PHPカンファレンス2010スペシャルレポート
1日目,ビジネスデイレポート[随時更新]
Don Mositeさん「Scaling the Worlds Largest Social Gaming Network」
ビジネスデイ最後のセッションは世界最大のソーシャルゲーム会社であるZyngaより,共同設立者のジャスティン・ウォルドロンさん,リードエンジニアのドン・モサイテスさんからスケーリングについての発表がありました。
始めに,共同設立者のジャスティン・ウォルドロンさんから,Zyngaのサービス説明とソーシャルゲームについて説明がありました。Zyngaは全世界で最も大きなソーシャルゲームプロバイダーで,全世界で毎月2億4600万人のユーザーがプレイしています。累計すると321,000,400人(世界のインターネット人口の10%)もの人が体験しているというのですからその規模の大きさに驚きます。米国では文化の一部としてジュースのメーカーとコラボレーションしてパッケージにキャラクターが印刷されたりしているそうです。facebookの人気ゲームランキングでは上位7つまでがZyngaが開発したゲームであり,米国では確固たる地位を築いています。
続いて,リードエンジニアのドン・モサイテスさんからZyngaサービスのスケーリングについて説明がありました。
ジャスティンさんからも説明があったように,かなりのユーザー数を持っているZyngaのインフラは負荷対策も重要な課題です。ソーシャルゲームという特性から,書き込みが多く,高度にインタラクティブなアプリケーションになっています。そのため,インフラストラクチャー・デザインは,自動でスケールするウェブサーバーとしてクラウド上に構築されており,サーバーの全部分が水平方向にスケールできるようになっています。
負荷のピーク時では一週間で1000サーバを追加することもあるといいますが,それが可能なのも全自動でスケールアウトできるような設計思想によるものです。また,複雑なAPIはラッピングして抽象化したり,BitTorrentの技術を使ってデプロイするなど,複数台サーバーを運用するためのユニークな取り組みも行っているようです。
また,データのストレージとしては,一時的なデータはMemcacheへ,持続的なDBはMySQLへと保存先を使い分けているようですが,独自に「Membase」と呼ばれる持続型Memcachedの仕組みをApache 2.0 Licenceで公開しています。高速アクセスができかつ信頼性が高いKVSとして,大規模アプリケーションのパフォーマンス改善に大いに役立つだろうとのことでした。
Membaseの他にも様々なライブラリを開発しており,今後も注目度の高い会社であることは間違いありません。
クロージング
ZyngaセッションのQ&Aから,そのまま流れでクロージングとなりました。
展示ブースもあります
会場の入り口には,スポンサー各社による展示も行われています。セッション間の休憩中などには多くの来場者が足を止め,担当者に話を聞いたり意見交換をしたりしていました。
左から,お名前.com,アシアル(株),(株)セキュアスカイ・テクノロジー,マイクロソフト(株)のブース。マイクロソフトさんは今回会場の無線LANも提供しています。
ゼンド・ジャパン(株),(株)手嶋屋のブース。
ニフティ(株)のブース。大きなモニター画面が来場者の目を引いていました。
明日は「テックデイ」を再び随時更新でお届けします。お楽しみに!