬の計算に、その不確定な『奇跡』は入ってるワケ」
久瀬「…いや、まあ……それは今後の涼宮君次第かなぁ……って」
まい「…あ、そ…」
青子「(久瀬君が梨花ちゃんを可愛がるとつーんとしちゃって。無表情かと思いきや、案外可愛いトコあるのね)」



こちらは、春原、ロック、ハルヒの三人……

ハルヒ「しっかし、ゾンビに冥界に異次元に……ほんっとうに超常現象って身近にあったものね。あんたもロボットっていうし……」
ロック「あ、いやあ……まあ、逆に僕の時代でもゾンビや冥界、異次元なんてのは存在しませんからね……」
ハルヒ「…ってことは、そこの男もなにか普通じゃないのあるんでしょ?」
春原「えっ!?ボクっ!?いやいや!ボクはただ久瀬って男に無理やり連れてこられただけで……」
ハルヒ「なぁーんだ。ただの普通の人か。つっまんないの」
春原「なんとっ!!いやいや、ボクがあなたの彼女になったらぜんっぜん楽しいコトしますって!!」
ハルヒ「悪いけど、あたし凡人にはキョーミないの」
春原「がびーん!」

ロック「(そ、そのわりには『キョン』って人、結構普通の人のような気が……)」



こっちはキョン、長門、古泉の三人。

古泉「……あの久瀬って人、涼宮さんにとって僕が思っていた以上に危険かも知れませんね」
キョン「そんなのはわかりきってることじゃないか!久瀬って男は、明らかにハルヒを危険に巻き込もうとしてるって……」
古泉「……そして、その力を実験している節さえある。もしその『久瀬の実験』が誤った場合、そのときこそ『諸悪の根源』が手を下さずとも、世界は終末を迎えるかもしれませんね」
キョン「長門!お前はそれでもまだ傍観しているつもりなのか?」
長門「……今のところは想定の範囲内の動き。……ただ……久瀬の目的は涼宮ハルヒの力の利用以上を求めている可能性が高い……」
古泉「……やはり……」
キョン「そ、それ以上のモノって……ほ、本当に久瀬って何者なんだ……!?」
長門「………普通のヒューマノイド……」
キョン「は、はぁ……」



そして、こちらはキースとなぜかついてきた煉華ともう一人……

ペガサス「OH!ついにユーも精霊のカードを手に入れマシタか」

煉華「わぁ!髪のなっがーい人ぉ……」
キース「て、テメェはペガサス!!な、なんでここに!!?」
ペガサス「ワタシはミスまいの案内でこの世界に来マシタ。それにしても、十代ボーイ、ミスター万丈目、ミスターヨハン・アンデルセンなど数人しか見エナイ精霊のカードを、まさかユーが所持することになるとは……」
煉華「……?」
キース「な、なんだぁ!?その精霊のカードってのはぁ!?」
ペガサス「それはユーがこれからのデュエルのなかで理解ることデス」
キース「チッ……」
煉華「オニィちゃん、ムツカシイ顔してるね」
キース「じゃかましい!クソガキは大人しくデッキん中で眠ってろ」
煉華「うわーん!オニイちゃんがいじめるー。久瀬のおじちゃんに言いつけてやるー」
キース「あぁ…わかったわかった……。チョコでもやるから大人しくしてろ」
煉華「わーい。オニイちゃんだぁい好き」
キース「クソ……とんだ『精霊サマ』だぜ……」

ペガサス「………(かつては絶望と復讐に支配されていたユーのマインドが、徐々に変わっていくのがワタシにはわかりマス……。ミスター久瀬……アナタは彼が『煉華』を蘇生させたときから、こうなることまで計算していたのでしょうか……)」







久瀬「……とりあえず、涼宮君を仲間にすることができたところで、作戦の第一フェイズは終了……。さて、次はどうするかな……」
青子「とりあえず涼宮ハルヒさんの力に匹敵して、且つ敵が悪用しそうな『モノ』のトコにいけば、案外敵にバッタリ会うかもね」
まい「……ただ、そうなった場合、今回のように偶然に頼り切るにはあまりにも危険すぎる……」
ペガサス「ソリッド・ビジョンの技術はミスター海馬の協力もあり完成はしてマスガ、先のバトルのように肉体と魂を分離させなければ、『魂の実体化』は不可能デショウ」
久瀬「……ならば、当面の目標は残る四天王を追い詰める力を見つけることだな……」
まい「アテはあるの?」
久瀬「……そうだな。とりあえず---」



1・幻想郷の世界には妖怪が住むと聞いた。
2・月の世界には想像以上の技術があると聞いた。
3・桜高校には軽音部があると聞いた。
4・テキトーに動いていれば、いつかステキな女性に巡り合えるだろう。







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデット・キース』『涼宮ハルヒ』『キョン』の6人です。



[15824] 第二十七話 …糞SS見た瞬間ブラウザヴバック余裕だろう?誰だってそーする。おれもそーする。
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/07 22:11
4・テキトーに動いていれば、いつかステキな女性に巡り合えるだろう。



ペガサス「ソリッド・ビジョンの技術はミスター海馬の協力もあり完成はしてマスガ、先のバトルのように肉体と魂を分離させなければ、『魂の実体化』は不可能デショウ」
久瀬「……ならば、当面の目標は残る四天王を追い詰める力を見つけることだな……」
まい「アテはあるの?」
久瀬「……そうだな。とりあえずテキトーに動いていれば、いつかステキな女性に巡り合えるだろう。それで―――」



バギィ



瞬間、まいの振り落としたハンマーが久瀬の脳天をカチ割った。

まい「それで…?」
久瀬「すんません、真面目にやります……」



しかし、他に何か考えがあるわけでもなく、雲を掴むような思いで久瀬の時代にタイムワープしたのであった。



パーティ…久瀬・春原・梨花







ここは光坂市の商店街。
近くには建造中の建物が見える。

春原「…って、ここ、僕の学校があった街じゃん!?」
久瀬「うむ…。そのようだな」
梨花「ボクたちの村よりはだいぶ都会のようですね」
久瀬「……いや、それでもここは田舎だろう。ようやく大型病院が造られる…ってところだな」

久瀬の建造中の建物を指して言う。

春原「……ふぅん……別に好きじゃなかった街だけど、こうも変わっていくとなると、なんだか複雑だねぇ」

ノスタルジーに浸る春原。
なんだかんだいっても、やはり春原は学校のことは嫌いではないようだ。



??「アレ?春原じゃないか!?」

建造中の建物を見ている春原に話しかける一人の男。
そう、われわれは知ってい(ry

春原「お、岡崎ぃ!?」
朋也「お前、東北の故郷で仕事中じゃなかったのか!?しかも金髪に戻して……」
春原「あ、いやあ……。今は休暇中でね、ひ、久しぶりにこの街に来てみたんだよぉ……」

なんとか話を合わせる春原。

久瀬「(どうやら君は、自分の故郷で就職しているらしいな)」
梨花「(こんな人でも就職ってできるんだね)」
春原「(やかましぃ!!)」

朋也「なんだ、てっきり会社クビになって、また不良もどきに戻ったのかと思ったぜ」
春原「んなわけないだろ!!」



すると、こんどはショートヘアの女性が二人の方に走り近づいてくる。
そう、我々は知っ(ry

?「朋也くん!おまたせしましたっ!……って、春原さんっ!!?」
朋也「あ、いや、俺も今来たところだ。それよりあんまし無理するなよ、渚」
渚「は、はい、すみません。でも、春原さん、どうしてここに!?ま、まさか会社を……」
春原「な、渚ちゃんまで……」

とりあえず、最低限の誤解は解いておく春原。

春原「と、ところで岡崎と渚ちゃんは……なんで……」

朋也「あ、ああ、今日は俺も仕事休みだし、渚もバイトが午前だけだから久しぶりに夫婦水入らずでデートしようか…って」
春原「ふ、夫婦ぅぅぅ!!?デートぉぉぉ!!?」
渚「?……あれ、春原さん、知りませんでしたっけ?」
朋也「まあ、そういうわけだ。悪いが今日はお前と遊んでいる暇はないんだ」
渚「そんな、せっかく遠くから来ているのに、春原さんに悪いです」
朋也「あ、ああ……(いやいや!せっかくの渚とのデート、こいつに邪魔されてたまるか)」

