ぼやきくっくり

日本人は今、世界一、自分の国の歴史を知らない人たちになっている。自分の国の歴史を知らない人が、何で「国民」なのか。日本人の歴史を知らない人が、何で「日本人」なのか。(櫻井よしこさんの言葉)
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【速報】中国人船長 処分保留で釈放決定

 皆さん、おっしゃりたいこと山ほどあるでしょうから(私もある!)、急きょ新記事を立てました。

 もう……ほんとにねぇ……、溜息しか出ませんわ(´ヘ`;)ハァ
 
中国船船長 処分保留で釈放へ(NHK 9月24日 15時20分)
沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で、中国の漁船と海上保安部の巡視船が衝突し、漁船の中国人の船長が逮捕された事件で、那覇地方検察庁は24日、船長を処分保留のまま釈放することを決めました。釈放の理由について那覇地検は「わが国の国民への影響や日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を継続することは相当でないと判断した」としています。船長は今後、手続きが済みしだい釈放され、中国へ送還されることになります。

これは那覇地方検察庁の鈴木亨次席検事が24日午後、記者会見して明らかにしたものです。この事件は今月7日、沖縄県の尖閣諸島にある久場島の北北西の日本の領海内で中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突したもので、漁船の船長の*セン其雄容疑者(41)が立ち入り検査を妨害するため、故意に漁船を巡視船に衝突させたとして公務執行妨害の疑いで逮捕されたものです。海上保安庁は、セン船長を逮捕し、調べを進めていましたが、那覇地検は24日、船長を今月29日のこう留期限を前に処分保留のまま釈放することを決めました。那覇地検は、処分に保留した理由として「衝突された巡視船の損傷の程度が航行ができなくなるほどではなく、けが人も出ていない。船長は一船員であり、衝突に計画性が認められない」としました。そのうえで「わが国の国民への影響や、今後の日中関係を考慮すると、これ以上船長の身柄の拘束を継続して捜査を継続することは相当でないと判断した」と述べました。また那覇地検は「船長に確認すべきことがあるため釈放の手続きには時間を要する」としています。船長は手続きが済み、釈放されしだい中国へ送還されることになります。
*「セン」=「擔」のつくりの部分の文字

 「わが国の国民への影響や日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を継続することは相当でないと判断した」

 あーあ……、結局、中国の圧力に屈してしまったんですね。

 那覇地検にしてみれば、中国の圧力というよりは、「日本政府の圧力」に屈したってことになるんでしょうが。

 中国に厳しい(てか当たり前のこと言ってるだけだが)前原外務大臣が日本にいないうちに片づけてしまえ!ってことで、仙谷官房長官あたりが動いたんじゃないですか?

 仙谷さん本人は、「刑事訴訟法の意を体してそういう判断に到達したと報告を受けた。それはそれとして了としている」(時事9/24 16:24)と、まるで他人事のようなコメントしてますけどね。

 中国当局が日本人4人(「フジタ」社員)を「人質」にとったこと、やはりこれが引き金になったのでしょう。
 中国人観光客が減ることによる日本経済への影響、レアアースの日本への輸出停止など、ま、他にもいろいろあるんでしょうが。

 昨夜(9/23)遅く、日本人4人が中国河北省で軍事管理区域に侵入し、違法に軍事施設をビデオ撮影したとして中国当局に拘束された(朝日9/24)というニュースを聞いた時から、何か嫌な予感はしてたんです。
 時期が時期だけにめちゃ怪しいでしょ。

 日本のメディアは一斉に「報復措置ではないか」というふうに伝えましたが、中国側としては報復措置というよりは、日本人を「人質」にして、船長と交換しようって考えなんじゃないの?と。
 何せ中国側はもうこれまで必死でしたからね。

 件の中国人船長は、領海侵犯した上に、海保の巡視船(それも2隻)に故意にぶつけてきたんですから、しかも反省もしていないんですから、このまま行けば普通は起訴されるケースです。

 つまり船長は日本の国内法で裁かれることになり、となれば、「尖閣は中国領」と主張している中国側にとっては「あり得ない」状況になります。
 対外的にはメンツ丸つぶれ、国内的にも人民に説明がつかなくなります。

