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【大リーグ】200安打へイチ歩前進!! 残り2安打で敵地ファンも大声援2010年9月24日 紙面から
偉業へイチ歩、前進だ。マリナーズのイチロー外野手(36)は22日(日本時間23日)のブルージェイズ戦で1安打を放って今季通算198安打とし、前人未到の10年連続200安打に残り11試合で2安打とした。ともにプレーオフ進出の可能性がないチーム同士の対戦のなか、日本人はもちろん、敵地ファンからも大記録達成がかかったイチローへ声援が飛んだ。 初対戦の新人ドラベクに3打席凡退して迎えた8回の第4打席。先頭のイチローが打席に立つと、スタンドが突然沸いた。日本人だけでなく、敵地のカナダ人ファンも口々に大声で叫び出した。「イチロー!!」「打てー、イチロー!!」。精いっぱいの声を張り上げ、偉業達成目前の背番号51を応援だ。 マウンドは2番手左腕のタレット。その歓声に応えて、フルカウントからの6球目、外角低めの140キロ直球を見事センター前へ打ち返した。今季のトロント遠征は今回が最初で最後。客席の両サイドから、通算198安打目をたたえる声援が上がったのは、心温まるシーンだった。 すでに両チームにプレーオフ出場の可能性はなく、観衆は1万2302人と少なかった。それでも、足を運んだファンは選手が一投一打に全力を注ぐところを見たい。この日は、球団記録を更新中で、今季49本塁打と両リーグトップのBジェイズ・バティスタが打席に立つたびにスタンドが沸き返った。もちろん、あと1本で50本への期待だ。イチローは試合後、こう言った。 「あるべき光景というか、ああやって、見ている人が楽しんでいるわけだから、いいですよね。プレーオフ(出場)に関係ないチームなんだけど、本来あるべき姿だと思うんですけどね」。自身も、メジャー記録を更新する10年連続200安打まであと2安打。一振り一振りがファンへのメッセージ。喜びを分かち合う瞬間は、すぐそこまできている。
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