そんな朋也の助け舟を出すかのごとく、久瀬が動く。

久瀬「あ、いや、こちらの方は気にしないでくれ。今日は彼を強制連行中なのでな」
梨花「ご迷惑をおかけしましたの」
春原「はぁ!ちょ、ちょっ……」

春原が何か言いたげだったが、それより早く梨花が春原の口をガムテープでふさぐ。

久瀬「まあ、こちらも仕事の一環で行っているのでな。君たちは気にせず夫婦水入らずで楽しみたまえ」
朋也「は、はあ」
渚「仕事なら仕方ないですね……」

内心ほっとしながらも苦笑いの朋也に、残念そうな渚。

久瀬「僕たちはそろそろ行くが、お子さんにもよろしく伝えてくれ」

渚「…へ?」
朋也「あ、あのお、俺たち、まだ子供できてないですけど……」

久瀬「近い未来の話だ。そして岡崎君」
朋也「はぁ?」

久瀬「君は時を同じくして最大の分岐点を迎えると思うが……、その時は、どんなことがあっても『渚君と出会ったことを後悔する』選択肢は選ぶな。彼女の後ろ姿を見かけることがあったら『必ず渚君を呼び止める』のだ。わかったかね?」

朋也「は、はぁ……」
久瀬「まあ、今はわからなくてもいい。しかし、このことは忘れないでほしい」
朋也「あ、ああ……」



こうして久瀬たちは抵抗する春原を引きずりながら場所を変えた。







ここは学校の裏側。

春原「ううっ……なんで僕が世界平和のために頑張ってるのに、その傍らで岡崎は渚ちゃんとイチャついてんだよぉ!しかも結婚までして……世の中不公平でしょーが!!!―――モガモガ―――」

再び、梨花にガムテープで口を塞がれる春原。
春原はしばらく放っておいて、久瀬と梨花はしばらくその周辺を散歩していた。



梨花「みぃ……」
久瀬「どうしたのかね?」
梨花「こうして久瀬は、CLANNADの主人公をトゥルーエンドに導いたんだね」
久瀬「僕はヒントを与えたに過ぎない。選択肢を選ぶのは岡崎君自身だ」

梨花「みぃ……」
久瀬「今度はどうしたのかね…?」
梨花「ボクたちの未来……雛見沢村、本当にこの時代にあるのかな……?」

久瀬「(ああ、なるほど。古手梨花君は未来の確証が欲しいのだな。……無論、それは教えてあげることもできるのではあるが―――)」



1・とりあえず、本当のことを教えて安心させよう。
2・しかし、未来は自分の手で紡ぐもの!安易な確証で梨花君の未来を決定づけてはいけないだろう。
3・未来はヒビノ・ミライに聞け!と教えよう。



[15824] 第二十八話 …404 新しい敵は見つかりません
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/09 20:47
2・しかし、未来は自分の手で紡ぐもの!安易な確証で梨花君の未来を決定づけてはいけないだろう。



久瀬「(ああ、なるほど。古手梨花君は未来の確証が欲しいのだな。……無論、それは教えてあげることもできるのではあるが……しかし、未来は自分の手で紡ぐもの!安易な確証で梨花君の未来を決定づけてはいけないだろう」

まあ、これは久瀬にとって見れば至極当然な答えである。

この男、我侭につき自分の思惑通りに物事が動かないことが嫌いな男である。
そしてタチの悪いことに、この男は自分の好まぬところで自分以外の何かの思惑通りに物事が動くことを嫌うジャイアニズムの塊でもある。
故に、『ひぐらし』はもとより、望まぬ悲劇の犠牲となるキャラクタを生み出す『歴史の道しるべ』的な存在を最も嫌っている。

しかし、『ひぐらし』にはグッドエンドというものが存在する。
そのグッドエンドが用意されている以上、そこに辿り着くのはそのゲームのキャラクタでなくてはいけない……久瀬は自分が介入してはいけないと思っている。

久瀬がそこに介入するということは、結局は自分の嫌いとする『歴史の道しるべ』とやっていることは変わらないということだから。


梨花「…みぃ……やっぱしダメですか……」
久瀬「うむ。未来は君が紡がねばならない。それに、どうせハッピーエンドを迎えるのであれば、僕にネタバレされるよりは、前原君、園崎君、レナ君、沙都子君と作って行ったほうが、よりハッピーエンドを迎えたときの幸福は大きい……だろ?」



その言葉で梨花は納得したかどうかはわからないが、とりあえず、これ以上は久瀬に未来のことを質問することはなくなった。






春原「……で、これからどうするわけ?」

その後、久瀬たちはしばらく街を歩くも特に変わったことも起こらない。

久瀬「まあ、元の時代に戻ってきたのも、特に意味のあることではないしな……」
梨花「むしろ、手当たり次第ってカンジなの」



なにをするでもなく途方に暮れる三人……



春原「なんか都合よく、敵のほうから出てくる……なーんてことないかな?」

久瀬「……あまり余計なフラグを立てるなよ……」

こいういフラグが立ったときは、大概ろくなことが起こらない。
いうまでもなく久瀬はそれを熟知している。

梨花「へぇー…久瀬にも怖いものってあるんですかー?」
久瀬「……ああ……」
梨花「それって誰なの?ボクに教えてくださーい」

子供の頼みを無碍にできないところが、凡そ外道な心しか持たない久瀬の唯一の良心なのだろう。
そこをまいにつけ込まれるあたりが、三流悪役たる所以なのだろう。

久瀬「……仕方ないな。実は―――」



1・元カノの美坂君なのだよ。
2・部下の天野君なのだよ。
3・川澄さん……と言ったところか。
4・いろんな意味で倉田さん…か。



[15824] 第二十九話 …エンカウント=即死
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/11 00:20
1・元カノの美坂君なのだよ。



梨花「へぇー…久瀬にも怖いものってあるんですかー?」
久瀬「……ああ……」
梨花「それって誰なの?ボクに教えてくださーい」

子供の頼みを無碍にできないところが、凡そ外道な心しか持たない久瀬の唯一の良心なのだろう。
そこをまいにつけ込まれるあたりが、三流悪役たる所以なのだろう。

久瀬「……仕方ないな。実は元カノの美坂君なのだよ。凶悪な戦闘力を誇る戦闘民族の上に非常に嫉妬深い。僕が他の女の子と仲良くしようものなら問答無用で抹殺される。その上極度のシスコンで妹以外はどうなろうとしったこっちゃない…妹のためなら世界を滅ぼしかねない―――」

春原「あ、その…後ろ………」

久瀬「!!?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

気づいたときには時既に遅し。
久瀬の背後で燃え上がる暗黒闘気……

??「……あなた、そんなに死にたいのかしら?」
久瀬「み、美坂君はなぜそこにいるのだい……?」
香里「さぁ?なんでかしらねぇ……」

穏やかな口調とは裏腹に、目は完全に笑っていない。
黒き炎は勢いを増すばかり……






―――しばらくお待ちください―――






梨花「と、ところで美坂…さん?」
香里「あら、なにかしら?」

闇の炎で黒こげとなった哀れな久瀬をなかったことにし話を続ける梨花。
その判断は至極当然であり、誰も彼女を責めることはできまい。

梨花「ど、どうしてこんなトコにきたのですか?」
香里「ま、久瀬君がまたなんか悪巧みしてそうな気がして…ね」
春原「ひゃあ……なんて健気なんすか……」
香里「勘違いはよくないわね。あなたも消し炭になりたい?」

怒涛の勢いで首を横に振る春原。

久瀬「……相変わらず、都合の悪いことは実力行使なのだな……」



いつの間に復活する久瀬。
次の瞬間には、香里の顔からは笑みすらも消えていた。

香里「……ま、あなたが何を企んでるのかは知らないけど……『諸悪の根源』による『時間圧縮』を食い止めたいんだったら大笑いよ」
久瀬&梨花「「!!!」」

そう、香里は既に久瀬の目的を知っていた。
しかし、その情報入手の方法はいったい何なのであろうか……

香里「まあ、校舎内を怪しい少女がコソコソ何かを調べてたもんだから、とっ捕まえてちょっと『脅したら』、その娘は時空管理局の人間だったらしくて、なにもかもゲロったわよ」

