Shinya talk

     

 

2010/09/24(Fri)

菅という世間知らずのお座敷犬


10数年前に石垣島に行ったとき、尖閣列島行きの話が持ち上がったことがある。
政治ではなく、単に釣りの話だ。

尖閣列島の魚影の濃さは半端ではなく、釣り人なら一度は行って見たい夢のような島なのである。漁師に交渉し、交渉はまとまったが、折からの台風によって計画は頓挫した。

その折に聞いたのが、中国漁船は尖閣列島付近でトロールをやっているという話だった。

つまり、中国の漁船が尖閣列島付近で漁をやっているというのは昔からの話であり、漁船が少ないために漁業資源に大きなダメージがなかったということである。

そのような経緯があるために、中国漁船がいきなりだ捕されたというニュースを聞いたとき、耳を疑った。それとともにこれは相当こじれるのではないかと予感したが、案の定である。 

中国という国は他国の主権を侵すのに無神経だが、自国の主権(尖閣列島はこれに該当しない)を侵されることに関しては怒髪天を突く勢いになることは過去の事例を見ても明らかだ。

そのように中国漁船のだ捕が二国間の大きな問題に発展する可能性大であるにも関わらす、官邸はゴーサインを出した(こういう重要な問題に官邸が関わっていないということは考えられない)。
官邸は一体どのようなビジョンを描いてこれを挙行したのか?

そのことがいまだに掴めない。

そしてビジョンなき行動のその結果が今日出た。

仕掛けたにも関わらず、中国側の恫喝と報復に、なよなよと腰砕け。

世間知らずのお座敷犬が、身の程知らずにも外に出て大犬に吠えついて大声でうなり返され、小便をちびりながら尻尾を巻いて主人の影に隠れるという光景を彷彿とさせる。

私はずっと菅さんはおばさんだと思っていたが、今回のことで菅はお座敷犬に見えはじめた。

菅の相棒の仙石官房長官犬が記者会見でさらに国家を預かるものとして信じられない空洞発言。


「沖縄検察の判断を了としてこれを見守る」?????


要するに検察の判断にゆだねたという。
えっと我が耳を疑う。
かりに百歩ゆずってそうであったとしょう。

そちらの方が大問題であることは子供でもわかる図面である。

二国間の進路を決定しかねない重要な国際問題の処理や判断に政府および官邸は一切関わっておらず、一地方の検察にその判断と処理のすべてを委ねたということになるからだ。

これが仙石の言う通りだとするとつまり「無政府」ということになる。

負け犬と無政府のどちらを選ぶかと迫られたとき、どちらも国民にとってはありがたくない話だが、無政府の方を取った政府に今後の政治を任せられるかというと”政治を放棄した”わけだから任せられるはずがない。


今回のことで、まだ発足したばかりのほやほやの民主党政権が早々とたよりにならない空洞政権であることを披瀝した格好だが。いや、というより一年前、期待されながらたよりにならなかった民主党政権の本質が、顔を挿げ替えてもまたリピートされたに過ぎないということであれば、ある意味でわかりやすかった茶番劇だったということかも知れない。