ついにこの日が来たか、というのが実感だ。両者の公開練習を見たが、予想はますます難しくなった。若さと勢いを買えば王者の亀田、世界王座を4度防衛したキャリアなら坂田。予想は玄人でもちゅうちょする。それはスピード、テクニック、パワー、スタミナ、メンタルといったあらゆる部分で、長所と短所の評価を分け合うからだ。
長男・興毅とともに大阪から上京し、協栄に移籍した大毅は、ビッグマウスで注目された。と同時に、すでに協栄でエースだった坂田は脇役的存在に。今年7月の世界戦発表で、大毅は大まじめに坂田戦を「運命」と言った。坂田も「そう思う」と応じ、これまでの不満を押し殺した。その闘志に、並々ならぬ意気込みを感じた。
あえて言えば、若さで大毅がやや有利か。大毅が坂田対策に相撲のぶつかりげいこに取り組み、押し負けしないパワーを身につけた。しかし、坂田の老かいさも捨てがたい。17歳でジムの門をたたいたボクシング人生の集大成を見せてくれるだろう。 (格闘技評論家)
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