香里の顔には再び余裕の笑みが戻り(無論、目は笑っていない)、事も無げにものをいう。

それはさておきこの事件、『時間』が舞台となっている以上、時空管理局の介入は当然といえば当然である。
おそらく『諸悪の根源』が存在していることは時空管理局も突き止めているであろう。
その少女…時空管理局の人間は、同じく『諸悪の根源』の件に関わっている久瀬の足跡を調査しているところを香里に捕まり『脅された』とみて間違いない。

…しかし、久瀬にとって重要なのは、香里が何故その情報を掴んだか…ではなかった。



久瀬「……なぜ、そこまで知っていて僕を止めようとするのだ」

そう、久瀬が一番知りたかったのは、今更香里が自分たちのやろうとしていることに介入する理由だった。

香里「当然じゃない!なんで無関係のあなたがそんなことするわけ?理解に苦しむわよ。そんなの時空管理局の仕事じゃない!バカじゃないの」
久瀬「……時空管理局のことは僕も知っている。だが、アレでは『諸悪の根源』を突き止めることはできない」

そう、久瀬はある意味では『大きな力』というものには失望しているのだ。
舞(まい)の悲劇、えいえんの世界の存在、ひぐらしのシナリオ、悪夢&絶望のエンディング……
その例の枚挙には暇がなかった。

香里「大丈夫よ。時空管理局はそこまで無能じゃないわ」

しかし、そんな久瀬の心とは裏腹に自信満々の香里。

久瀬「なぜそう言いきれる?」

この久瀬の問いは至極当然であろう。
対する香里の答えは―――






香里「だって、あたしが乗っ取ったから」






―――まさに青天の霹靂であった。

久瀬「の…乗っ取った……って……」
香里「まあ、パチンコで勝ったお金でねっ」



春原&梨花「「(パ、パチンコ……!!?)」」

この二人は、もはや絶句であることは言うまでもない。



……半分冷静の久瀬はこう考える。

パチンコで勝ったところで、そんな一組織を買収できるような大金など稼げるわけがない。
そもそも香里はそこまでギャンブルは強くはない。
大概が熱くなりすぎて、引き際を誤りボロ負けのパターンがほとんどである。
っていうか、そもそも高校生がパチンコはダメだろ……

久瀬がそう考えている途中に、香里はこう付け加える……



香里「ま、そのパチンコで勝ったお金『2,000円』をもって、『ミッドチルダ首都地上本部』の門を堂々とくぐったわ。ま、多少うるさい蟲がいたようだけど、みーんな『おねんね』しちゃったしね」

直訳すると、障壁は堂々と破壊突破し、行動を邪魔する敵はすべて屠った…というところであろう。

香里「ま、あとは『評議会』とやらのモニター越しに『脳みそみたいなの』を壊そうとするだけで簡単。交渉はいとも簡単に成立したわよ」

久瀬「……それを人は『恫喝』というのだよ……」

……そんなことを平然とやる人間は、この女を除けば『範馬親子』ぐらいしかいない。



香里「でも、あなたのまどろっこしい『権謀術数』とやらよりはシンプルで確実だと思うけど?」
久瀬「……はぁ……僕は頭が痛い……」

完全にお手上げ、頭を抱え込む久瀬。

春原「(……は、初めて見たよ…。あの久瀬があんなに翻弄されてるの……)」
梨花「(……あんな彼女じゃ、ほんとーにかわいそーなの……)」

同情はするが決して助けない二人。
……それもまあ、いた仕方のないことであろう。



その後香里は、「とにかく、後は時空管理局がなんとかするから後は全員元の世界へ返しなさい」といい残し、自分は街へ帰っていった。

梨花「かわいそーかわいそーなの」
久瀬「あ、あのねぇ……」

とりあえず久瀬を慰める梨花ではあるが、久瀬としては心境複雑である。



そして……

春原「ま、まあ、ねえ、ほらあの(おっかない)元カノも言ってるんだし、あとはその『じくーかんりきょく』とかに任せようよ」
梨花「ダメなのです!あんな後から割り込んできて、ズーズーしいったらありゃしないのっ!負けちゃダメなの!ふぁいっ!おー!なのです!!」

意見は完全に真っ二つに割れたのであった。
久瀬は結局―――



1・全てを時空管理局に任せ、えいえんの世界へ帰ることにした。
2・まいを信じ、そのまま手がかりを探しに向かった。



[15824] 第三十話 …檻の中のグリズリーを怖がる子供はいますか?
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/11 22:37
2・まいを信じ、そのまま手がかりを探しに向かった。



春原「ま、まあ、ねえ、ほらあの(おっかない)元カノも言ってるんだし、あとはその『じくーかんりきょく』とかに任せようよ」
梨花「ダメなのです!あんな後から割り込んできて、ズーズーしいったらありゃしないのっ!負けちゃダメなの!ふぁいっ!おー!なのです!!」

意見は完全に真っ二つに割れたのであった。
久瀬は結局まいを信じ、そのまま手がかりを探しに向かった。







光坂市を去ることしばらくしての道中…

春原「やっぱり無茶だって。なーんのヒントもなく闇雲に探して、なにもあるわけねえっつーの」

当然のごとく春原が音を上げ始める。

久瀬「まあ、確かに一理はある」
春原「!?……で、でしょ!」

珍しくも久瀬は春原の意見に同調。

久瀬「僕も美坂君の手前、少し大人気なく冷静さを欠いていたようだった」
梨花「……久瀬でも冷静さを欠くのですか」
久瀬「…春原君の言うとおり、ここは一旦体勢を立て直す必要がありそうだ」

春原「じゃ、じゃあ……」

春原の希望は、当然、この危険かつ途方もない旅の終焉であった。



久瀬「将を射んとせば先ず馬を射よ……」
春原「は?」

しかし、春原の期待とは裏腹に久瀬の口から出たのは、如何とも理解しがたい言葉だった。



久瀬「まあ言葉通り、『諸悪の根源』を引きずり出したければ、まずはその配下を引きずり出せばよいのだ!!!」
春原「そ、それって意味わかんないんですけど」

久瀬「『勝沼紳一』及びその手下の特徴は何だね!?」

梨花「うーん、鬼畜強姦魔かつ処女フェチ…ってところですか?」
久瀬「Yeeees!!!よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!!梨花ちゃまは賢い娘だ!!!」

思いっきり梨花をなでなでする久瀬は、もはや変態の領域に近い。

梨花「~~~~~~」
久瀬「おっとすまない。まあ、梨花君の言うとおり、『勝沼紳一』らは美女の強姦を趣味としている。しかし……永遠に誰にも『自分の本性』を隠したまま、一生をすごせるものだろうか?い な ァ ァ ァ ~ ~ い ッ !」

……なんで吉良吉影とシュトロハイムが混ざっているのかはこの際おいておく。

久瀬「……つまり、やつらがいずれ我慢できなくなり『狩り』を始めた時!!その時を狙うのだ!!!」



ドッギャアアアアアアン!!



なんともまあ自信満々に作戦を提示する久瀬だが、実はたいしたことはあまり言っていない。


春原「……で、その『狩り』はどこで行われるのさ……」

この疑問は至極妥当である。

久瀬「よくぞ聞いてくれました!……まあ、美少女かつ処女臭の群がるようなところとすれば、後はおのずと見当がつくだろう」
春原「!!!!!!」

次の目的地が美女だらけのハーレムであることを予想した春原は、一転して俄然やる気満々になった。



梨花「ふーん……でも、まいが聞いたら怒るかもしれないのです」

かくいう梨花も多少は不機嫌になっている。

久瀬「なあに、これは『勝沼紳一』を、ひいては『諸悪の根源』を倒すため作戦なのだ!ここは納得してもらうしかないであろう」

なんともな言い訳である。
しかし、これ以上の妙案が出るわけでもなく、梨花も渋々その案に承諾せざるを得なかった。



久瀬「そういうわけで、次の目的地は―――」



1・桜高軽音部だ!!!
2・陸桜学園高校だ!!!
3・十羽野高校だ!!!
4・幻想郷だ!!!







と、いうわけで再びパーティ選びです。
感想掲示板にて、久瀬以外の二人のメンバーを選んでいただければ幸いです。
ちなみに現在の仲間は『春原陽平』『ロックマン』『古手梨花』『バンデット・キース』『涼宮ハルヒ』『キョン』の6人です。



[15824] 第三十一話 …男の娘とこのことを(回文)
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/12 21:26
1・桜高軽音部だ!!!



