サムライの時代はもう終わった
――日本人は、いつも何かに守られている感じがする、ということですね。
Photo by Takahiro Kohara
そうだ。だが、ここで批判的になるのはよそう。
ただ、理性だけでなく心の声にも耳を傾けてほしい。ときには心のままに行動してほしい。サムライの時代、敵にさえ尊敬を込めてお辞儀をしていた時代は、もう終わったのだ。
今や自由な国際化の時代だ。世界中の人が日本にやってきて、日本人もまた世界中に出かけていく。日本独特のしきたりにとらわれず、自分で体験し、人生を精いっぱい実感して生きるべきなのだ。
――日本人はこれからどのように考えて行動すればいいでしょう?
重要なのは、自分の人生が退屈なのかもしれないと認めること、そして、感情的、心理的、精神的、肉体的なレベルを高めるには何をすればいいのかを知ることだ。それが分からなければ、行動を起こすことなどできない。
仕事のことや家族を養うことばかりでなく、自分の気持ちをもっと考える。
それには何をすればいいだろうか。たとえば、筋肉をつける、いい体になる、もっと健康になる、ガールフレンドをつくる……。人生を楽しみ、人生に刺激を与え、自分の内側からあふれる人生の輝きと幸せを生み出すことができるなら、何でもいい。
――「武士道」については、どのように考えていますか?
宮本武蔵や武士道について、私の気持ちは昔から変わらない。武士道、そして日本文化にサムライが果たした役割には、深い尊敬と賞賛の気持ちを抱いてきた。しかし、自分を犠牲にして殿様に仕えるという武士の心構えについては納得できない。武士としての名誉以外には、何も残らないと考えている。
一方、バイキングなどの海賊は、武士とは正反対だ。他の国を侵略し、女性をレイプし、宝を盗む。楽しみのためだけに戦い、自分のことしか考えていない。逆に、武士は人として正しい行動をとったが、心を殺して幸せも目標も求めなかった。
私は、このどちらも間違っていると思う。