練習を訪れ、選手たちを激励するトヨタ自動車の豊田章男社長(左端)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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首位の名古屋グランパスは24日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を行った。今夏にクラブの取締役に就任したチームの胸スポンサーであるトヨタ自動車の豊田章男社長(54)が練習場を初めて訪れ、悲願のリーグ初制覇へチームを激励。ドラガン・ストイコビッチ監督(45)も「しっかり応えたい」と25日の清水戦(アウスタ・15時開始)へ士気を高めた。
多忙なスケジュールの合間を縫って駆けつけた豊田社長は、約40分滞在して施設や清水戦に向けた前日練習を見学。集まった選手・スタッフに「皆さんに直接お目にかかるのは、今年1月1日の天皇杯の決勝戦後以来です。あのとき私は『リーグ戦で勝ちましょう』と言いましたが、今シーズンは快進撃を見せてくれてうれしく思っています」とエールを送った。
トヨタスポーツセンター内にある現在の練習場は96年から使用しているが、クラブによるとトヨタ自動車の社長が訪れたのは初めて。異例の現場視察に、快進撃を続けるチームに対する高い期待がうかがえる。
練習後に同社長と約10分間懇談したストイコビッチ監督は「最後まで首位で進んで、優勝するまでしっかりやってほしい」と激励されたことを明かし、「トヨタのボスが来てくれるのはすばらしい。しっかり応えたい」と進軍ラッパを吹き鳴らした。
同社がリコール問題で揺れた春先、ピクシー監督はG大阪との開幕戦に勝利し「この勝利を豊田社長にささげたい」と話していた。たびたびホーム戦に足を運んでいる同社長も、8月にグランパスの取締役に就任し、今回“お返し”をした格好となった。
選手の士気も高まる。守護神・楢崎は「マリノス戦後に『負け試合で3本止めてくれた』と言われ、そこまで見ているのかと驚いた。チームにすごく関心を持ってくれてうれしい」と話し、闘莉王も「すごくいい人そうだった。自分たちだけでなく、周りのサポートしてくれる人たちのためにも優勝したい」と奮い立った。リーグ首位を快走する赤鯱軍団が、超VIPの後押しを受けてさらに加速する。 (塚田陽一郎)
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