久瀬「なあに、これは『勝沼紳一』を、ひいては『諸悪の根源』を倒すため作戦なのだ!ここは納得してもらうしかないであろう」

なんともな言い訳である。
しかし、これ以上の妙案が出るわけでもなく、梨花も渋々その案に承諾せざるを得なかった。



久瀬「そういうわけで、次の目的地は桜高軽音部だ!!!」



パーティ…久瀬・春原・キョン







結局まいも渋々ながら承諾し、青子先生のデジョンにより時空移動。

やってきました花の女子高!!!



久瀬「『どこかの紳士』の言葉ではあるが、紳士たるもの少女には休息が必要とのことだ。ま、よきに計らいたまえ」

勝手に引用させていただきました。すみません。



春原「ヒャッホー!!女子高サイコー!!!」

ここぞとばかりにはしゃぎまくる男、春原。

キョン「どう考えても詭弁だろ」

一方、春原とは対照的にあまり乗り気ではないキョン。



春原「おおっ!!学び舎からはまだ男も知らない清純な女子の匂いがプンプンしますよー!!YO!ボンバヘッ!!」

エロオヤジモード全開の春原は、すぐさまに校門をくぐろうとするが……



久瀬「ちょっと待った」

瞬間、春原の襟裏を掴み、その行動をとめる。

春原「グエ……」

「グギ」という鈍い音を立て、春原はダウン。
久瀬は介することなく言葉を続ける。

久瀬「君たち。ま さ か 女子高にそのまま入ろう…っていう魂胆じゃあないだろうな?」
キョン「な、なにを突然……!?」
久瀬「女子ばかりの中に男が三人もいたら、不審者扱いされて即追放が関の山だろう」
キョン「そ、そりゃあ、そうだけど……」



久瀬「まあ、こういうときのために『潜入のスペシャリスト』を用意した。カモン!」



キョン「は?」



…この台詞だけで誰が出てくるか予測できれば、末期の読者であろう。


久瀬が指を「パチン」と鳴らすとともに次元の狭間より現れたのは、一人の『若き女性』……
伏せがちな瞳は細長い睫に縁取られ、慎ましやかに手元の生徒手帳を見下ろしており、その長き髪は流水のごとく肩までしっとりと垂れ下がっていた。
おそらく、未だかつてこれほどまでに美しい女性は存在しなかっただろう。

??「………」

その潤んだ唇から言葉が放たれる動作にさえ、春原、キョンはつい固唾を呑んでしまう。



??「……どういうつもりだ!」

春原&キョン「「へ?」」

……美しき女性からの予想だにしない一言に、別の意味で戸惑う二人。



久瀬「どうもこうもない。そのまま女子高に潜入し、レイプ魔を殺せばいいだけの話だよ『斉藤君』。……あ、声聞いてもわかんないと思うけど、一応、男だから」



春原&キョン「「お…男ぉぉぉ!!?」」



そう!この男こそ久瀬の盟友にして『南斗水鳥拳』の使い手、『斉藤一』である!!!

斉藤「……その話は聞いた!!しかし、『女装』しての潜入など聞いてないぞ!!!大体こいつらは誰だ!!!」

春原&キョン「「………」」

容姿は無論のこと……
声を聞いてもまだ理解できず、久瀬の『こいつは男』の発言すらも疑わしく感じさせる……
とにかくいろんなことがごっちゃになり、斉藤の問いに答えることができない二人。



しかし、次の久瀬の一言が、さらにこの二人を絶句させた。

久瀬「ああ、彼らも君と同様の潜入部隊。これから彼らも『女装』し、三人でこの女子高に潜入するのだ」

春原&キョン「「!!!!!!」」

まさに青天の霹靂、寝耳に水…



しばらく時が止まった後、何とか自分を取り戻したキョンが久瀬に言葉を返す。

キョン「お、オレたちも初耳だぞ!!だいたい、アンタはどうすんだよ!!!」
久瀬「今回の戦いには参加しない」
キョン「!!!!!!」

ここまで自分勝手な主人公は前代未聞である。



斉藤「貴様いい加減に―――」



ブチ切れ寸前の斉藤に、久瀬はこう反論する。

久瀬「まあ、考えても見たまえ。僕やキース君の女装は『明らかに』不自然すぎるだろ?ロック君はロボットだし……」

キョン「うっ……」

久瀬「それに相手は鬼畜レイプ魔である。万が一のことを考え、涼宮ハルヒ君、梨花君といった女性メンバーを入れるわけにもいくまい」

斉藤「そ…それは……」

キョン、斉藤、ともに沈黙。



久瀬「ま、君らの場合は最悪、掘られて『アッ―――!!!』な展開になるかもしれないが、そこは不慮の事故だと思ってあきらめてくれ」

斉藤&キョン「「思えるか―――ッッ!!!」」



しかし、いくら不平不満を言ったところで久瀬の意見を覆すだけの妙案はなく、その後、春原を無理やり起こした後、三人は女装することとなったわけで……







久瀬「ほう、キョン君に春原君。君らもなかなかに似合っているではないか」

久瀬が評価するように、春原とキョンの女装にはほとんど違和感はなかった。

春原「そ、そう?ま、僕の場合モトがいいからねっ」

ほめられてすぐ調子に乗る男、春原。

キョン「……なんか、すんごくイヤだ……」

一方のキョンは、斉藤同様ひどく不服そうである。

久瀬「ま、さしずめ『春原陽子』に『キョン子』といったところか」
斉藤「テメェ……本当に悪趣味だな……」



そういうわけで主人公の久瀬は自分勝手にもパーティをはずれ、斉藤一が仲間になった。



パーティ…キョン・春原・斉藤



斉藤「チッ……こうなれば自棄だ。早急に四天王のレイプ魔とやらを抹殺して、いち早く元に戻るぞ!!」
キョン「ああ、そうだな。(ってか、こんな姿をハルヒに見られたら格好のネタだぞ……)」

春原「でも、やっぱ百合展開ってあるよね!?」



直後、斉藤とキョンの鉄拳が飛んだことは言うまでもない……



なんとか女子高に潜入することに成功した三人。
やはり見た目に不自然さがないためか、怪しまれる気配はまったくない。



斉藤「それはそれで悲しいものがあるな……」
キョン「…それは言わないでくれ……。まあ、まずはありきたりだが情報収集といくか。……とりあえずは―――」



1・あのデコの広い子に聞いてみよう。
2・あのおかっぱでロングの子に聞いてみよう。
3・あのほんわりとしたお嬢様っぽい子に聞いてみよう。
4・あのなんだかアホ毛の子に聞いてみよう。



[15824] 第三十二話 …すべての感想に価値があります。これからも遠慮なく提案、意見、非難をお願いします。
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/14 02:26
3・あのほんわりとしたお嬢様っぽい子に聞いてみよう。


なんとか女子高に潜入することに成功した三人。
やはり見た目に不自然さがないためか、怪しまれる気配はまったくない。



斉藤「それはそれで悲しいものがあるな……」
キョン「…それは言わないでくれ……。まあ、まずはありきたりだが情報収集といくか。……とりあえずは、あのほんわりとしたお嬢様っぽい子に聞いてみよう」



キョンはおそるおそる、おっとりとした感じの女の子に話しかける。

キョン「あ、あのー……すいません……」
?「あら、なんでしょうか?」
キョン「最近この学校で、なんか不審な男を見なかった……あ、いや、見ませんでした?」

ついつい男言葉に戻ってしまい、あわてて修正をするキョン。

?「うーん……ここは女子高ですから……そういう人はいないんじゃないでしょうか……?」

しかし、案の定、『勝沼紳一』一味らしき不審な人物は知らないという答え。

斉藤「(……あるいは、女子生徒に化けている可能性もあるかもな。久瀬さんの話によれば、敵はある程度媒体の精神が衰弱していれば、なんにでも憑依できるらしいとのことだ……)」

そう。敵もバカではない。
実質何にでも憑依できる以上、あえて男の姿で女子高に潜入することは考えにくい。

キョン「(…そうかもしれませんね。もう少し周囲を警戒しながらも、よく観察をして―――)」



春原「ねえねえ、それよりさあ!君、彼氏いるの?ねえ?」
?「……?」



ズサァァァッ!!


