政治主導
※9月26日付の調査会NEWS966号に書いたものです
まず前号の続きですが、西村眞悟・元拉致議連幹事長が逮捕された事件の大阪地検捜査主任が前田恒彦だったことをご本人のメルマガで知りました。この事件では組織犯罪処罰法については無罪になったのですが、もともと同法は暴力団やテロ組織を対象としたもので、これで起訴すること自体、事件が政治的な意味を帯びていたことの証拠でした。その担当者が前田容疑者だと聞いてもう一度納得した次第です。
ところで検察といえば今回の那覇地検の対応は大きな反発を呼んでいますが、こちらは明らかに政府の意向に沿ったものです。仙石官房長官が「地検独自の判断」と言ったのが嘘であることは子供にも分かります。できれば検察幹部の誰か辞表を叩きつけて抗議するくらいのことをして欲しかったものですが、大阪地検の事件もあり弱みがあったということでしょうか。本来「政治主導」というなら、このようなときに全ての責任をとるべきであり、船長釈放を地検の判断に押しつけるというのは法律論以前に人間として、政治家として卑怯な行いと言わざるを得ません。
しかし、今回のことで収穫だったのは、これならつまり法律も何も関係なく、政府の判断で何でもできるということを証明してくれたことにあります。拉致被害者の救出に自衛隊を使うことにしても何の障害もないはずですし、拉致認定であれ情報収集であれ今まで法律や前例を理由にできなかったことも(拉致認定の原則など法律でも何でもなく、警察庁長官がつぶやいただけのことです)「政治主導」でなんでもできるはずです。問題は決断できるかどうかということになります。
クリントン国務長官は前原外相に対し尖閣の問題については日米安保条約が適用されるとリップサービスする一方で、日中両国の対話強化による衝突事件の早期解決を求めたことを明らかにしたそうです。要は穏便におさめなさいという話でしょう。またクローリー国務次官補は「尖閣諸島の領有権が日中両国のどちらにあるかについて、米国は立場を明確にしない」としています。当たり前の話ですがアメリカ(に限らず外国)をあてにして日本の領土を守ることはできません。
昨年の政権交代は国民の投票によってなされたものです。根本的な責任は私たち国民一人ひとりにあるということを認識し、私たちの力で国を動かしていかなければならないと思います。
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