2010年7月30日 11時37分 更新:7月30日 13時18分
第175臨時国会は30日召集された。参院は午前の本会議で正副議長選挙を行い、議長に民主党の西岡武夫元文相、副議長に自民党の尾辻秀久元厚生労働相がそれぞれ選出された。参院選での民主党の大敗により、参院での与野党の勢力が逆転した「ねじれ国会」の影響を受け、参院本会議の運営にあたる議院運営委員長ポストを自民党が獲得し、民主党は参院での国会運営の主導権を失った。議長と議運委員長が与野党に分かれるのは、1993年の細川連立政権以来。会期は8月6日までの8日間で、衆参両院で菅直人首相が出席する予算委員会が開かれる。
ねじれ国会の厳しさは参院議長選挙で浮き彫りになった。民主党出身の江田五月前参院議長が07年に選出された際は満票だったのに対し、今回は投票総数239のうち、西岡氏は139票。みんなの党の江口克彦氏が11票、自民党の尾辻氏が1票、白票が88票と対応が分かれた。一方、副議長選では投票総数240のうち、尾辻氏が235票を獲得し、白票は5票にとどまった。
国会運営をにらみ、民主党が副議長選挙で協力したのに対し、議長選挙で野党側の足並みはそろわず、異例の大量白票となった。首相は30日朝、首相公邸で仙谷由人官房長官、民主党の枝野幸男幹事長、輿石東参院議員会長と臨時国会の対応を協議し、結束を確認。野党にも政策ごとの協力を求めたい考えだが、具体的な展望は開けていない。
参院本会議では17常任委員長中、委員長の留任が決まっている国家基本政策委員長と決算委員長を除く15委員長の選挙を実施。西岡氏の議長転出に伴い空白となった参院議運委員長ポストを自民党に明け渡し、自民党の鈴木政二参院国対委員長が選出された。参院の全常任委員長の配分をみると、民主党は予算委員長に平野達男参院議員を据え、内閣委員長のポストを獲得するなど参院選前の9委員長は維持したが、自民党は委員長ポストを6から7に増やした。
本会議ではまた、災害特別委員会など6特別委員会の設置を議決。8月2、3両日に衆院で、4、5両日に参院でそれぞれ予算委員会が開かれ、参院選後初めての与野党の論戦が行われる。
一方、衆院本会議も30日午後に開かれ、8月6日までの会期の議決などを行った。これに先立ち、国会内で開かれた民主党代議士会では樽床伸二国会対策委員長が「国会全体が非常に厳しい状況になっており、法案が一本も通らないとまで言われているが、一致結束して乗り越えたい」と訴えた。首相は9月の民主党代表選を控え、30日午後、記者会見し、今後の政権運営に臨む決意を語る方針だ。【高山祐】