斉藤&キョン「「………」」

真面目に敵の捜索をしている最中にも、その子をナンパする春原。
そもそも、こんなやつ連れてきた時点で、この作戦は失敗だったのかもしれない……

?「んー……女の子に興味はないわけじゃあないんですけど、でも、あなたにはもっといい人が見つかりますよぉ」

春原「かんっぜんなフラレパターンっすね……」

春原…撃沈ッ……!

キョン「(……っていうか、今のこの子の発言を鑑みるに、ちょっと百合っ気もあるのか……?)」
斉藤「(……知るか)」



すると、今度は髪をアップにしおでこを出した子とおかっぱでロングの子の二人が、キョンたちのほうに近づいてくる。



?「ムギー!何してんのー?あれ、この子たちだれだれー!?転校生!?チョー美人と可愛い子っ!!ウチ、軽音部やってんだけど入部しない!?」
?「律ったら!初対面の人にイキナリ……あっ、ごめんなさい。なんだか唐突で……」

律と呼ばれた子は、キョンたちを見るなり興味津々のようであった。
澪と呼ばれた子はそれをはしたなく思い、律を御そうとする。

斉藤「あ、いえ、こちらこそ忙しい中申し訳ありません」

紬「あっ、澪ちゃんと律ちゃん」
律「よっ!」

澪もこくりと会釈をする。
先ほどのおっとりとした子…紬と彼女らは知り合いのようであった。



春原「と、ところで君たち軽音って…バンドやってんの?」

一方、春原のほうも澪に興味津々のようである。

澪「え、ええ……まあ、一応『放課後ティーたいむ』ってバンドでやってるけど……」
春原「ぼ…あ、いや、わ、わたしも音楽をやってるのよ。ボンバヘッ…って」
澪「あ、いや、そっち系とまた違うから…その、ゴメン」
春原「ぐあ……」

春原…再度撃沈ッ……!



律「ま、そーいうわけで触りだけでもいいから覗いてってよ。悪いよーにはしないからさー」
澪「声が怪しいぞ、律……」

あわよくば、三人の女の子(男だが)を軽音部に引き込もうとしているのであろう。



春原「いきましょ!いきましょーよー!!」

そしてこの男は、確実にぼったくりバーの客引きに捕まるタイプであろう。



斉藤「ど、どうするか?」
キョン「そ、そうだな……何か新しい発見があるかもしれないけど……」

とりあえずキョンたちは軽音部の部室に―――



1・向かってみた。
2・向かう前に、もう少し探索をしてみた。



[15824] 第三十三話 …このSSがおかしいのも全部ディケイドのせいです。
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/15 00:10
2・向かう前に、もう少し探索をしてみた。



斉藤「ど、どうするか?」
キョン「そ、そうだな……何か新しい発見があるかもしれないけど……」

とりあえずキョンたちは軽音部の部室に向かう前に、もう少し探索をしてみた。







そういうわけで、キョンたちは「後で行く」と答え、軽音部の部室の場所だけを教えてもらいしばらく探索を続けた。



斉藤「春原…とかいったな」
春原「あん?」
斉藤「さっきはたまたまよかったものの、もうナンパはするなよ……」
春原「どうしてさ?」
斉藤「男だってバレるだろーが!!!」

キョン「さ、斉藤も落ち着いて……」

……しかし、こんな感じで本当に大丈夫なのであろうか……







しばらく校舎を探索している傍らで……
人気のまったくない空き教室に空間の歪みが生じていた。



すると、その次元の歪みより男のヴィジョンが現れる!
その男…背格好はチューリップハットにコート、眼鏡をかけている小太りな男性であった。

その男は何か独り言をつぶやいている……

??「ディケイド……じゃなかった……『久瀬』、オマエはこの世界にあってはならん……」



すると再び時限の歪みが発生し、今度は謎の女性が現れた……







校舎を探索中のキョンたち……
人気のない廊下を歩いていると一人の女子生徒が現れる。

女子生徒「あ…あの……、私、軽音部の澪ファンクラブなんですけど、これから部室に向かうんでしたら私もついて行ってもいいでしょうか?」
春原「もっちろん!!一緒に行こう! 君がいてくれれば、サイコーさ!」
女子生徒「はいっ!」

女子生徒が仲間になった。

春原「そんな怖い顔してどうしたの、キョン?」

キョン「臭うんだ」
斉藤「魔物の臭いだな……」
女子生徒「ど…どこ!?」

キョン「臭いんだよ!」
斉藤「お芝居をするならもう少しうまくやってもらいたいものだな」

春原「ヒィッ!こ、この子も『諸悪の根源』とやらの手下なのぉ!?」

女子生徒「やめて頂きたいですね、そんな言い方は……あの方は、素晴らしいものを俺に下さったのだ。こんなに素敵な力をなッ!」

女子生徒の体が見る見る崩れていく……
なんと女子生徒の正体は、襟の後ろが大きく丸く伸びている長身で長い黒髪の男だった!!!
左目は隻眼なのであろうか、不気味な眼帯をしている……

春原「ヒィィ!出っ歯アアア!!!」
キョン「いや、そこビビるとこじゃないだろ……」

一方、斉藤は冷静に敵を見据えている。
敵は非常に重そうな『三日月を8の字型に二つくっつけた形の鎌』を軽々と振り回す。
鎌の先端からは心なしか風を帯びているようにも感じられる。

????「名は何だ女ァァァ!!!」
斉藤「斉藤一……ってか、俺は男だ」
????「第5十刃『ノイトラ・ジルガ』だ!!!」

そのノイトラという男は更なる変身をし……
頭に左右非対称の三日月のような角が生え、腕が節足動物のような装甲で覆われ4本に増え、その4本の腕に大きな鎌を持つ姿に変わり、腹部を囲む様に角のようなものがいくつも形成された。

ノイトラ「いまだかつてこの『卍解』をかわしたやつはいない!!」
斉藤「フッ…では俺がその最初の男になってやろう」
ノイトラ「ほざけ!!」


ブォッ!!



ノイトラは大鎌をブン回し斉藤に突撃してくる。
あんな如何にも重そうな攻撃……どっからどう見ても華奢な斉藤が受けたら一撃でお陀仏であろう。

言葉も出ず固唾を呑むキョンと春原。

しかし斉藤はその攻撃を軽く回避し、心配は杞憂に終わる。



ノイトラ「ん!?な!!」

斉藤「おい忘れもんだ!!」



斉藤はすれ違いざまに分割したノイトラの両腕を本人に投げて返す。

ノイトラ「ヒェッ!!なあああ!!」

鋼皮の硬度に関しても歴代全十刃中最高を誇るノイトラにとっては、まったくの未曾有!理解不能の出来事だった!!

斉藤「俺の動きは人間では捉えることは出来ん!!」

ノイトラ「え?いや、俺、人間じゃないし……」







??「ちっ、誰を狙ってる」

一方、影から自身の召喚したノイトラの戦いを隠れ見ている謎の人物。
どうやら久瀬を狙ったはずが、完全に出現場所を間違えたらしい……

??「………」



ノイトラ「え?」
斉藤「!!」

すると、斉藤とノイトラの間に再び次元の歪みが発生し、ノイトラはそれに飲み込まれていった……!

ノイトラ「で、出番これだけえええ!!?」



??「久瀬、これが『始まり』だ!」

男はそういい残し、自身も次元の彼方へ帰っていった。







斉藤「な、なんだったんだ……?」
キョン「さ…さあ………」

ひとまず三人は―――



1・今度こそ部室に向かった。
2・一旦体制を整えることにした。



[15824] 第三十四話 …HTTとHTNは関係ありません
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/21 22:07
1・今度こそ部室に向かった。



斉藤「な、なんだったんだ……?」
キョン「さ…さあ………」

ひとまず三人は今度こそ部室に向かった。







そして軽音部部室。
ここで三人は信じられないものを目にした。



??「フフ…さすが僕の予想通り、5人が5人とも可愛い子揃いだ。これは鬼畜レイプ魔が狙う可能性は大いにあるだろう」
律「えー!でも、その『諸悪の根源』の話って本当なのー?」
澪「たしかににわかには信じがたいが……」
??「フフ……まあ、信じがたいのも無理はない。だが、一名は信じてくれているようだ。そうだろう『平沢唯』君」
唯「うー……『勝沼紳一』は女性の敵ですっ!そうだよね、あずにゃん」
梓「先輩……絶対にインチキ商法や新興宗教に騙されるタイプですね……」

紬「みなさーん。お茶がはいりましたよー」



そう、我々は知っている!
軽音部部員5人と仲良くおしゃべりしている白衣の男を!!!