 だからもうなりふり構ってられない。人質作戦でも何でもやってしまうってことだったんでしょう。

 ちなみに、「軍事管理区域に侵入し、違法に軍事施設をビデオ撮影し、当局に拘束された」とか聞くと、何だか穏やかでない話だなと私たち日本人は驚きがちですが、実は中国などの共産国や独裁国では、こういうことで外国人が拘束されるのはよくある話だそうです。

 読売テレビの早朝の番組で、辛坊治郎さんが体験談を話してました。
 彼の場合は、中国ではないけども、昔、別の共産国に取材で行った時に、風景をビデオ撮影していたら、そこに軍事施設の門が映り込んでしまって、門までは50メートルぐらい離れていたそうですが、兵士がダーッと走ってきて、いきなり拘束されてしまったと。
 その時はビデオのテープを抜かれて、それですぐ解放はされたものの、こういうことはよくあるのだと。

 あと、どこで見たのか忘れましたが、これも早朝の番組で、中国で日本の観光客などが間違って軍事施設に入り込んでしまうのはよくあることで、兵士用の宿舎とかはパッと見、一般の施設と見分けがつかないんだとか。

 「ミヤネ屋」でも、日テレ解説委員の畑山さんって方が、中国ではこんなふうに外国人が拘束されるのはよくある話で、田舎に行くほど拘束されやすい、特にマスコミ関係者は多いと話してました。

 ただ、中国もそれをいちいち大っぴらに報道したりはしないんですよね。
 だから今回のような報道の仕方は異例で、まさに日本への圧力だったことを如実に語っていると思います。

 あと気になるのは、そもそも今回は「フジタ」社員4人だけで行ってたんじゃなくて、中国人スタッフ1人が同行してたと報道されてますよね。
 そりゃそうですよね。これから作る設備のために現場を下見に行くのに、案内役がいなければ分かりませんもんね。

 ところが、その中国人の行方が分かっていないという報道もあるんですね。
 ひょっとして、その中国人は当局とグルで、「フジタ」社員をわざと軍事管理区域に入るように誘導したとか、そういうことはありませんか?

 もうひとつ気になるのは、「フジタ」は、旧日本軍の遺棄化学兵器処理事業の関係企業なんですよね。つまり中国側から見たら「金づる」でしょ。
 だったら無碍な扱いはできないんじゃないの?慌てることないんじゃないの?と思うんですけどね。

 (ちなみに遺棄化学兵器処理なんてものに日本がお金や人を出してあげる根拠は全くないんです。長くなるのでここでは触れませんが。拙エントリー06/9/4付あたりをご参照下さい)

 ま、船長釈放が決まった今となっては、もうどーでもええわ……(´ヘ`;)ハァ

 あと、これも今となっては空しいことですが、いちおう書いときます。

 日本時間23日夜、前原外務大臣がニューヨークでクリントン米国務長官と会談、その中でクリントン氏が尖閣諸島について「日本の施政下の領域での武力攻撃に(共同で)対処する」とした日米安全保障条約第5条の適用対象になると明言したそうです(産経9/24)。

 ま、アメリカがそう言ってくれるのは心強いことですが、あまりアテにしてはいけないと思います。いざとなった時、本当に助けてくれる保証は何もありませんからね。

 そもそも尖閣諸島に対するアメリカの見解というのは、「日本の施政下にある」あるいは「日本の統治下にある」という言い方で、決して「日本の領土である」とは言わないんですよね。

 実際、クローリー国務次官補は「尖閣諸島の領有権が日中両国のどちらにあるかについて、米国は立場を明確にしない」としています。

 ジェームス・アワー氏(米海軍将校を経て国防総省日本部長などを歴任)も、「米国政府は伝統的に他の諸国の領土紛争には中立を保つ。だから尖閣の主権がどの国にあると公式に断定することはできない」とした上で、こう述べています。

 「尖閣諸島の保有に関しては日本自身が覚悟をせねばならないだろう。尖閣の主権をあくまで主張するならば、それを守る決意があることを示さなければならない。そのために戦う覚悟を示してこそ、初めてその領土への主権に正当性が得られるとさえいえるだろう。その点で日本政府が竹島に対してとっている態度は悪い見本となる」産経9/23

