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【格闘技】内藤大助が大毅−坂田戦を大予想 いよいよ明日、因縁の決戦2010年9月24日 紙面から 元WBC世界フライ級王者内藤大助(36)=宮田=が“因縁の対決”を予想した。内藤はWBA同級王者亀田大毅(21)、元同級王者坂田健史(30)の両者と対戦経験がある。07年10月、大毅に大差判定で完勝。坂田とは01年7月、ドローに終わった。両者と拳を交わした唯一の日本人ボクサー、内藤が語る大毅の長所、坂田の恐ろしさとは−。 (森合正範) 大毅−坂田戦の下馬評は五分五分、もしくは「大毅勝利」の声がやや多い、といったところ。両者を知り尽くしている内藤はどう考えるのか。まずは大毅戦を振り返る。 内藤「すごいガードが上手だなあって。もっとパンチが当たると思ってた。長所はディフェンス。ああ見えて簡単にできない。練習量と才能だね。それに打たれ強い。何発いいのが入っても、ビクともしないから」 一般的に大毅といえば左フック、パワーに目がいってしまう。だが、内藤が驚いたのはディフェンスだった。では、攻撃面はどう映ったのか。 「左フック? あの〜、一発ももらってないので(笑)。僕だってキャリアあるからさ。攻撃にかんしては正直、まだまだだな、と思ったね」 あれから約3年。世界王者に上りつめた大毅の成長を認めている。 「キャリアも積んで、自信もあるだろうしね。僕とやった時より確実に強くなってる。勝つとしたらやっぱり左フックかな。急所に当たんなくても効くだろうね。坂田選手はあごを折って(骨折)、それほど打たれ強くもないだろうし…」 大毅戦からさかのぼること6年前。内藤は坂田の日本王座に挑戦。内藤26歳、坂田21歳の無敗対決。そこで坂田のすごみを体感することになる。 「タフでスタミナ、手数がある。うわ〜、まだ手が出るのかよって。後半になっても前へ出てくるし、手数もすごい。それに負けず嫌いだね。『絶対負けない』って気持ちが伝わってくるんだ。ボクサーで一、二を争う気持ちの強い男だよ」 坂田の課題は立ち上がりだ。最近の世界戦4試合のうち3試合で3ラウンド以内にダウンを喫している。内藤も4回まで1ポイントも与えなかった。 「僕は研究してたからね。坂田選手のエンジンがかからないようにしてたんだ。彼は1回から全開にできるんだよ。ただ、相手にキャリアや力があると、序盤抑えられてしまう。見どころは坂田選手が最初から飛ばせるか。大毅君がしっかり抑えるか、もっと言えば仕留めてしまうのか。序盤がカギになるなあ」 勝敗を左右するのは3ラウンドまでの攻防だ。“因縁の対決”ズバリ、勝つのはどっち? 「(熟考して)キャリアの差で坂田選手が有利な部分はある。でも、難しいなあ。最後は気持ちだね。引いた方が負ける。KO決着? 十分あるね。大毅君が左フックのワンパンチでスコーンと倒すか、坂田選手の連打でレフェリーが止める可能性だってあるよ」 再び頂点を目指す内藤。元WBC王者として、大毅−坂田戦の勝者に挑戦する意欲は…。 「ない、ない。オレはWBCだから。黒いベルト? 困ったなあ、そりゃ欲しいけど。ちょっと! 変なこと言わさないでよ。変な汗が出てきたよ(笑)」 内藤大助(ないとう・だいすけ) 1974(昭和49)年8月30日、北海道虻田郡豊浦町生まれの36歳。163センチ。幼少期に両親が離婚し、母子家庭に育つ。中学校でいじめられ胃かいようになる。高校卒業後、上京しボクシングを始める。96年10月プロデビュー。02年4月に世界フライ級タイトルマッチ史上最短の34秒KO負け。07年7月、ポンサクレックを3度目の挑戦で破り、WBC世界フライ級王者となる。09年11月、亀田興毅に判定負けで王座陥落。36勝(23KO)3敗3分け。右ファイター。
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