日中は雲が多かったが夜の撮影には問題ないと判断し、今夜も宝珠山へと向かった。
現場に着けば空には雲ひとつ無く、満天の星空が広がっていた。
早速機材を準備して頭の垂れた稲穂と秋の星座を撮ってみる。
思惑通りの写りに気を良くし、今度は干した稲を撮ってやろうとあちこちウロウロする。
しかし、この地域は県道を中心に至る所に街灯があり、干された稲は明るく照らし出されている。
一番まともそうな場所で控えめに露光しても地上風景は見事に緑色にカブってしまうのだからやってられない。
「もっと上の方の集落の外れにある棚田ならどうか?」
早速急な坂道を登って目的の場所まで移動するが…チーン(-人-)。おしまい。
街灯が無く、稲もいい感じに干されているのだが、周囲を網で囲まれているではないかっ!
鳴呼、情緒ある秋の農村風景をと思ってやって来たのに、なかなか思い通りの場所というのは見つからないものだ。
がっくりとうなだれて(まるで稲穂よろしく)宝珠山を後にする。
その後は小石原でススキを撮ってみるが、急激に冷え込んで霧とも雲とも区別がつかないようなガスが発生。
天頂付近は見事な快晴なのだが、自分が撮りたい低空はまるで撮影にならない。
仕方なく嘉麻峠を下り、嘉穂の田圃に降り立つ。
ここなら雲の影響も少なく撮影に問題ないと判断し、とある花と秋〜冬の星座を組み合わせて撮ってみる。
とある花…昨日、一昨日は蕾だったが今夜は五部咲き…明日には満開になるだろう。
今日はあくまで実験程度の撮影にとどめ、現場を後にした。