被災地に「網の目支援」を　鳥取県西部地震１０年

　約３５００戸が全半壊した鳥取県西部地震の発生から１０月で１０年を迎えるのを前に、被害が大きかった同県日野町で２５日、地震からの復興や今後の地域づくりについて町民らが語り合うシンポジウム（京都大防災研究所など主催）があった。

　参加者は、地震直後に全国から多くのボランティアが駆けつけたことを「心強かった」と感謝。地震を機に発足した「日野ボランティア・ネットワーク」の松田暢子事務局長は「地域の課題は行政だけでは解決できないことが多く、網の目のような支援の仕組みが必要」と訴えた。

　過疎化が進む町の今後については「市民団体が横の連携を持たなければならない」「産業振興を真剣に考える必要がある」などの意見が出された。発生当時、知事を務めていた片山善博総務相のインタビューもビデオ上映された。

　地震は２０００年１０月６日に発生。日野町や鳥取県境港市で震度６強を記録し、鳥取、岡山、島根などで約１８０人が負傷した。