湯浅町でスポーツ店を経営していた船山欣一さん(当時、74歳)が95年に殴殺された殺人事件が23日、未解決のまま発生から15年を迎えた。15年だった殺人の時効は今年4月に撤廃されており、湯浅署はこの日、現場近くにある大型スーパー店前で、チラシ800枚を配り、買い物客らに改めて情報提供を呼びかけた。
事件は、95年9月23日午後0時40分ごろに発生。船山さんが同店で頭や顔などを木製バットで殴られて死亡し、犯人は逃走した。
県警は同署に捜査本部を設置し、延べ約3万人で、現場を中心に約950人から聞き込み捜査をするなどしてきたが、有力な手がかりは得られていない。
この日、同署員約10人が二手に分かれ、スーパー2店舗前で「殺人犯は逃がさないぞ!」などと書かれたチラシを買い物客らに手渡した。町内の主婦(58)は「事件のことは、今でもよく覚えています。時効が撤廃になったので、絶対に犯人を捕まえてほしい」と話していた。
林保秀・同署生活安全刑事課長は「時効撤廃をアピールするとともに、皆さんに当時の記憶をよみがえらせてもらえれば」と話している。情報提供は同署(0737・64・0110)。【山中尚登】
毎日新聞 2010年9月24日 地方版