コンタクトレンズ(CL)購入者の検査をする眼科診療所(CL診療所)の不正を見逃す見返りに、現金を受け取った疑いが強まり、大阪府警捜査2課は25日、厚生労働省の国際年金課課長補佐(当時は医療課特別医療指導監査官)の住友克敏容疑者(50)を収賄の疑いで逮捕した。また、主に関西でCL販売店を展開する「シンワメディカル」(大阪市中央区)の役員、佃章則容疑者(55)らを贈賄容疑で逮捕した。
CL診療所を巡っては、医師の名義貸しや診療報酬の不正請求などの不正が相次ぎ、厚労省が指導・監査を強化していた。
捜査関係者によると、住友容疑者は特別医療指導監査官だった数年前、シンワ社が販売店に併設するCL診療所の不正を見逃し、見返りに現金を受け取った疑いが持たれている。医療指導監査官は全国の地方厚生局(旧社会保険事務局)が監査した医療機関のうち、より悪質なものを監査・指導する立場で、「医療Gメン」とも呼ばれる。住友容疑者は04~08年、特別医療指導監査官を務めた。
民間調査会社によると、シンワ社は97年設立。「アイスペース」というブランドで関西や四国に約20のCL販売店を展開し、店に隣接する形でCL診療所を設置している。【生野由佳、松井聡】
毎日新聞 2010年9月25日 23時35分(最終更新 9月25日 23時47分)