葬儀、簡素化進む…11年で3割、124万円の費用減
葬儀の費用総額は平均242万3000円で、1999年に比べ100万円以上も減少しているという調査結果がまとまった。
調査は冠婚葬祭の互助組織、くらしの友(東京)が7月に実施した。葬儀に関する実態をインターネットで調査、対象は関東1都3県在住で、2009年8月から10年7月までに喪主か喪主に準ずる立場で葬儀を行った40歳代以上の男女400人。
それによると、葬儀の費用総額は242万3000円で、内訳は葬儀業者への支払いが124万円、お寺に要した費用(戒名料・お経料含む)52万6000円、会葬者への接待費65万7000円。費用総額の平均金額は前回調査(99年)に比べて124万4000円(33・9%)減少した。
葬儀費用を何で賄ったかを二つまで挙げてもらったところ、「故人の預貯金」(60%)が最も多く、次いで「家族の預貯金」(44%)、「香典」(23%)の順となった。前回調査と比べると、「家族の預貯金」が5・1ポイント増え、一方「香典」は14・8ポイントの大幅減。家族葬など小規模な葬儀が増えていることが影響しているとみられる。
通夜・告別式の会葬者平均延べ人数は118・4人。99年の209・6人から、ほぼ半減した。
葬儀の形式では、親族のほか、近所や故人が勤めた会社関係者らも参列する「従来型」が最も多く44・3%。99年の調査では形式についての質問はなかったが、従来型は8割程度行われていたとみられ、縮小傾向にある。
一方で、家族や親兄弟、親族だけの葬儀が24・3%、友人らも参列する比較的小型の葬儀が22・5%、家族だけの葬儀が9%で、合わせると半数を超え、小規模化が目立っている。
くらしの友総合企画部長の仲山正巳さんは、「家族だけで行う『家族葬』は10年前は一般化していなかったが、今回の調査で広がっていることがわかった。葬儀の簡素化が進んでいることが費用面などからうかがえる」と分析している。
調査は1977年から99年まで約3年ごとに実施されていた。今回は11年ぶりの調査で、葬儀の形式が多様化するなか、葬儀に関する意識の変化などを探った。
(2010年9月24日 読売新聞)
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