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【政治】

心の病自宅訪問で支援 厚労省

2010年9月26日 朝刊

 うつ病など精神疾患を抱えた人の自宅を訪問し支援するため、厚生労働省は二〇一一年度に、精神科医や看護師らでつくる専門家チームを医療機関に設置するモデル事業を、全都道府県で始める。

 受診や相談をためらう間に重症化するのを防ぐのが目的で、自殺防止につなげる狙いもある。患者の家族は「社会とのつながりを回復する第一歩になる」と歓迎している。

 厚労省によると、精神疾患があっても、偏見を気にして病院に行かなかったり、途中で治療をやめたりして症状が悪化する人が少なくない。

 国内の自殺者数は十二年連続で年間三万人を超え、うち約三割は、うつ病などの精神疾患が原因。担当者は「病院で患者を待つ従来の医療では十分に対応できていなかった」と説明する。

 チームは精神科医や看護師、作業療法士、精神保健福祉士など数人で構成。家族らからの依頼を受け自宅を訪れて家族や本人と話し合い、通院治療などにつなげていく。

 チームづくりは各地の医療機関に委託。厚労省は一一年度予算の概算要求の特別枠で十六億円を計上し、当面は各都道府県に一、二チーム程度になる見通しだ。

 

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