誰の役にも立たない
人生なんて意味はない
Photo by Takahiro Kohara
私がこの考えを伝えようとするとき、まず、「みなさんにとって、最も重要なことは何ですか?」と質問をする。
すると、みんなは考える。そして、家族、成功すること、仕事、健康、その他いろいろな答えが返ってくるが、その中で、「私の」という言葉を最初につけた人は、正しい道を進んでいる。自分以外のことを考えた人は、どこか人生に自信がない人だ。そう、生きる目的がないということだ。
まずは最高の自分になること。そうすれば人のために何かができる。そして、最終的に自分という枠を超えて、人の役に立てるようになればいい。
誰の役にも立たない人生なんて意味がない。自分のことしか考えず、人のためには指一本動かさない人間はただの自分勝手だ。しかし、人を助けるために自分の力を蓄えるのなら、それは立派な行動だ。だから自分を優先させる。
ストレスのある暮らし、緊張した生活を送り、嫌な気持ちのままで、家族のために何ができるというのだろう?
愛する人や友達の役に立てるだろうか? 仕事で活躍できるだろうか? そのまま無理に突き進めば、最後には倒れてしまうことだろう。
本書(『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』)の読者が、そんな「現代の戦士」になってくれると私は嬉しい。
――では、「現代の戦士」として勝ち進むために、守るべきこととは?
それは、見えない力を手に入れるために、感覚を磨き、自分を捧げ、人として正しい行動を選び、深く物事を見つめること。状況を把握し、正しい戦略を立てること。欲しいものを手に入れて、自分で運命を切り開くこと。幸運をあてにせず、自分のものは自分で取りにいくこと。
人は生まれた瞬間から、自分の思いどおりにはならない。競争の連続だ。
2歳の子供でも、3歳の兄がいれば、ちょっとしたゲームやおもちゃを取り合って喧嘩を始めるだろう。車の助手席に座る権利にはじまって、あらゆることをめぐって競い合い、何をしても喧嘩になる。
一人っ子なら小さいうちは平和かもしれないが、学校へ行くようになるとすぐ、自分も列に並ばなくてはいけないことに気づく。何かを自分のものにするには、いつもポジション争いをし、優劣を競い、社会の中で競争し続けなくてはならないことを知るだろう。
競争に勝つためには、自分の強みを知り、世の中を理解する能力を身につけること。人が最初にしなければならないのは、それだ。
(第2回「現在の格闘技界と柔術の意味」は来週公開の予定です。お楽しみに!)
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「多くの人に気づいてほしいのは、実現する力は、誰もがすでに持っているということだ」
本書でヒクソン氏は、人生を通して自身が得たアイデアや教訓、問題の解決方法などについて熱く熱く語り、自分と同じような可能性をあらゆる人々が潜在的にもっていることを説いています。そのずし~んと響くヒクソン氏の言葉を是非ご覧ください。
またこの本は日本オリジナルの本です。ヒクソンさんが愛する日本読者に向けて多くの熱いメッセージをいただいています。