斉藤「て…てめぇ何をしている!!!」

久瀬「見てのとおり、ちょっとお茶をな。これが本当の『放課後ティータイム』ってやつかな」

そう、キョン、春原、斉藤を女装させてこの女子高に潜入させておきながら、いけしゃあしゃあと部室で座談している男は久瀬であった。
あまつさえ、淹れてもらったミルクティーを飲みながら、ケーキまで食べているではないか!!!

久瀬「それに君ら三人とも説明が下手くそだからと思って、わざわざ僕が出向いたわけなのだよ。少しは感謝したまえ」

その上、久瀬は5人に今まで起こったすべてのことを話していたのである!!

…しかし、そうなるとひとつだけ腑に落ちないことがある。



キョン「じゃ、じゃあ、アンタはどうやって入ってきたんだ……?」



久瀬「北斗神拳は暗殺拳。潜入はお手の物だ」
斉藤「……そういや、そんな設定もあったな」
キョン「……っていうか、もはやどうでもいい……」

久瀬「もっとも、君らが『敵』を引き付けてくれたおかげで、すんなりと潜入できたわけなのだが……」

そう言って得意げにほくそ笑んだ後、再びミルクティーを一口頂く久瀬。

キョン&斉藤「「………」」

もはや呆れ果ててものも言えないキョンたちであった。
その顔は「ひどく疲れているようだった」と、後にあずにゃんは語る……



律「それにしても、アンタたちすんごく女装似合ってるよね」

ズサァァァッ!!

この唐突の一言にずっこけたのは、キョンと斉藤だった。
どうやらこの二人には、放心させてもらえる時間すらないらしい……

久瀬「ああ、いい忘れていたが、君らが女装してここに潜入していることも彼女らに既に話してあるから安心したまえ」

斉藤「あ…アンタって人は―――ッッ」

もはや怒りを通り越して呆れたのも通り越して怒り心頭の斉藤。
その傍らでは…



春原「ま、モトがいいからいけてるでしょ。男に戻った僕はもっとイケメンだからさぁ、僕とデートしてくださいッ!!」

完全に乗り気の春原が部員をナンパしていた。

律「あ、タイプじゃない」
澪「……わ、私も断る!!」
紬「春原さんにはもっといい人が見つかりますよー」
唯「き、気持ちはう、うれしいのですがっ、ご、ごめんなさいっ!」
梓「……私も、ごめんなさい」

春原「ぐあ……」

春原……屈服!屈服せざるを得ない!!!



澪「それにしても、春原はともかく斉藤さんは美人だし、キョン君はその…可愛い…って感じがするな」
春原「僕だけ呼びすてっすか……」

もはや春原の扱いが哀れでならない……

キョン「可愛い…っていわれても、あんましうれしくない」
斉藤「右に同じだ」

そして、ある意味キョンと斉藤の扱いも哀れでならない……

律「しつもーん!!お二人に彼女はいるんですかーっ!!」

春原「…僕には聞かないのね……」

律の眼中には、完っ全に春原の姿はなかった。

斉藤「ああ(……まあ、やはり名雪が一番だな……)」
キョン「…オレも、一応……(っていうか、下手な選択肢選んでハルヒの逆鱗に触れて世界崩壊したくないし……)」

惚気男の斉藤と、ひねくれラブコメ男キョン。

律「ちぇっ、ざんねーん♪」
澪「ざんねーん……じゃないだろ」
律「ちなみに、澪はどっちがタイプ~~~?」
澪「わ、私に振るなッッ」



とまあ、色恋沙汰で話が盛り上がる一方……



唯「へぇ~……久瀬さんとムギちゃんって、知り合いなんだ~」

紬「ええ。昔から財界のパーティで何度かご一緒になったことはあります。ねえ、『総帥』さん?」
久瀬「うむ……。(っていうか、未来の自分を知るのは『禁忌』ではあるが、なぜ『総帥』なのだろうか……)」
梓「な、なんだか改めて、紬センパイがすごい人に見えますっ!」
紬「そんなことないですよ。私なんかより、総帥さんの方がもっとすごいんですからっ」
唯「わたしも、一度でいいからセレブな生活がしたいなー」

久瀬「あ、あまり『僕の未来の姿』のヒントは与えないでくれよ……」
唯「はいっ!」
久瀬「はは……」

とりあえずうろたえる素振りを見せる久瀬。
しかし心の中では、同時にこのようなことも考えていた……

久瀬「(なるほど……『平沢唯』。なかなか素直な娘だ。聞けば、軽音楽部に入部するまでは楽譜も読めず、楽器経験もほとんどない素人だったというではないか。しかし、自力で『ウィンドミル奏法』を編み出すほどの音感……!!そして、優柔不断ながらも意外なところで勘も鋭いと聞く……)」

そして、久瀬はひとつの仮説を立てる!!



1・彼女は天才ギタリストかもしれない!
2・彼女は天然かもしれない!
3・彼女はニュータイプかもしれない!



[15824] 第三十五話 …一人だけ贔屓して怒られませんかねぇ
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/21 22:08
3・彼女はニュータイプかもしれない!



久瀬「(なるほど……『平沢唯』。なかなか素直な娘だ。聞けば、軽音楽部に入部するまでは楽譜も読めず、楽器経験もほとんどない素人だったというではないか。しかし、自力で『ウィンドミル奏法』を編み出すほどの音感……!!そして、優柔不断ながらも意外なところで勘も鋭いと聞く……)」

そして、久瀬はひとつの仮説を立てる!!
彼女はニュータイプかもしれない!……と。



その時……!!

ガラガラッ…と教室の扉を開ける音が聞こえ……
すると、そこには一人の眼鏡をかけた大人の女性が立っていた。



唯「さわちゃん!?」

そう、この人は軽音部顧問にして元DEATH DEVILの山中さわ子であった!!

さわ子「そう、唯ちゃんはニュータイプの感性を持ってたの。だがな、いかんぞニュータイプは」

しかし、その雰囲気はどことなく違うらしく、軽音部員……とくに唯は『さわ子先生』に対し不信感を抱いていた。

唯「さわ…ちゃん?……いや、さわ子先生ッ!!」

するとさわ子先生は、笑いをこらえるかのように肩を小さく震わせていた。

さわ子?「さわ子先生?クカカカカ……誰だそいつは?おおそうか、思い出した。確か『この娘たち』は渡さんなどと言っていた、愚かな女か。そいつになりすましていたんだっけなあ、俺は……ヒャアッヒャッヒャッ!」

律「あ、アンタ、さわちゃんを……!!」

さわ子?「会いたいか?さわ子先生に会いたいか?俺は、草陰茂のように無様なことはせんぞお。何しろあいつは、四天王になれたのが不思議なくらい弱っちい奴だったからなあ。グヘヘヘヘ!」

そう、この女…否、この男は断じてさわ子先生ではないッッ!!!

久瀬「……やはり。貴様も……!」
さわ子?「いかにも!勝沼四天王、『水の木戸大門』ッ!!」

そう、この男こそ『勝沼紳一』古参の部下、木戸大門であった!!
かつてはヤクザのごとき風体で、力技の強引な陵辱を繰り返したり、加えて変態的な奉仕をさせたりしていた凶悪な男である。



斉藤「シャオッ!!!」
木戸「!!?」

―――刹那、斉藤の南斗水鳥拳が木戸をすり抜け……
斉藤の姿が見えたときには、木戸は17の部品に分割されていた……!



斉藤「……女に手を出す外道が……!!だが、俺の南斗聖拳に切れぬ物質は存在しないッッ!!!」

この瞬間、久瀬以外の誰もが斉藤の勝利を確信し、特に春原、キョンは戦わずにすんだと「ほっ」と胸をなでおろしていた。



しかし―――!!

