『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』出版連動企画
【第1回】 2010年9月23日
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400戦無敗!伝説の格闘家
ヒクソン・グレイシー SPECIAL INTERVIEW(1)
「大事なのは、勝つことではなく、
絶対に『負けない』ことだ」
~『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』(ダイヤモンド社)出版連動企画

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自分自身の幸せを求める
「現代の戦士」とは?

――では、正解はどこにあるのでしょう?

「私は、武士道を手放しで尊敬しているわけではない」
Photo by Takahiro Kohara

 私の考える「現代の戦士」とは、正しい行動を守り、求めるものを手に入れようとするが、それでも幸せになるという目標を忘れない男のことだ。

 自分自身の幸せを手に入れるという考えを、どこまでも追求する。

 幸せを求める他にどんな生きがいがあるというのだろうか。そして、幸せでないのに満足できるだろうか。私はそう思う。

 武蔵や、同じ哲学を持つ立派なサムライには、その満足しているイメージがないのだ。

――あなたの原点は宮本武蔵ではないのですか?

 なぜかそう誤解している人が多いようだが、武蔵という名前を聞くずっと前から、私は、武士道を守っていた。

 武士道について深く知り、素晴らしいと思うようになったのは、『Shogun(将軍)』(James Clavell著)という本を読んでからだ。実はサムライのことが理解できるようになったのもこの本のおかげで、武蔵の『五輪書(ごりんのしょ)』を読んだのは、それよりずっとあとのことだ。

 私が武蔵の本を読んだときの印象は、この人物には心がないということだった。

 闘いのために、勝利のために、ただ死なないことだけを目指して、淡々と生きる。勝つために試合を繰り返しながらも、まるで闘うために設計された機械のように、死を実感していなかった。

 だから、やはり共感はできない。

――闘う理由は「勝つため」ではない、と?

 私が闘ってきたのは、もっと大切なもの、たとえば家族を喜ばせるためだ。また、高い評価を得た自分の技術と持ち味を存分に発揮するためで、それが私の幸せだった。幸せを求めたからこそ、敵の前に立ち、闘いの場で多くの成果をあげて、伝説をつくってきた。

 私が敵を乗り越えようとしたのは、幸せという大きな目的を達成するためだったのだ。

 私は、武士道を手放しで尊敬しているわけではない。実はサムライのように無感覚でいるほうが、生きるのは簡単だし、自分を最優先しない生き方のほうが楽だと思う。

 しかし、世界の中心が自分でないなら、もはや自分の人生だとはいえないのだ。

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  • 第1回 400戦無敗!伝説の格闘家 ヒクソン・グレイシー SPECIAL INTERVIEW(1) 「大事なのは、勝つことではなく、 絶対に『負けない』ことだ」  (2010.09.23)
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『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』出版連動企画

400戦無敗・伝説の格闘家として、世界中にその名をとどろかせる、ヒクソン・グレイシー。彼が無敵を誇るようになった背景には、どのような考え方があり、いかなる原動力が働いていたのか。初の著書となる『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』(ダイヤモンド社)でも語られた、日本人や柔術への想い、闘うことをやめた理由、そしてこれからの人生や夢について……。全4回にわたって迫っていく。

「『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』出版連動企画」

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