 あくまでも日本が、日本自身が、自分の領土は自分たちで守るんだ!って気概を中国、そして世界に見せなければいけないのです。

 改めてそう思っていた矢先だっただけに、このたびの船長釈放決定は本当に残念です。

 青山繁晴さんが9/22(水)の「アンカー」で「船長を不起訴にしたら、そこで日本の民主主義は死にます。アジアの民主主義を守る、育てていくのではなく、中国の圧力に屈する民主主義ってことが分かるから、もう僕は、日本の民主主義はそこで死に瀕すると思います」と発言されてました。

 船長釈放は、日中間だけでなく、今後アジア全体にも大きな影響を与えてしまうでしょう。その意味でも残念でなりません。
 てか、私は日本人の一人として恥ずかしい。

 やっぱダメでしょう、民主党政権……(T^T)
 日本の主権を守れない政権なんてダメですよ……(T^T)

 先ほどの「アンカー」で山本浩之キャスターも怒ってましたわ。
 「船長は弁護士もいらないと言ってて調べが進んでないのに、拘置期限までまだ日数もあるのに、検察が独自の判断で釈放を決められるわけがない」「菅政権は場当たり的な対応しかしてない」と。
 最後には「政権の体をなしていない」とまで言ってました。
 全く同感です(--)(__)


※拙ブログ関連エントリー
9/23付:中国政府の感謝状に「沖縄県八重山郡尖閣諸島」
9/23付:「アンカー」尖閣中国漁船衝突事件 日本vs中国 統治システムの戦い

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 もういちいち驚かないつもりでいたが。

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Comments

病院でミヤネ屋見てて愕然としました。三権分立はどうしたんだよ沖縄地裁!!民主主義は民主党によって殺されましたね。笑い話にもなりませんわ。
nanasix | 2010/09/24 05:33 PM
そうでしたか。はじめて知りました。しかし自民党政権でも同じような扱いになったかもです。どこも頼りになりません。安部さんが総理だったらこうはならなかったでしょう。

>つまり中国側から見たら「金づる」でしょ。
 だったら無碍な扱いはできないんじゃないの?

甘いです。

よく日本の技術とか貿易で、損をするのは中国で、中国もさじ加減をするだろうと言う人がいますが、中国がやっているのは日本を従わせることで、そうできれば丸ごとおいしくいただけるわけです。次はもっとキビシク出てくるでしょう。

金もってんなら、これっぱかりじゃ足りない。もっと出せ。ということです。
koku | 2010/09/24 05:51 PM
釈放の決定は地検です。地裁ではありませんよ。

ところで、今回政治的理由をもとに釈放を決めたと言っていますが、これも一種の「検察の暴走」じゃありませんか?上からの圧力なら「国策不捜査」ですね・

もし、地検の独断だと「トカゲのしっぽ切り」が行われるなら、かわいそうですが、地検担当者を弾劾するしかありませんね。「上からの圧力」と根を上げれば、今度は民主党政権に矛先が行くだけ。

いずれにせよ、法治国家というものが分からない中国という軍閥に間違ったメッセージを投げたのは確実です。

今回の件で民主党政権の命運が尽きる予兆がしました。
普賢 | 2010/09/24 05:52 PM
今日は敗戦記念日

耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び、、、

石原慎ちゃんが「中国がやっていることは理不尽なやくざがやっていることと同じ」と言い
北京市で開かれる国際フォーラムに招待されていたが「あんな不愉快な国にはたのまれてもいかない」と述べたが激しく同感
テレビのコメンテーターは奥歯に物が挟まったような言い方をする人が多いし、、、
あーあ
日本はつらいよ | 2010/09/24 05:54 PM
>>三権分立はどうしたんだよ

検察は検察庁配下の行政機関です。国の意向に従う機関です。ですから、「行政不服審査法」に基づいて審査請求しましょう。

にしてもほんと、民主党はどこまでもどこまでもどこまでも売国ですな。
Wingard | 2010/09/24 05:57 PM
フジタが狙われたのは、何をするのか予定が中国軍につつ抜けになっていたからだと思います。
手近ないいカモです。
koku | 2010/09/24 06:01 PM
当然、今回の大阪地検の不祥事を人質に取っての、仙石・管内閣による(指揮権発動の形を取らない)闇介入の結果と考えられます。「日本は終わってしまった」としか言いようがありません、嗚呼。
benrathab1990 | 2010/09/24 06:08 PM
くっくりさん、こんにちは。
記事を素早く書いて下さってありがとうございます。

