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【鉄道特集】

国内最古、JR半田駅の「跨線橋」残った

2010年5月7日

電化後も使われる方針になったJR半田駅の跨線橋。いまはディーゼル車両がくぐり抜ける=愛知県半田市御幸町で

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 今年で築100年を迎え、国内で最古とされるJR半田駅(愛知県半田市御幸町)の跨線橋(こせんきょう)が、武豊線の電化後も残されることになった。鉄道ファンからは取り壊しを心配する声が上がっていた。電化によって跨線橋はJR東海の高さ規定に引っ掛かるものの、同社は安全措置を講じるとの例外規定を使って柔軟な対応をする。

 武豊線は、東海道線を含めてもJR東海の路線で最も古い1886(明治19)年に開通した。跨線橋は1910年11月に設置され、鉄骨造りで屋根までの高さ8・5メートル、長さ14・6メートル。国内では、移設した跨線橋を除くと最古という。

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 国の省令はレールから一定の範囲に建造物を設けないよう求めており、これに基づき各社が独自に社内規定を設定。高さについてJR東海は、ディーゼル車が走る区間は4・3メートル、車両上部にパンタグラフが付く電車は5・7メートル(跨線橋は4・9メートル)とする。

 半田駅の跨線橋は下面までの高さが約4・65メートルで、25センチほど基準を満たしておらず、JR東海は2015年までの武豊線の電化実現を目指す中で対応を検討していた。

 この結果、社内規定については「運行上の安全措置を講じた場合はその限りでない」とあり、クリアできると判断。パンタグラフと電線の接触による火花で一部木造の跨線橋から出火しないようにするため、跨線橋から離して電線を張るとともに、跨線橋の下面に保護板を張って安全を確保することにした。

 武豊線の電化計画が明らかになってから、跨線橋の取り壊しや移設を心配する声が鉄道ファンらから相次いでいた。

 今後、この跨線橋独自の基準を設定し直し、国の認可を受ける必要があるという。

 

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