??「……物質……はな」

斉藤「なっ!!!」

……斉藤の背後より木戸の声が聞こえ、直後に巨大な大刀『首斬り包丁』が襲い掛かる!!!
斉藤は瞬時にかわそうとするも、右肩に掠った様な切り傷を負う!!

斉藤「……水か……」

斉藤の両手からは透明な水が滴り落ちる。
そう、斉藤が切り刻んだのはさわ子先生そっくりの『水人形』だった!!!



木戸「……忍法…水分身……だっけか。なかなか便利な技をもってやがるぜ。この体はよぉ!!」
斉藤「……!!!」



斉藤の目の前に現れた敵の姿は、口を包帯で覆っている、残忍な表情の忍者であった!!!

久瀬「ほぅ……その姿は、元霧隠れの忍で霧隠れの鬼人…『無音殺人術』の達人にて忍者学校の卒業試験で同期の生徒を皆殺しにした過去をもつ、霧の忍刀七人衆の一人『桃地再不斬』か」
木戸「さすが紳一様が警戒するだけあってなかなかの知識と慧眼だな。だが、だからといってこの俺を倒せるはずがあるまい!!!」

キョン「た…たしかに……」
春原「ぼ、僕たちじゃ倒せないよね……」
斉藤「……貴様ら…何しに来たんだ……?」

完全に弱気のキョンと春原。

それもそのはず!
ここは一瞬にして変わり果てた戦場……!!!
この空間に、先の和気藹々とした部活の雰囲気は一切存在しない。

部員たちはみな、この現実では到底味わうことのできない空気に声を発することもできない!!



……一名を除いては……!!!



木戸「忍法!霧隠れの術!!!」

周囲は深い霧に包まれ、すべての視界が遮られる!!!

春原「わああああああ!!!前が見えなあああい!!!」
斉藤「騒ぐなッ!!敵の音、気配も感じられなくなる!!!」

木戸「(ヘヘ…無駄よぉ!!この身体、よっぽどの鍛錬を積んでいたのか気配も音も完全に消せる!!!まずは久瀬の首を一発で寸断してやるぜ!!!)」

木戸は久瀬の後ろに回りこむが……



久瀬「……フフ……」

なぜか余裕の笑みを崩さない久瀬。
……何か策でもあるのだろうか……!!



木戸「(……そ、そういえばこの男、なぜか勘がいいからな。もしかすると罠を張ってるかもしれねぇ!!だが…どうせなら女は犯してから殺してえし……。…だとすれば、殺るのはあの春原かキョンって男からだが、春原程度ならいつでも殺せる!よって、まずはキョンだ!!!死ねェェェ!!!)」



唯「キョ、キョン君後ろ!?」

キョン「え?」

木戸「なっ!!!」

木戸の縦に振り下ろした大刀の一撃は、キョンの間一髪で回避できた。

キョン「あっ…危っぶねえ……!!!」

唯「う、うそ!ホントに後ろだったんだ!!!」
春原「ち、違ってたらキョンは真っ二つ……!?」

唯の声がなければ、春原の言葉通りにキョンは真っ二つにされたであろう。

梓「ゆ、唯センパイッ!!し、真剣に考えてくださいッッ!!!」
唯「ごっ、ごめん…」

やっと声を振り絞ることのできた梓の叱責に、あやまる唯。

久瀬「いや、結果オーライだ。よくやった唯君」
唯「は、ハイッ!!!」

しかし、久瀬は決して唯を責めはしない。



なぜなら、すべては久瀬の計算どおりに行われていたことだから……



木戸「な、なぜわかったァァァ!!!」

久瀬「まあ、貴様の考えていることをズバリ当ててやろう。まず、貴様は僕を狙っていたが、僕の余裕の笑みを見るや否やそこに罠があると睨む。次に殺る対象を変えるわけだが……まあ、貴様らの性格のことだ。女はとりあえず犯すことしか考えてないだろうから軽音部員、及び斉藤君はターゲットから外れる」
斉藤「オイ!!!」
久瀬「そして、次に春原君かキョン君を選ぶわけだが、春原君程度なら苦もなく殺せると考え、まずはキョン君を始末しようとした。違うかね?」
唯「????」

木戸「ぐうううう!!!」

したり顔で敵の思考を解説する久瀬。
しかし、唯は久瀬が何を言っているのか一切わからなかった。
無論、これも久瀬の計算どおり。

久瀬「(……やはり!!唯君は『まったくの勘』でキョン君の危険を察知したのだ!!このまま唯君を戦場で使っていけば、彼女は僕をもはるかに超える『ニュータイプ』として開花していくであろう)」



律「な、なんにしてもすごいじゃん!唯!!!」
唯「えへへ…そうかなぁ……」
澪「ゆ、油断するなッ!!まだ終わってないぞ!!!」

木戸「お…おのれ……!!!」



久瀬「(……本当は斉藤君をお目付け役にして、春原君とキョン君を『レベル上げ』して何とか戦力にすることが目的だったが、これは予想外の収穫だな……)」

そして久瀬は―――



1・自らも戦いに参戦し、一気に決着をつけることにした!!
2・この戦闘を唯に委ね、自らは傍観することにした!!
3・この戦闘を唯に委ね、自らは他の部員とティータイムを過ごすことにした!!



[15824] 第三十六話 …今一瞬の命を!
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/23 23:07
3・この戦闘を唯に委ね、自らは他の部員とティータイムを過ごすことにした!!



久瀬「(……本当は斉藤君をお目付け役にして、春原君とキョン君を『レベル上げ』して何とか戦力にすることが目的だったが、これは予想外の収穫だな……)」

そして久瀬はこの戦闘を唯に委ね、自らは他の部員とティータイムを過ごすことにした!!



久瀬「ま、そういうわけで僕はティータイムを過ごすから、テキトーに頑張ってくれ」
紬「ケーキもいかがですかー?」

早速、部室の机でミルクティーを頂く久瀬。
紬もそれに合わせてケーキを持ってくる。



斉藤「て、テメェ……!!!」
澪「む、ムギも真面目にやれ!!!」

案の定、クソ真面目組のこの二人は怒る。



キョン「…まったく持ってブルジョワの考えていることはよくわからん…」

そしてキョンは諦めの気持ちで戦いに臨んだ。



木戸「ハッハッハッ!!久瀬抜きで戦うだとぉ!!この俺を舐めているのか!?」
斉藤「まあ、仕方がないだろう。それに、貴様の忍術は所詮は水に隠れて攻撃するだけの……図体に似合わぬ小賢しい技ばかり……。貴様が攻撃する瞬間の実体を斬ればいいだけのこと……」
木戸「ぬうう……」

しかし、さすがは百戦錬磨の斉藤。
ニュータイプではないにせよ、経験による洞察で、すでに敵の特性を見抜いていた。



春原「さっすが斉藤!頼りになるっ!!」
キョン「……やはり、あの久瀬が信頼を寄せるわけだ」

律「へぇー…あの美人さん、そんなに強いのかー……彼女がうらやましいなー」
梓「カッコよくて強くて彼女もち……それが、なんであんな男の下で……?」

その梓が揶揄するあんな男は……



久瀬「…いやあ、紬君はお茶を入れるのがうまいな。このミルクティーは僕が淹れてもらった中でも一二を争うほどだ」
紬「そうですか。総帥さんにそこまで褒めていただくと、かえって恐縮です~」
久瀬「もしこの時代の僕が独身なら、今すぐにでも君と婚姻を申し出るところだ」
紬「ほんとうですか?うふふふふっ」

上流階級のお茶会を満喫していた。



そいつらは完全に無視するとして。

木戸はなにやら不思議な印を結び……

木戸「水遁・水龍弾の術ッッ!!!」

巨大な水の龍を召還し、斉藤たちを攻撃した!!!



斉藤「フ…つまらん芸だ。そんな大道芸でこの俺と闘う気か!」
木戸「なあにを~~~!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



すると、斉藤は水龍の遥か上を華麗に宙返りする。
斉藤が水龍を飛び越え着地するや否や、その龍の身体は見事なまで細やかな飛沫と化した。
その飛沫は太陽の光を乱反射し、より斉藤の美しさを際立たせた。

澪「き…キレイ……」
梓「か、カッコイイ……」

斉藤「南斗水鳥拳の鋭い手刀は大気の中に真空波を生む」

どうやら水龍はその真空波で細やかに切り刻まれ、攪拌されて飛沫と化していたようだ。



木戸「お、おのれ!!これならどうだ!!!水遁・大瀑布の術!!!」

再び印を結ぶと、今度は教室内にも拘らず大津波が発生し斉藤たちを飲み込もうとしていた!!!



