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【プロ野球】

タカ奪首、Vもらったばい マジック2が点灯

2010年9月24日 紙面から

◆ソフトバンク9−3ロッテ

 細くて険しいミラクルの道が、一気に開けた。ロッテを倒し、試合後に行われた本拠地最終戦のセレモニー。秋山監督が固く誓った。「われわれがやるべきことは残り試合を全力で勝ち、福岡に戻ってくることです」。ゲームセットから5時間17分後には、吉報が届いた。ナイターで西武が敗れ、優勝マジック「2」が点灯した。

 1回に先制されたが、劣勢をあっさりとはねのけた。その裏、川崎の安打に、本多が試みた送りバントがコーリーのエラーを誘い一、二塁の好機をつかんだ。

 その直後、2005年の実数発表を始めた2005年以降最多となる観衆3万6714人がどよめいた。「あそこはチームのために最善の方法を考えた。打つより、2人を得点圏に送ることが優勝のためには大事だからね」。オーティズがロッテ時代の08年に記録して以来の送りバントを投前に決めた。

 コーリーに対して5打数4安打の好相性を買われ、前カードの西武3連戦で2発4打点の松中に代わる3番起用。24日には愛妻と4人の子どもが帰国する。ハッスルしたい気持ちを抑え、オーティズは個を捨てた。

 「コクボさんがやっているのに、やらないわけにはいかない」。18日の西武戦で見た主将の送りバントが脳裏に焼きついていた。今季、一番幸せな「アウト」になった。怒とうの12人攻撃。オーティズのバントが初回では今季最多のビッグイニングを呼び込んだ。

 「選手が状況に応じてベンチの意図とか自分の役割をそれぞれ理解してね。監督はベンチにどっかりと座っていればいいという野球が理想なんだ」。秋山監督にとって、目指すチームに近づきつつあることを実感した勝利だ。2位以上が決まっても満足なんてしない。25日にも決まるリーグ優勝へ、ラストスパートをかける。 (西口憲一)

 

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