中国船船長の釈放決定 送還へ
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中国船船長の釈放決定 送還へ

9月24日 21時5分 twitterでつぶやく

沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で中国の漁船と海上保安庁の巡視船が衝突し、漁船の中国人の船長が逮捕された事件で、那覇地方検察庁は、船長を処分保留のまま釈放することを決めました。釈放の理由について、那覇地検は「わが国の国民への影響や日中関係を考慮すると、これ以上、身柄を拘束して捜査を継続することは相当でないと判断した」としています。中国政府のチャーター機が24日夜にも沖縄の空港に到着する予定で、船長は釈放の手続きが済みしだい中国へ送還されることになります。

これは、那覇地方検察庁の鈴木亨次席検事が、24日午後、記者会見して明らかにしたものです。この事件は、今月7日、沖縄県の尖閣諸島にある久場島の北北西の日本の領海内で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突したもので、漁船の船長の*セン其雄容疑者(41)が、立ち入り検査を妨害するために故意に漁船を巡視船に衝突させたとして、公務執行妨害の疑いで逮捕されました。船長は調べに対し容疑を否認しているということです。海上保安庁は取り調べを進めていましたが、那覇地検は、船長を今月29日のこう留期限を前に処分保留のまま釈放することを、24日、決めました。那覇地検の鈴木次席検事は釈放する理由として、「衝突された巡視船の損傷の程度が、航行ができなくなるほどではなく、けが人も出ていない。船長は一船員であり、衝突に計画性が認められない」としました。そのうえで、「わが国の国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上、船長の身柄の拘束を継続して捜査を継続することは相当でないと判断した」と述べました。鈴木次席検事は、「政治の判断があったのか」という質問に対し、「検察当局として決めたことだ」と答えました。また、「船長に確認すべきことがあるため釈放の手続きには時間を要する」としています。釈放の方針を受けて、24日夜にも中国政府のチャーター機が沖縄の空港に到着する予定で、船長は釈放の手続きが済みしだい中国へ送還されることになります。(*「セン」=「擔」のつくりの部分の文字)