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ナゼやめられない? 度重なる逮捕でマーシーが失ったものは…

産経新聞 9月26日(日)8時1分配信

ナゼやめられない? 度重なる逮捕でマーシーが失ったものは…
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横浜水上署から神奈川県警本部の留置施設に移送される田代まさし容疑者=16日午前11時5分ごろ、横浜市中区(写真:産経新聞)
【衝撃事件の核心】

 芸能界復帰を支援するメッセージ集が7月末に出版されたばかりだったタレントの田代まさし(本名・田代政)容疑者(54)が、麻薬取締法違反(コカイン所持)の現行犯で逮捕された。逮捕の約3時間前にはFMラジオ番組に出演しており、度重なる逮捕に捜査幹部はあきれ顔だ。復帰に向けた活動が軌道に乗りだしたところだっただけに、「なんでこの時期に、もう復帰は…」。応援してきた人々をまたもや裏切ることになり、支援者やファンの間には大きなショックが広がっている。

 ■予想外?の厳重警戒で発覚

 ライトアップされた赤レンガ倉庫のレトロな雰囲気と、港・ヨコハマのロマンチックな美しい夜景。カップルをはじめ、観光客に大人気の赤レンガパーク(横浜市中区)がある横浜の観光スポット・みなとみらい地区では、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が11月に開かれるため、すでに警察当局による厳重な警備体制が敷かれている。

 こうした状況の中、福岡県警小倉北署から応援として派遣されていた警察官が9月16日未明、赤レンガパーク第2駐車場で職務質問を行っていた。24時間利用できるコインパーキングのためか、午前0時を過ぎたにもかかわらず、駐車場にはカップルらが乗った4台の車が止まっていた。

 「お気をつけて」。不審な点がない車の運転者に声をかけていく。その中で、北側の隅にエンジンをかけたまま、ライトを消した状態で止まっている相模ナンバーの紺色セダン型のBMWが警察官の目に留まった。

 警察官は車内の男女に声をかけると、運転席には頭髪の薄い、ガリガリにやせた中年男、助手席にはブラウスにカーディガン、スカート姿の中年女が乗っていた。男は黒いジャケットとジーンズ姿のラフな格好。警察官は初め、男がかつてテレビ番組などで人気を集めたタレントとは気付かなかった。「身分証を見せてください」。こう問いかけられた男は、国民健康保険証を差し出した。そこには「田代政」と記載されていた。

 ■ガリガリ男の手がぶるぶると震え

 男は警察官に話しかけられてから、そわそわと落ち着かず車のシフトレバーに手をかけ、「もう行ってもいいですか」と、車を発進させるようなそぶりを見せた。次第に、手がぶるぶると震え出した。

 「職務質問だけでここまで震え出すとは」。不審に思った捜査員は田代政の名前から、元タレントの「田代まさし」ではないかと疑念を強め、かつて覚醒剤(かくせいざい)使用などでの「前」があることを思いだし、所持品を検査した。

 「これは何だ」。田代容疑者のはいていた黒いジーンズのウエストの背中部分にはさまっていた布製のティッシュケースの中から、白い粉が入ったポリ袋2つが出てきた。警察官の厳しい質問に、終始おどおどしていた田代容疑者は、あきらめたように「コカインだ」と返答。その場で現行犯逮捕となった。

 車の助手席には、田代容疑者の交際相手の美容院経営、荒井千恵子容疑者(50)=神奈川県厚木市中町=が対照的に落ち着いた態度で座っていた。荒井容疑者は任意同行された横浜水上署で、スカートのウエストの後ろにはさんでいたポリ袋を所持品検査の前に自ら差し出したという。中には覚醒剤の結晶1・3グラムが入っていた。

 BMWの後部座席に置いてあった田代容疑者のトートバッグからは、コカイン吸引用とみられるストローとライターが発見された。トレードマークの帽子も座席の上に置いてあったという。荒井容疑者の持っていた布製のポーチからは、注射器と針が2セット見つかった。

 横浜水上署は16日午後、田代容疑者と荒井容疑者の自宅を家宅捜索、田代容疑者の自宅から薬物は発見されなかった。荒井容疑者の自宅からは覚醒剤約10グラム、大麻約50グラム、コカイン約6グラムがそれぞれポリ袋に入った状態で見つかり、注射器も約100本発見された。

