笑っていいともに因縁　アルタに落書き

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　フジテレビ系バラエティー番組「笑っていいとも！」（月～金曜日、正午）の生中継会場「スタジオアルタ」が入るビルに、同番組への脅迫的落書きを繰り返したとして、警視庁新宿署は２４日までに、威力業務妨害容疑で３７歳の男を逮捕した。番組内の観覧客１００人アンケートコーナーを「やらせ」と一方的に思い込んで怒りを募らせ、壁面などに「ゆるさん」などと計２２回も落書き。同コーナーに出演したＡＫＢ４８まで攻撃対象にしたり、爆破予告のような言葉まで書く屈折ぶりだった。

　逮捕されたのは埼玉県坂戸市、アルバイト徳永匡（ただし）容疑者（３７）。逮捕容疑は６月下旬～８月下旬にかけ、東京都新宿区新宿３丁目の商業ビル、通称「新宿アルタ館」の屋内階段の壁面などに、１０日にわたって計２２回落書きし、ビル管理会社の業務を妨害した疑い。容疑を認めているという。

　新宿署によると、徳永容疑者は「笑っていいとも！」の視聴者。しかし、同番組内の「１００分の１アンケート」というコーナーを「やらせ」だと一方的に思い込み、怒りを募らせていたという。同コーナーは、その日のゲスト出演タレントが観覧者１００人にアンケートをし、該当者がぴたり１人だけだった場合、そのタレントに携帯ストラップなどのプレゼントが渡される内容。

　該当者が１人になった日の放送終了後、同番組を収録している「スタジオアルタ」が入る同ビルに出向き、落書きをしていたパターンが多かった。油性ペンで「１００人アンケやらせゆるさん」「アンケのやらせボクメツ」などと書いたり、「次１人出たらバクハツ」などと爆破予告とも受けとれる言葉もあった。

　また、８月１９日にＡＫＢ４８の「チームＡ」が出演し、「広島・大阪の両方のコンサートに来てくれた人は？」というアンケートで該当者が１人だった時も、直後にアルタへ向かい「ＡＫＢボクメツつぶす」などと６カ所に書いたという。徳永容疑者は調べに対し「『１００人アンケート』は不正でやらせなので許せなかった。やらせをやめさせるために落書きした」などと、コーナーを中止に追い込むことが目的だったという趣旨の供述をしているという。

　新宿署では防犯カメラの映像などから徹底捜査。男を絞り込んでいたところ、９月１９日夕、落書きしていた徳永容疑者をビル警備員が取り押さえ、同署はまず器物損壊容疑で現行犯逮捕。２２日にあらためて威力業務妨害容疑で逮捕した。

　徳永容疑者は独身で家族と生活。イベント現場での準備作業スタッフのアルバイトをしており「ごく普通のおとなしそうな雰囲気の男」（捜査関係者）という。フジテレビ豊田皓社長はこの日の９月定例会見で「（やらせは）ないと信じている」とコメントした。

　［2010年9月25日9時25分　紙面から］