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【格闘技】亀田大毅が坂田破り初防衛 王座返上へ2010年9月26日 紙面から ◆WBA世界フライ級タイトル戦
因縁の対決は大毅が激勝! WBA世界フライ級タイトルマッチは、亀田3兄弟の次男で王者の亀田大毅(21)=亀田=が、元同級王者で挑戦者の坂田健史(30)=協栄=を判定3−0で下し、初防衛に成功した。大毅は元同門の先輩・坂田に左フックを中心としたパワーで圧倒。試合後、リング上で「相手は最後まで前に出てきて強かった」と元王者をたたえた。元同門、3年前に対戦が浮上、デンカオセーンをめぐる挑戦権…。さまざまな因縁を、大毅は拳で決着させた。 大毅が自らの拳で因縁に終止符を打った。最終回、激しい打ち合いで元同門の“先輩”坂田のあごに右ストレートをさく裂。終盤4ラウンドはポイントを重ね、坂田のお株を奪った。勝利を確信した大毅は手を広げ余裕のダンスをみせた。 「途中効かしたパンチもあったけど、前に出てきてくれた。元王者で4回も防衛している強い王者。勝ててうれしいな」 終了のゴングと同時に坂田と抱き合い「ありがとうございました」と耳元でささやいた。判定後には、自ら坂田に歩み寄り「お疲れさまです」と深々と頭を下げた。そこにヤンチャな姿はない。精神面でも成長をみせた。 「体重がきついので、階級を上げるかどうか、ゆっくり考えたい。家に帰ってみんなと相談して考えたい」 リング上で次戦はスーパーフライ級(52・1キロ)に転級する可能性を示唆した。大毅の通常体重は約60〜62キロ。試合前1週間でフライ級のリミット(50・8キロ)まで8、9キロを一気に落とした。ほとんど絶食だった。 試合後の会見で、兄の興毅は「大毅はウエートがきつい。オレら横で見ててもつらい。100%の動きができひん。オレなら(転級を)勧めるよ」とアドバイス。父史郎氏も関係者に「大毅の減量はホンマに辛いねん。(1階級)上げさせてあげたい」と告白している。王座を返上し、2階級制覇を目指すことが濃厚だ。 当の本人はどこまでもマイペース。「今は言われへんけど…。オレは世界王者になったし、もう夢もない。2階級とか3階級制覇したいとかないねん。5度とか10度防衛したいとかないねん。これからも自分のボクシングするだけ」。坂田との因縁に決着をつけ、フライ級は卒業。大毅は新たな道を歩むことになりそうだ。 (森合正範)
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