24日午後、渦中の尖閣問題について、中国人船長が処分保留で釈放されたと報じられた。日本の報道とほぼ同時に中国側もこのニュースを速報で全国に配信した。これは事件についての両国の関心の高さを示している。写真は中国人船長釈放についての中国のネットニュース。

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<レコチャ広場>尖閣問題に見る中途半端な日本の外交
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2010年9月24日午後2時48分、日本のマスメディアは渦中の尖閣問題について、中国人船長を処分保留で釈放したと報道した。その1分後の2時49分、中国国営通信社である新華社が速報の形でこのニュースを全国に配信した。これは事件についての両国の関心度の高さを示している。

中国人船長を処分保留で釈放した理由について、那覇地検は「日本国民への影響や、日中関係の今後を考慮して」と説明。一方、中国新華社の記事では「不法に逮捕されたわが国の漁船船長に釈放が決定」と記載されており、あくまでも“日本側の行動は不法なもの”という姿勢だ。

今回の事件、これである程度は終結への進展があったと言っていいのだろうが、しかし不明な部分が多く、日中関係者ともに戸惑いを隠せない。

日本政府は事故当時、せっかくビデオを回していたのにも拘らず、それを公開するような素振りを見せていない。そして今回の船長の釈放は、中国・河北省石家荘市で、日本人4人が軍事管理区域に進入したとして拘束された件と関連性があるのだろうか。

領土問題をめぐっては長期的な方針が不可欠であり、漁師を拘束するという今回の措置についても、中国政府からの強い反発を予想したうえでの判断だったはず。それを覚悟して、「国益につなげるため」毅然と対応するなら理解できるが、今のままでは中途半端に終わってしまい、日本政府は外交に不得手としか評価できない。

結論から言うと、日本政府は今回の件で領土問題については確かに強くアピールできたものの、対中国と双方の認識の相違については何ひとつ成果を挙げぬまま、平行線で終わってしまった。当面はこの問題について棚上げし、両国関係を回復させるよりほかはなくなってしまった。小泉政権以来、双方の努力でやっと修復した日中関係はその成果をふいにしてしまい、しばらくは経済的にも大きな影響が出てくることだろう。(文/江川)
2010-09-24 18:03:04 配信

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