「日本Sフライ級王座統一戦」(25日、東京ビッグサイト)
敵地で主役の座を奪う。日本スーパーフライ級王座統一戦の計量が24日、東京都内の後楽園ホールで行われ、正規王者・中広大悟(29)=広島三栄=は、リミットを100グラム下回る52キロでパスした。防衛戦をアウェーで行うのは初めてだが「メーンを食うぐらいの気持ちでいく」と、暫定王者・佐藤洋太(26)=協栄=を相手に、ド派手なKOで4度目の防衛を果たす意気込みを示した。
◇ ◇
肌のつや、血色の良い顔が完ぺきな仕上がりを表していた。中広は約6キロの減量を乗り越えて、計量を一発パス。広島唯一の日本王者は、4度目の防衛へ最高の仕上げを施した。
右手親指の腱を断裂した09年12月の3度目の防衛戦以来、9カ月ぶりの復帰戦は、防衛戦では初のアウェーとなる。しかし、舞台設定は最高だ。WBAフライ級王者・亀田大毅(亀田)と元王者・坂田健史(協栄)の世界戦直前のセミファイナルで行われる。
目立ちたがりを自任する正規王者は「今はすごく元気。メーンを食うぐらいの気持ちでいく。『悪者見参』ぐらいでいきたい。やってみないと分からないけど、それ(KO)ができれば一番いい」と余裕の笑顔。防衛戦で初のKOを決め、世界戦以上のインパクトを残す決意だ。
東京での試合は、08年12月17日の日本Sフライ級王座決定戦(後楽園ホール)で経験済み。環境への不安はない。
暫定王者・佐藤とは、計量後に少し言葉を交わしただけだった。「好青年だなと感じた」と挑発することなく、印象を語った。その後は試合前日の恒例で、好物のパスタを食べて英気を養った。新谷会長は「今回は落ち着いているね」と手応えを感じている。
当日は地元の三次市から村井市長らが多くの応援が駆けつける予定。中広は熱い思いと、多くの期待を背負い、9カ月ぶりのリングに立つ。