沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で中国の漁船と海上保安庁の巡視船が衝突し、漁船の中国人の船長が逮捕された事件で、船長が処分保留のまま釈放されたことについて、現場海域に近い石垣市の中山義隆市長は、日本政府に、漁業者の権益を守る措置をとるよう求めていく考えを示しました。
今回の事件で、漁船の中国人の船長が処分保留のまま釈放されたことを受けて、石垣市の中山市長は、市役所で25日、市の幹部らと今後の対応について協議しています。中山市長は、これに先立ってNHKの取材に応じ、「船長が処分保留のまま釈放されたことが、日本の領海内で不法に操業しても処分されないという前例になってはならない。観光や経済の問題と法律の問題は別のもので、なぜ処分保留にしたのか政府に説明を求めていきたい」と述べ、強い不快感を示しました。そのうえで「尖閣諸島周辺の海域は日本の漁業者も操業する漁場なので、地元の漁業者の権益をしっかり守る措置をとるよう日本政府に求めるため、市として声明文を発表するか意見書を出すことを検討したい」と述べました。