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白鵬59連勝!あるぞ「60連勝V」

 魁皇(右)に強烈な張り手を見舞う白鵬(撮影・出月俊成)
 魁皇(右)に強烈な張り手を見舞う白鵬(撮影・出月俊成)

 「大相撲秋場所12日目」(23日、両国国技館)

 横綱白鵬が60連勝の大台に王手をかけ、優勝に前進した。大関魁皇を寄り切り、初日から無敗を守った。14場所連続の12勝以上は史上初。初場所14日目から続く昭和以降歴代2位の連勝記録を「59」まで伸ばした。大関琴欧洲が栃煌山に敗れ、3敗に後退。13日目に2敗の平幕嘉風と豪風が敗れ、白鵬が大関把瑠都を下せば、自身初の4場所連続優勝が決まる。かど番の魁皇は6敗目を喫した。

  ◇  ◇

 館内が異様な熱気に包まれた。魁皇を応援する大歓声が、仕切りのたびに高まっていく。まるでアウェーのような雰囲気を、白鵬は表情一つ変えずに受け止めた。

 立ち合いから突き放し、厳しい攻めで追い立てる。素早く左を差して組み止めると、相手にまわしを与えず寄り切った。盤石の相撲で59連勝を飾った横綱に、称賛のため息と大きな拍手が降り注ぐ。取組前とは一変した館内を満足げに見やりながら、気持ちよさそうに花道を引き揚げた。

 初場所13日目に魁皇に敗れた直後に連勝がスタート。“因縁”の相手を下し、「それも一つの思い出」と笑みを浮かべた。

 初日から12連勝とし、16度目の賜杯に大きく近づいた。13日目に優勝が決まれば自身3度目で、千代の富士の4度に次ぐ歴代単独2位となる。12勝以上は08年名古屋場所から14場所連続で、貴乃花を抜いて歴代トップに立った。59連勝は明治時代の横綱・初代梅ケ谷を抜いて歴代単独3位だ。

 取組を終えるたびに記録を塗り替え、すべての記録が“白鵬色”に染まりそうな勢い。次々と歴史上の大横綱を掘り起こしていく姿は、メジャーリーガーのイチローに似ている。そう言われると、「向こうは何年前の選手?こっちは江戸時代だよ。相撲とは比べものにならないよ」。1782年に63連勝を記録した横綱・2代目谷風を例に出し、一笑に付した。

 前日に対戦相手の支度部屋を訪れた付け人が、この日、協会から口頭で注意を受けたが、「終わったことですから」と意に介さず。「千秋楽まで元気な姿で土俵に上がる。結果が良ければそういう形で終わる」。目の前の一番に集中して、最後まで白星を連ねていく。

(2010年9月23日)
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