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【大リーグ】

堂上兄弟が驚いた“イチ流”理論

2010年9月25日 紙面から

 イチローの偉業達成は、愛工大名電高の後輩である中日の堂上兄弟(兄・剛裕、弟・直倫)にもうれしいニュースとして届いた。「僕なんかがお祝いを言えるレベルの人じゃないですよ。でも、いくつになっても毎年記録に挑み続け、それを達成するのはすごいと思う」と直倫。兄の剛裕は「すごいのひと言。まだまだ(200安打を)続けて、4000安打を目指してほしいですね」と笑顔で話した。

 堂上兄弟が初めて“生”のイチローを目にしたのは、剛裕が中日に入団して間もなく、06年1月の自主トレ。イチローが母校・愛工大名電高のグラウンドで始動していることを知り、自分も駆けつけた。すでにイチローはメジャーで活躍する世界の大打者。弟の直倫は当時、まだ在学中。目の前で汗を流すイチローは、高校の先輩とはいえ、遠い雲の上の存在。イチローの一つ一つの動きを、ただ「すごいな…」と感心しながら見つめることしかできなかった。

 そんな2人にサプライズが訪れたのは、直倫のプロ初シーズンを控えた07年1月のことだ。日本に戻っていたイチローから、プロ入りのお祝いと激励を兼ね、兄の剛裕ともども自宅に招かれた。緊張しながら過ごした夢のようなひととき。そのときのイチローの言葉は「すべて覚えています」という剛裕を驚かせたのは「オレは追い込まれてからでも変化球を待つことがあるよ」との“イチ流”理論だった。

 普通、打者は追い込まれれば速い球を待ち、その中で変化球に対処する。だが、勝負どころでは自分の勘を頼りに、変化球に比重を置き仕留めにいくこともあるとイチローはいう。「僕にはとてもまねできないけど、そういう考え方もあるんだと思いました」と剛裕は振り返る。

 「今年の目標は個人的なことより、チームが勝つこと」と口をそろえる堂上兄弟。その目標達成も、もう間近。大先輩の快挙は、Vゴールへ突き進む2人にとっても、最高の刺激となったはずだ。 (館林誠)

 

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