東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事
【芸能・社会】夏木陽介 がんで左腎臓摘出してた きょう「徹子の部屋」で告白2010年9月24日 紙面から
俳優でラリードライバーの夏木陽介(74)が5月に、悪性がんのため左腎臓の摘出手術を受けていたことが分かった。手術は無事終了し、経過は良好という。昨年7月には、軽い脳こうそくを患ったことも告白。夏木は一連の経緯を24日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」で公にする。 夏木の所属事務所などによると、最初に異変があったのは昨年7月27日午後4時ごろ。自宅のベッドで起きようとした際、右上半身が思うように動かなかった。その後、友人の元プロレスラー坂口征二(68)らとマージャンをしたが、パイをうまく握れず、積み上げたパイの山を崩したりしたことから、坂口らの勧めで病院に。言葉がうまく出ず、右手にまひもあり、磁気共鳴画像装置(MRI)で軽い脳こうそくと判定された。 この時は1週間のリハビリだけで入院はせず、順調に回復。昨年夏に岐阜・郡上八幡で行った映画「さよなら夏休み」の撮影も無事クランクアップした。 腎臓がんが発覚したのは今年3月上旬。もともと胆石の持病があったことからエコー検査をしたところ腎臓に影が見つかった。同月24日のコンピューター断層撮影(CT)で、左腎臓に約5センチの腫瘍(しゅよう)が発見された。「ステージIII」の悪性で、転移の可能性もあったことから摘出手術を受けることになった。 左腎臓を摘出したのは5月14日。手術、術後の経過とも極めて順調で、同25日には坂口から「きょう退院だね」と早速マージャンに誘うメールが届き、翌日には卓を囲む回復ぶりを見せつけた。この時のマージャンは「勝った」という。 現在は2週間に1回、細胞の成長を抑えるインターフェロンの注射を打っているが、7月には映画「森の歌が聞こえる」の撮影にも臨むなど演技に支障は出ていない。 「早期にがんを発見できてラッキーだった。ドクターにも恵まれた」と夏木。「今後もできる限り、多くの作品にかかわっていきたい」と役者魂は衰えていない。 「徹子の部屋」には、番組初期から出演し、24日の放送で10回近くになるという。今回、番組で告白を思い立ったのは、少しでもがんに苦しむ人々の支えになればとの思いから。黒柳徹子(77)とは「一緒に老人ホームに」と冗談を飛ばし合う仲で、「告白するなら徹子さんに」と決めた。夏木自身には「病気のことを商売にしたくない」という思いがあり、公式の告白は「徹子の部屋」での一回きりにするという。 10月上旬には俳優生活52年目を記念し自伝「好き勝手 夏木陽介−スタアの時代−」(講談社)も出版予定という。11月には高野山を舞台とするクラシックカーの祭典「ヴェトロモンターニャ」にも例年通り出場する。忙しい日々はこれからも続きそうだ。 夏木陽介(なつき・ようすけ、本名阿久沢有) 1936(昭和11)年2月27日生まれ。東京都八王子市出身。明治大経営学部卒。同大在学中にモデルとしてスカウトされ、58年「密告者は誰か」で主演デビュー以来、映画約120本、ドラマ約40本に出演。国際競技用ライセンスを保持し、85〜93年にかけ、パリ〜ダカール・ラリーに出場した。趣味は音楽鑑賞や水彩画など。
|