世界宗教者平和会議(WCRP)40周年記念の公開シンポジウムが23日、京都市左京区の国立京都国際会館で開かれた。イスラム教、仏教、神道などの代表者が平和な社会構築への宗教の役割を語り、相互理解を深めた。
「日本の宗教とイスラームとの対話」をテーマに約400人が参加。20~22日にWCRP日本委員会が主催した「イスラーム指導者会議」の成果などを発表し、真理と正義に基づく寛容・中庸を重んじるイスラム教への正しい理解を呼びかけた。
アジア宗教者平和会議のディン・シャムスディーン実務議長(インドネシア)は「イスラム教徒の中で過激派はごく少数。イスラムの教えにテロを生むものはない」と強調。イラン国文化コミュニケーション・イスラーム宗教間対話センターのムハンマド・フセイン・ムザッファーリ所長も「イスラムという言葉は平和を意味する。すべての宗教の使命は人類の幸せを求め、安定を作ることだ」と述べた。
櫻井治男・皇學館大教授は「神道は和を重んじる信仰として、福祉社会の基盤形成に役割を果たしてきた」と発言。全日本仏教会の戸松義晴事務総長も「仏教における慈悲とは行動すること。平和についても日々の生活の中から実践したい」と述べた。【野宮珠里】
毎日新聞 2010年9月24日 地方版