September
23
2010
工場整備、そしてシステム整備を継続中の弊社ですが、休日ということもあり、リアルな様子をご紹介します。日本で唯一と言っても過言ではない、PCケース製造の専門ユニットとして、「コンパクトであっても理想の工場」を作ろう!ということで、連日葛藤の続く弊社ですが、メーカーですから、「工場=信頼」だと思っていますので、ここでは一切妥協してはいけないと思っています。あと10日ほど完全整備までには、時間がかかると思いますが、お客様にリアルな姿をご紹介しようと思います。
まずは夕闇せまる弊社エントランスの様子です。本日は雨で夕闇が早くファインダーにライトがにじんでますが、なんとなくいい感じ!日々草とコリウスの鉢植えでお客様を出迎えます。ちょっとした草花は全部、女房の趣味。殺伐とした工場のイメージを何とか変えたいと、毎週日曜の度に、手入れは欠かしません。
お客様や社スタッフの気分が少しでも和らげば・・・こういう演出は本当にうれしいものです。(女房に感謝!)
では、ようこそ、星野アイエヌジーへ。ここは日本で唯一のPCケースの殿堂です!
二重扉となっているエントランスに入ると受付の電話があります。このウエイティングスペースからは、工場の内部が見渡せるんですね。以前は、とてもじっくり見ていただくことはできないほど、雑然としていましたが、今ではなんとなくウキウキとした気分で、覗いていただけるだろうと思っています。この部屋にも、ちょっとした草花が並んでいてい、結構和めるスペースとなっていると思います。もう少し、WiNDyらしい演出があると、いいのですが、それはおいおい準備してゆこうと思っています。
ウエイティングスペースの反対側には、お待ちいただけるチェアが2脚用意してあります。(笑)
エントランスを通過すると受付テーブルが。でも残念ながら可愛い受付嬢は・・・・。このあたりの整備は、最終整備の課題の一つになっています。
入って最初に見える景色がこの写真です。ここはカスタムパーツ、ケース付属部品の製作、管理を一手に行っているエリアで、手前のテーブル付近では、工場ミーティングが行われたり、取引業者様との伝票のやり取りや小さなミーティングなどがすぐに出来るように工夫してあります。また、工場で必要な図面なども、すぐに取り出せるようなCAD端末を配していますし、調達パーツの受け入れ管理なども行う重要なスペースです。
エントランス正面奥には、撮影室がありますが、通路を挟んで上記スペースと反対側には、コンプリートPCの修理やカスタマイズ、製作を行うコンプリートPC製作エリアがあります。ハードディスクライターや各種チェックプログラムが準備されていると同時に、高価なパーツ類が集中して管理されている重要なスペースとなります。このスペースと2Fの開発室が連動して、各種実験や検証も行います。細かな検証作業、開発作業は開発室で行いますが、そこだけは残念ながらお見せすることはできません。
さて、工場中央の大シャッターを挟んで、出荷準備エリアの様子です。工場南側にはズラリとカスタムパーツの完成品が集中管理され、ケースと同時にお求めいただいた場合の同梱出荷や単品出荷に備えて管理・準備されています。
すでに着色したパーツ類が分類され、いつでも出荷できる体制となっていますが、このエリアだけで取り扱い部品点数は約250種もあります。こういう部分が管理の腕の見せ所!?すべてデータ管理されているのは言うまでもないですね。準備万端といったところです!
ここは部品管理エリアです。ケースに使われるアルミ部品が機種ごとに分類され、いったんはこのラックにすべて格納されます。この管理が今回の工場改革の非常に大きなウエイトを占めた部分で、現在約600種の専用パーツと50種類の汎用(標準パーツ)が、体系的に管理されるようになって、作業効率は飛躍的に工場しました。極端な例ではないですが、たとえばWiNDyラインナップ中最も複雑な組み立て工程を必要とするALCADIA FX2000 R4JVの例で言うと、従来組み立て工数の約1/3で一台が完成するようになりました。
このことからも、いかにパーツを体系的に徹底して管理することが重要なのか、十分に理解できると思います。現在ではまだ1/2くらいの管理進捗ですが、近い将来には全部パーツを(品質まで)完全管理して最上のPCケース製造ユニットとしたいと思っています。
第二次計画でコンピュータ管理による収納を予定している完成シャシーの仮置きエリアの写真です。この管理が今回の工場改革の総仕上げであり、シャシー管理と着色カバー類の管理を結び付け、バリエーションを犠牲にしない全品即納体制を作り上げるというのが最終目標になっています。
現段階では、常時保有完成シャシー数は約300本。これが1カ月に数回転しても余裕で対応できるシステムには、やはり徹底的な管理運用が不可欠ですね。
この基本部分がシステム連動でしっかりと運用出来れば、たとえ規模が拡大しても大丈夫なんです。とはいうものの、それなりの難しさはあるのですが、いよいよ私のケース人生の総仕上げということで、張り切っています。やはり、WiNDyは、最強のケース製造ユニットでなくてはいけません!