 田代容疑者は平成16年、乗用車を運転中に人身事故を起こして逮捕された際、運転免許取り消し処分を受けており、荒井容疑者が運転していたとみられる。捜査関係者によると、現行犯逮捕当時、運転席には田代容疑者が座っていたが、「駐車場に着いてから席を替わった」と供述しているという。

 ■逮捕女は元「追っかけ」

 同署によると、田代容疑者は「コカインは自分で使うために持っていた。嫌なことがあると、クスリに逃げていました」と供述。荒井容疑者の自宅にあったコカイン、大麻、覚醒剤については、「自分たちの物。2人で使うために(荒井容疑者宅に)保管していた」とも供述しているという。神奈川県警は裏付け捜査を進め、容疑が固まり次第、覚せい剤取締法違反(共同所持)の疑いでも、田代容疑者を立件する方針だ。

 捜査幹部によると、荒井容疑者は田代容疑者がメンバーだった人気ボーカルグループ「シャネルズ」(後のラッツ&スター)時代から、田代容疑者の大ファン。コンサートなどに付いて回る「追っかけ」をしていたと話している。

 田代容疑者がシャネルズを脱退し、テレビのバラエティー番組で活躍し出すと、荒井容疑者は美容師の腕を生かし、田代容疑者のスタイリストとして活動していた。最近は美容室経営のほか、田代容疑者の付き人のような役割も担っていたという。追っかけ時代から2人の関係は継続していた。

 20年8月に覚せい剤取締法違反罪での服役を終えて出所した田代容疑者は、東京都武蔵野市内で暮らしていた。近隣住民は「色つき眼鏡にハンチング帽姿で、おしゃれな格好だった」と話し、周辺では頻繁に目撃されていたようだ。田代容疑者と一緒に、荒井容疑者の姿も見かけられた。

 近くの自動車販売店主によると、「1年ぐらい前から近くのコインパーキングに相模ナンバーのBMWを待たせ、乗り込んでいた。その女性と西荻窪駅近くのラブホテルから白昼堂々と出てきた」という。

 田代容疑者は逮捕前日の9月15日は午前中に民放のテレビ番組の撮影を行い、夜にはラジオ番組の収録をした。この日も荒井容疑者とともに行動していたという。捜査幹部によると、この日の夜は、みなとみらい地区にある高級ホテル「ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテル」で、2人で夕食を取ったと供述しているという。

 田代容疑者の所持していたコカインについて、逮捕直後の2人の容疑者の供述は食い違う。田代容疑者は「3カ月半前に知り合ったDJ(ディスクジョッキー)から入手した」と供述。しかし、荒井容疑者は「(田代容疑者のコカインは)私が渡した」と話した。

 ■支援者に広がるショック

 田代容疑者の復帰を支援してきた関係者らからは、衝撃とともに落胆と怒りの声もあがっている。

 20年8月に刑務所を出所した田代容疑者は21年5月、刑務所生活をつづった著書『審判』(創出版)を出版。その中で、薬物依存の克服を誓っていた。今年8月31日の誕生日には、横浜市内で記念イベントを開催。7月31日にはメッセージ集『帰ってこいマーシー』(リーダーズノート)が発売されるなど、追い風が吹いていた。最近はブログやツィッターなどで近況を報告、完全復帰へ前向きな姿勢を見せていた。

 それだけに関係者らからは、「またか…」と落胆の声があがった。ラッツ&スターでともに活動した歌手、鈴木雅之さん(54)は、「あれだけ家族や周りの人たち、そして自分自身がつらい思いを味わったわけだから、その思いを肝に銘じて、生きていってほしかったです。本当にあいつは大バカです」と、所属事務所を通じてコメントを発表。

 『帰ってこいマーシー』では芸能リポーターの前田忠明さんやガッツ石松さん、堀江貴文さんや故・梨元勝さんら有名人やファン1000人が、田代容疑者の復帰にエールを送っていた。

 横浜水上署によると、田代容疑者は「(薬物は)もう2度とやりません。お世話になった人に大変迷惑をかけました」と反省の言葉を漏らし、「財産は何もありません」と供述しているという。だが田代容疑者には、再起を誓う彼の言葉を信じ、復帰を支援してくれた人々の“心”という財産があったはずだ。そのかけがえのない財産さえも、今回の逮捕で失ってしまった。

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最終更新:9月26日(日)8時1分

産経新聞

 

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