学力テスト:上位に秋田、福井 地域差が固定化…文科省

2010年7月30日 17時19分 更新:7月30日 22時58分

 文部科学省は30日、小学6年と中学3年の計約71万人を対象に今年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。昨年度までの3回は全員参加方式だったが、今回は約3割の抽出調査。都道府県別の平均正答率(公立)の上位は、秋田、福井など、下位は沖縄、北海道など4年続けて同じ顔ぶれで、上、下位は固定化がみられた。

 調査は、国語と算数・数学で基礎知識をみるA問題と活用力をみるB問題の小中計8科目を実施。抽出から漏れても希望すれば利用できたため、抽出と希望利用合わせて最終的には全国の小中学校の73.5%、児童生徒計159万9133人が参加した。希望利用の学校の児童生徒の成績は今回の集計に含んでいない。

 都道府県ごとの平均正答率でみると、秋田は小中計6科目でトップとなり、残り2科目は福井が1番だった。全体では従来と同じくB問題の記述式の問題の正答率が低く課題がみられた。

 今回新たに幼児教育の有無を質問項目に加えた。その結果、「幼稚園」「保育所」「どちらにも通っていなかった」の順番で小中ともに正答率が高い傾向がみられた。同省は「統計的な相関性が出た。幼児教育の有用性、重要性の一端が表れたと認識している」と分析した。

 同省は抽出方式について、「学力向上の取り組みに有益なデータを出すことができた。問題は生じていない」と話した。【本橋和夫】

 ◇全国学力テストの参加率◇(文部科学省調べ)

100% 秋田、石川、福井、和歌山、山口

     香川、高知、福岡、佐賀、長崎

     大分、宮崎、鹿児島

90%台 富山、徳島、大阪、茨城、沖縄

     鳥取、岡山、広島

80%台 北海道、愛媛、福島、京都、熊本

     兵庫

70%台 長野、滋賀、宮城、新潟、奈良

     岩手、島根

60%台 静岡、東京、山梨

50%台 栃木、青森、三重、山形、千葉

40%台 岐阜、埼玉

30%台 群馬、神奈川

20%台 愛知

 ※学校全体に占める抽出校、自主参加校の合計の割合。国立、私立は除く。100%以外は左から参加率の高い順。

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