ここから本文エリア 佐賀北(佐賀)ニュース 投打に活躍、背番号「10」 馬場将史投手2007年08月18日 2点本塁打を浴びた直後の2回裏。2死三塁から、センター返しを心掛けた。外角高めの直球をたたくと、打球が中堅手の手前へ飛んだ。
「捕られる」 ところが、白球は飛びつく中堅手が差し出すグラブの手前で跳ね、外野芝の上を転がった。50メートル走は6秒6。懸命に三塁ベースを目指した。三塁で止まろうと思ったが、コーチャーは手を回していた。 「いちかばちか――」 本塁を突いた。返球が逸(そ)れて生還、同点ランニングホームランと記録された。これが甲子園初安打。公式戦では打ったことがなく、本人も「驚いた」という大会通算19号だった。 投げては、再試合を含めて4試合連続の先発ながら、7回途中まで2失点と期待通りの活躍。ほぼ毎回走者を背負ったものの、直球とスライダーを内外角に投げ分けて三振を奪った。最も警戒していた4番打者も3打席凡退に抑えた。チームはその間着実に加点し、5―2と危なげなく8強入りを果たした。 「後ろに(抑え役の)久保がいるから、いつも安心して全力でいける」 投打で勝利の立役者になっても、馬場はいつも控えめだ。試合後の整列も、応援スタンドへのあいさつも、チームメートから一歩遅れて向かうことが多い。本塁打の直後も派手なガッツポーズは避けた。 「馬場―久保」の継投でここまで勝ち上がってきた佐賀北。準々決勝も、背番号「10」の馬場から始まる「勝利の方程式」で4強入りを目指す。 |