世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ12回戦(25日・東京ビッグサイト)亀田大が因縁の相手である坂田の挑戦を判定で退けた。プレッシャーがかかる初防衛戦をクリアした要因は、冷静な試合運びだった。
3回、挑戦者は偶然のバッティングで右目の上からおびただしく流血。と同時に、激しく攻勢をかけてきた。しかし亀田大は無用な打ち合いを避け、決定打を与えなかった。
特に目についたのが9回以降の左攻撃だ。ストレートのようなジャブで機先を制し、坂田から確実にポイントを奪った。うまさが光った。
約3年前が思い出される。内藤大助に挑んだ初の世界戦は反則のオンパレード。揚げ句の果てにキャンバスにたたきつける大失態も演じ、世間の厳しい目にさらされた。
試練を乗り越え、難敵の坂田を文句なく突き放した。亀田大の成長を見る思いがした。
大橋秀行・日本プロボクシング協会会長の話
「大毅が成長していた。坂田をよく研究し、足を使ったりとうまかった。坂田は手打ちになり、連打の威力が出なかった。」