注意書き
・この作品は、作者が考えたオリジナルファンタジーな世界でクロスオーバーしたキャラ達とオリ主が旅をする物語である
・クロスオーバーは技だけ武器だけ能力だけと言うこともあるので注意
・登場人物の大半はオリキャラです。オリ主とクロス先のキャラに関してはオリジナルな世界に放り込まれる形にあるので
・クロスオーバーする作品の世界観や設定などはそれぞれのキャラのスペックやら能力以外ことごとく無視します。
・もちろんですがキャラ崩壊に注意してください
では本編スタート
~プロローグ~
俺はこの平凡な一日が楽しかった。
俺の周りの奴等は言う。 「二次元が恋しい」「この世が詰まらなくて生きていくのが辛い」
何を言ってるんだおまえ等は。
考えて見ろ? 某ツンツン頭の主人公みたいにシスターが空から降ってきたらどうする? ベランダに引っ掛かってたらどうする?
普通は驚くだろう、何だこいつはと警戒するだろう、下手したら幽霊と勘違いして絶叫してしまうかもしれない。
順応出来るのはごく一部だけだ。だが、ここまではまだ許容範囲だ。
更にその後の展開。ビリビリが、不良神父が、自称18歳が、最強野郎が来たらどうする?現実は物語のように甘くない。
一般人はビリビリのとろこででもうリタイアするだけだ。あの電撃から逃れられる気もしないしな。
まぁつまり俺が何が言いたいのかと言うと二次元の出来事が実際に起こったら、ろくでもないことしかないと言うことだ。
ちなみに上の例えは俺の愛読書たる作品の登場人物を使った。分かりやすかったろう?
それにだ。
物語みたいに、一般人は主人公になれない。
例え、どんな非常識なことに遭遇しても、通り過がりの人Aか被害者Aのどちらかになるかのオチしかない。
封印された右手とか、暴走する邪気眼とか、そんなご都合主義な展開が起こったり秘められた真実がある訳じゃないんだ。
だから全て所詮は夢、人々の娯楽の為に考えられた空想、もしくは妄想だ。実際に起こると言うことを願っていけない。
それらは夢として、空想として妄想として、アニメで、小説で、ゲームで、動画で楽しめばいいのさ。
俺はそうする。実際に起きることより第三者の目で見た方が好きだしな、俺は
だが、皆は疑問に思ってないか? この小説の題名(メタ発言)や、俺の最初の台詞(俺はこの平凡な~)が過去系と言うことについて
ええ分かってます、分かってますとも。皆はこう言う語りの後の展開が手に取るように分かるって言うんだろ。
ああ認めたくなかった、認めたくなかったさ。だってあり得ないだろう。
何で人々の妄想の塊と言うべき事態に巻き込まれているんだ。
何で俺は通り過がりの人Aじゃないんだ。この状況では在る意味俺は被害者Aかもしれないが、明らかにそんな単純な役割と言う訳でもないし。
よし、とりあえず今の俺の現在位置を説明しよう。スキマです。
隙間ではなく、"スキマ”です。
もう、浮いてるのか飛んでるのか立ってるのか倒れてるのか全く分からない感覚と目やら口やらが周囲に浮かんでるみたいに見える灰色の空間が気持ち悪い。
すぐにでも抜け出したい。
だが
「こんにちは」
その一言とともに目の前に現れた女性。この人を見て驚いた、まぁ今俺がいる空間からして予想出来たが
そう、弾幕ゲーである「東方」の知識を持つ俺が見間違える筈もない容姿の女性だった。
八雲 紫である。
ババァなどと言われ、加齢臭じゃない少女臭だなどと言われてるこの人だが
なるほど、ありえないほどの美少女だと俺は思った。
いや、流石に美少女の表現は似合わないか。言うなれば美女。
元々口下手故にどう表現すればいいのか分からないが……
古の中国にて、為政者が現を抜かして、国を滅ぼしかねないほどの美女がいたと言う。
傾国の美女とは、そんな物いないだろうと俺は思ったが今の目の前に立っている八雲紫ほどの美しさなら傾国の美女と言われても納得がいく。
……ん? 少し分かりにくいか。いや、でもこれ以上上手く説明できないしなー…まぁ世界史に、特に古代中国が詳しかったら大丈夫か。
しかし、まさか実物でもここまでとは思わなかった。所詮は二次元だけ、と言う訳ではないらしい。
「あら、どういたしました?」
「え…あ、いやちょっとな」
「ふふ、突然のことですもの。驚かれるのも無理ありませんわ」
ふとした気恥ずかしさに、愛想笑いを浮かべながら頭を掻く俺。この時ほど自身がみっともなかったなーと思ったことはない。
まぁ男なら仕方がない、と言うことで許してもらおう。絶世の美女でスタイルもかなり良かったら見惚れるのも普通だよな?
ほんと、八雲紫の存在はこの世の全ての女性も真っ青だ。いや待てよ、すると幻想郷もあるとして…更に美少女がいると言うのか!? 博麗霊夢が! 霧雨魔里沙が!
待て待て、まずは落ち着こうか、俺
バカみたいに(実際バカなのだろうが)一旦脳内フル稼働状態から冷却作業に入っている俺に対し、八雲紫は手に持つ傘を差しながら優雅な足取りで俺の目の前まで歩み寄ると、微笑みながら彼女は言った。
「おめでとう。あなたは幾つもある"オリジナル”の世界から選ばれた、たった一人の"主人公”ですわ」
はははは、主人公かー……俺がか?