ケース本組みエリア内のモニターです。ここに限らず工場内には各エリアに端末とモニターが設置され、生産管理システムから製品の仕様や付属品など、細かいデータが取り出せるようになっています。
工場の一貫したテーマの一つにペーパーレス化があります。もちろん、当日の出荷品一覧やチェックリストは、日々で配布していますが、8割以上のデータはシステム端末で確認するようにしています。小さな規模であっても、今の工場というのは端末ナシでは考えられない時代ですね。こういう部分もいままでバリエーション化対応を実践してきた結果ですが、今回は情報だけでなく完全に業務との一体化がテーマです。
今回工場内の整備を行った結果、基本的な目標であった「塵一つないフロア」は、ほぼ達成出来ていると思います。工場内のすべてのエリアで、フロアの清掃作業は始業時、終業時だけでなく、業務時間中でも繰り返し行われています。クリーンな工場とそうでない工場とでは、あらゆる部分で明確な差が出ます。これはどんな現場でも共通したことで、製品の品質はもちろんですが、作業の正確さや効率、そして何よりもスタッフの気持ちが非常に前向きになることで、大きな差が出てくるわけです。
星野金属やソルダムの自社工場に最も欠けていた部分がここで、そういう部分が累積して徐々に不自由になったことは明白です。「整理・整頓」という看板を随所に掲示して、幾度となく指導を行いましたが、腰折れ状態。もっと徹底的にやればよかったと今でも思いますが・・・。アイエヌジーではスタッフの意識がここ数カ月の間に、著しい変化を遂げました。いろいろありましたが、いまでは何時如何なる時でもクリーンなフロアは維持されています。基本中の基本ができるようになった。ここが非常に大切なんですね。
工場だけでなく2Fの管理エリアも変わりつつあります。まず、開発室横のレストエリアから。ここにはショーケースが並んで、いくつかWiNDyの歴史を展示してありますが、来週には「WiNDy NOW」というテーマで最新のWiNDy製品を展示してゆこうと思っています。(開発室内部には相当数のケースコレクションがあるのですが、ここは部外者立ち入り禁止なのでお見せすることは残念ながら出来ません。)
今回、9月~10月の予定でシステムの大幅なリニューアルを行っています。昨年来手古摺りまくった弊社のインターネットシステムですが、如何せん現在の規模はあまりに膨大で少々大きすぎる重すぎるもの。これを何とかコンパクトに集約して運用しやすくするというのが今回の目的です。以前と比較して本数の減ったサーバー群。今回はこれを大きく集約してしまおうと考えています。
新しいシステムでも中核となるメールサーバーシステム。ELEBUSにすっきりと収納されたOLIEON初期型で3サーバーにまとめられています。こちらはすこぶる快調!
新システム移行のために用意したメインサーバーシステムは、もちろんALEXER VX2000 SUPREMERで!仮想サーバー技術を駆使して大幅に集約してしまおうというわけで、それだけにこのマシンは非常に高性能にふってあります。予定では10月15日を目処に新システム移行を行いますが、10月に入ると本格的に移行作業を行いますので、何度かシステムダウンさせなくてはいけないと思います。(ご迷惑をおかけいたします)。
工場を変える、会社を変える、というのは大変な作業です。特に歴史がある程度あったりすれば、慣習が障害になることもしばしば。しかし、やはり私も含めたスタッフの気持ちや考え方をどう変えていくかが最も大きな課題です。今回は、工場やシステムといった会社としてのハードの部分をご紹介したわけですが、こういうものを支えるのは100%気持ちなのです。大きく変えたいときは、目の前の出来ることからコツコツとやる。大きな変化とはその累積でしかないということを改めて思い知らされました。いま、弊社がようやく変わりつつある、変われる、というのは累積なんです。
年初に2010年はWiNDy(弊社)が離陸する年、と位置付けました。しかし、事態は思わぬ方向へ。外部環境も決して良好とはいえませんが、この夏大きく軌道修正が出来たことは、今後のWiNDyを決定付けると思っています。来週からはいよいよ新製品開発も含め、本格的に始動することになりますが、これからは、初心に帰れたことで、大きく前進出来ると確信しています。お客様へのサービスも落ち着いてくると、地に足を付けたしっかりしたものへと変わると思います。「お客様と共感できる製品づくり」という目標に向かって、また肩にあまり力を入れないで、伸び伸びと仕事ができて、面白い製品をたくさんご案内できたなら、WiNDyの次の10年を思い描くことができると思っています。
どうか従来と変わらぬご声援をよろしくお願い申し上げます。
Posted by hoshino | この記事のURL |