律「ちょ!こ、こんなのアリですかァァァ!!?」
澪「も、もうダメだぁぁぁ……」

春原「に、逃げろおおおおおお!!!」
キョン「お、オレたちが逃げてどうすんだ!!!そしたら誰がこの子たちを守るんだよ!!!」

唯「……ひょえええ!!!どーせなら水不足の国でやってくださーい!!!」
梓「こんなときになに言ってんですかッッ!!!」



そんな中でも久瀬と紬がティータイムを楽しんでいたことはいうまでもない。



木戸「どうだ!!!これでも大道芸か!?フン!!!これだけの力があれば、『あんな女』なんかに従わなくても、すぐに坊ちゃんに天下を取らせることができますぜ!!!」

斉藤「言ったそばからすぐ油断か。馬鹿は死ななきゃ治らない…」
木戸「なっ!!?」

すると斉藤は、今度は一直線に津波を突き破り間合いを詰め、木戸の喉元に拳の刃をつきたてる……!!



斉藤「フッ…」

この一撃で勝負は決したかに思われた……!!!



……が!?



次の瞬間、誰もが眼を疑った……!!!

名雪?「な、なにやってるのかず君!?」
斉藤「なっ…名雪!!?」



ずでーん!!!



斉藤、及びブルジョワ以外のすべてがコケた。
なんと木戸は、忍術により斉藤の彼女である『名雪』に化けていたのだ!!!

名雪?「フハハ…変化の術がこんなところで役に立つとはな……!!」



斉藤「――――――ッッ!」

斉藤は首筋まで刃を突き立てておきながら、後一歩が踏み出せない。
肩を小刻みに震わせ……



……ついには敵の間合いから離れ、がくっと肩を落とし膝から崩れ落ちる。

斉藤「た…たとえ偽りの姿であろうと、俺に『名雪』を斬ることはできない……」

斉藤…戦闘を完全に放棄ッッ!!



春原「ふ、ふざけるなあああ!!!あんたが闘わなきゃ誰が闘うんだよおおお!!!」
梓「いや、少なくともアナタに怒る権利はないと思う……」



キョン「し、仕方ない……」

すると、今度はキョンが重い腰を上げる。
もっとも、キョンは最初から闘う気はないわけではなかったのだが、敵の得体の知れない強さに震えていたのも事実!!
しかし、彼には男としての最低限のプライドは持ち合わせていた。

キョン「……さ、刺し違えるくらいのことは……しねえとな……!」
澪「お、おい!大丈夫なのか!?」
キョン「大丈夫…なワケないけど、ここでやらなきゃ部長サマに怒られるんでなッッ!!!」

そういうや否や、真正面から何のアテもなく敵に突っ込むキョン。
しかし、そのような玉砕精神で勝てるほど甘い敵ではない!!

木戸「水遁・水龍弾の術ッッ」

キョンに襲い掛かる水龍!!

キョン「!!!!!」



瞬間、唯に電流奔る!

唯「右ッ?」
キョン「!」
木戸「何ッ!?」

唯の声に従いキョンが右によけると、水龍はキョンに触れずにそのまま直進していった!!
キョンは迷わず直進!
印を結ぶ間も与えず一気に木戸との間合いを詰める!!



久瀬「(いいぞ!ここまでは筋書き通りだ!このまま唯君の感性が磨かれていけば……ッッ!!!)」



しかし!!

キョン「!!!」

キョンの眼前に立ちふさがったのは巨大な首切り包丁!!

木戸「ククク…水の技をかいくぐってきたのは褒めてやるが、肉弾戦ともなれば俺のほうが圧倒的に有利だ!!!死ねッッ!!!」
キョン「し…しまっ―――」

気づいたときには時既に遅し!
包丁はキョンの頭上に振り下ろされていた……!!



1・しかし!その包丁は宙で砕け散った!!
2・仕方なく久瀬は重い腰を上げる。
3・誰もその一撃を止めることはできなかった……



[15824] 第三十七話 …one and only
Name: ネオアミバ◆59608fce ID:15af120d
Date: 2010/09/25 21:35
1・しかし!その包丁は宙で砕け散った!!



気づいたときには時既に遅し!
包丁はキョンの頭上に振り下ろされていた……!!

しかし!その包丁は宙で砕け散った!!



木戸「なっ!?」

信じられぬとばかりに砕け散る包丁を見つめる木戸。



斉藤「俺の南斗聖拳に斬れぬ物質はない。たとえ俺に名雪を斬れすとも、そのバカでかい大刀ぐらい、瞬時にバラバラにできる……」

そう!大津波の中を斉藤が突撃、トドメ一歩直前に来たときには既に首切り包丁は斬ってあったのだ!!!



木戸「だ、だが、だからといって徒手空拳でこの肉体がこんな一般人に劣っていることはあるまい!!!」
キョン「くっ……」

木戸の言っていることは正論である。
木戸の肉体はあの霧隠れ七人衆の一人『桃地再不斬』である!
対してキョンは実戦経験はおろか、肉体の鍛錬もほとんど行っていない。
その差は誰が見ても明らかであった……!

律「ちょ…春原!アンタも闘いなさいよ!!」
春原「んなこといったって、勝てるワケないだろ!」
律「何逆切れしてんのよッ!信じらんないッ!」

斉藤「くっ……!せ、せめてヤツの姿が『名雪』でなければあの程度の敵、一撃で仕留めれるものを……!!」

律「よしっ!澪がその『名雪』を忘れさせるくらい斉藤さんを萌えさせるんだ!!さあ!このフリフリのメイド服に着替えて……」
澪「できるかッ!!!」

…こんなくだらないいい争いをしている暇はない……!



キョン「こ、こうなったらダメでもともとッ!!!」
木戸「返り討ちにしてやるぜ!!!」
キョン「キャオラアアアアアア!!!」

キョンは負けフラグ満載の掛け声とともに無謀にも木戸に殴りにかかるが、明らかな不利!!
その肉体は殴られ蹴られ甚振られる!!
しかも木戸はすぐにキョンに止めを刺すこともせず、痛がる様をも楽しんでいるようだ。



キョン「ぐあうううう……!!」



梓「も、もう見てられない……」
律「し、仕方ない!アタシはいくよっ!!ドラムで鍛えたスナップの力、みせつけてやんだからっ!!」
澪「り、律が行くなら私もいくッ!!い、いないよりはマシだろッ!!」
唯「だったらわたしも行くよッ!!こういうときくらい役に立たないとっ!」
梓「だ、だったら私だって行きますよッ!!センパイたちがイタイ目あって、なんで後輩の私が黙ってみてられるんですかッ!!」

軽音部部員は完全に腹をくくったようだ。
しかし……



春原「お、お前ら、いったい誰のためにさ……ッッ!!一生懸命にやったってバカ見るだけじゃん!!」



それでも春原は立ち上がろうとしない。
だが、その心は焦燥感にさいなまれているようで、言葉には苛立ちを隠しきれていない。

春原「クソッ……!!」



一方、ブルジョワ組のほうもなにやら動きが出てきたようだ。

紬「私も、お手伝いにいきますね」

同じく軽音部の紬も、やはり部員と運命を共にする覚悟はできているようだ。
席を立ち、木戸の元へ向かおうとする……



久瀬「その必要はない」



しかし、久瀬が制止の声をかけた。

紬「ほえ?」
久瀬「フフ……あと一歩…あと一歩で第2フェイズは終了する」
紬「ああ、この展開、もしかして完全に総帥さんの想定の範囲内だったんですね?」
久瀬「そういうことだ。さあて、仕上げと行くか。その前にケーキを頂くとしよう」

そう!すべては久瀬の計算どおりである!
唯の覚醒はあくまでおまけ、想定外のことであった!

久瀬はケーキを食べ、ミルクティーを飲み干した後―――



1・人質をとり恫喝という暴挙に出た。
2・春原にアイテムを投げつけた。
3・自ら参戦することにした。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
4.18869805336