中国の河北省で日本人4人が許可を受けずに軍事管理区域に入り、軍事施設を撮影していたとして中国側に拘束されていることについて、北京の日本大使館は、中国政府に対して面会を求めていますが、これまでのところ回答はなく、引き続き、事実関係の確認を急いでいます。
拘束されているのは、日本の建設会社「フジタ」の社員2人と上海にある現地法人の社員2人のあわせて4人です。中国国営の新華社通信は23日夜、4人が河北省にある軍が管理している地域に許可を受けずに入り、軍事施設を撮影していたため現地の国家安全機関が詳しく調べていると伝えたほか、北京の日本大使館にもほぼ同じ時間に中国側から通報があったということです。4人は今月20日に拘束されて当局の監視下に置かれているということで、日本大使館では、拘束されたいきさつなどを詳しく聞くために24日、4人への面会を求めました。しかし、これまでのところ中国側からの回答はなく、日本大使館では、引き続き事実関係の確認を急いでいます。中国では、軍事関連施設のある地域への立ち入りが厳しく制限されており、日本人の旅行者が中に入って撮影するなどして取り調べを受けることはこれまでにもありましたが、中国のメディアが伝えることはほとんどありませんでした。しかし今回は、中国国営の新華社通信が23日夜、重要なニュースとして配信し、中国中央テレビもまもなく放送中の報道番組の中で伝えました。このため、中国の漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した事件で、中国人の船長のこう留が続いていたことに対する対抗措置ではないかという見方もあり、24日、船長の釈放が決定されたことで、4人に対する中国側の対応に変化が見られるのかどうかが焦点となっています。