「奇跡の劇場」に３２万人　愛媛、オリジナル作品上演

　愛媛県東温市の「坊っちゃん劇場」が演劇界で「奇跡の劇場」と呼ばれている。オリジナルのミュージカルを一年を通じて上演するという地方では珍しい手法だが、開館から４年半で来場者は３２万人を超えた。地元密着の題材に加え、行政の支援が成功につながった。

　劇場は松山市から車で約３０分の郊外にあり、２００６年４月に開館した。公演には秋田の劇団「わらび座」が協力している。これまで、瀬戸内のジャンヌダルクと呼ばれる戦国時代の武将鶴姫を題材にした「鶴姫伝説」などオリジナル５作品を制作、上演してきた。

　今年４月から上演しているのは、松山市出身の俳人正岡子規の晩年を描いた「正岡子規」だ。同市は、市内の小中学生が見に行く場合に教育事業として入場料と交通費を補助している。県外からツアーで来る観客も多く、８月までに３万４千人が訪れた。