ありえない速報に私も愕然とした一人です。残念で腹立たしいことこの上ない気持ちです。

ところで、隼の伊勢爺様の記事のコメント欄で見解を拝見して、腹立ち、落胆は変わらないものの、うーむ・・・という気持ちも少し芽生えました。
もしお時間があればこちらです。(コメント欄をご覧ください。とうにご存知なら、すみません!)
http://falcons.blog95.fc2.com/blog-entry-533.html

フジタ社員拘束の件ですが、選挙のどさくさ、遺棄化学兵器処理開始(9月4日〜でしたか?)、尖閣騒動が7日、さらに検察の不祥事と続いて、何だか巧妙に何かから関心をそらされているのかもしれないですね。
それから、遺棄化学兵器処理事業で得をするのは中国だけではないので、十分日本への圧力になるという捉え方も可能のように思えます。
このデタラメな事業が水間氏や自民党議員、麻生総理の尽力にも関わらずまるで何事もなかったかのように再開されたこと、我々もしつこく(政府に)言っていかねばならないですよね。
こちら側に協力者(売国)や甘い汁を吸える者がいなければ起こり得ないことだと思います。

いずれにしろ、民主党には絶望と怒りしか感じませんが、とはいえこんな事態を招いた伏線は自民から延々と敷かれてきたんですよね。
(2年ほど前までぼーっと何もしらずにいた自分にも相当腹がたちます。)
福寿草 | 2010/09/24 06:12 PM
シムドライブ清水社長「レアアース規制は影響ない」
http://response.jp/article/2010/09/22/145398.html
仕組みはよく分かりませんが、ちょっと一安心です。メディアでは電気自動車や液晶の分野に大きなダメージがあるように伝えていますが、大騒ぎすると中国の思う壺になります。ここは冷静になってほしいです。
| 2010/09/24 06:21 PM
くっくりさん、お疲れ様です。
ほんと、同感です!
私も今日のアンカーをみて、そのニュースを聞いたとたん、怒りで体が震えました。動悸もはやくなりました。爆。

あまりのことに頭、真っ白・・・とかなってる場合じゃない!と自分にできることをしようと思っていますが・・・。
小さな声でも集まれば大きな声に、今ならまだできるはずですものね。
あきらめちゃダメだ・・・と、その思いだけです。
naho | 2010/09/24 06:35 PM
千載一遇のチャンスでした。がっくりしています。
仙石→法務大臣→那覇地検のルートでしょう。前原は了解していたのか?
前原の後任馬淵大臣も頑張っていたのに、後ろから鉄砲のマスコミ論評は最低です。
もはやこの腑抜け政権を壊滅させねば明日はありません。
しかし、チャイナの横暴ぶりが世界に明らかになったことはただひとつ救われます。
民間のビザ発行中止も匂わせていましたね。
日本の拝金主義の企業もこの理不尽なチャイナリスクに対応し始めるでしょう。
チャイナ観光客は結構です。来てもらわないほうが国益になります。
我が税金を使った「旧日本軍の廃棄化学兵器処理」と称する事業もせっかく破棄できたのにもったいない・・・。
保守系議員の皆さん!民主内閣をまず、解散・総選挙に追い込んでください。
保守票を散逸させぬため、たちあがれや創新党など保守は大同団結してください。
あとは千葉法相のように、我々選挙民が必ず仕留めます。任せてください。
ところで、
那覇地検のこの決定:検察審議会でひっくり返せないの?
ワン太 | 2010/09/24 06:42 PM
はじめまして。
アンカーの動画が削除されて悶々としておりましたがこちらで青山さんのテキスト起こしを見つけて
感謝しております。
また、削除された理由も教えてくださりありがとうございます。
あぁ、民主主義も終わりですね。
あまりにも早いのでビックリしました。前原大臣も腰抜けだったな
と失望しましたが、鬼のいないうちにの策略でしたか。
青山さんは政治家にはメールを送ったりすると良いとおっしゃいますが怖くて送れませんね。
こんなことされてもODA続けるんですかね。
chiko | 2010/09/24 06:45 PM

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