ゴーン日産CEOのEV技術移転めぐる発言、その真意は


日産自動車幹部は、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が今週行った驚きの発言の真意について、説明に追われている。ゴーンCEOは電気自動車(EV)技術の共有について、中国の合弁パートナーである東風汽車集団と交渉していることを明らかにした。

Xinhua/Zumapress.com
日産のEV「リーフ」

ゴーンCEOは20日、河南省鄭州での記者会見で、リチウムイオン電池のノウハウを含む主要EV技術を中国の自動車製造・販売合弁会社に移転する計画について、東風汽車集団と交渉していることを明らかにした上で、「中国に移転する技術に制約はない」と発言した。両社が日産のEV「リーフ」の中国での生産・販売の可能性を模索するなかでの発言となった。

一方、多数の海外自動車メーカー幹部は、中国政府が策定中のEV業界に対する10カ年計画について懸念している。この計画により、中国の合弁会社への技術移転を強いられ、技術を支配する力を失う結果になるのではないかと恐れているのだ。

「中国に移転する技術に制約はない」との発言について、まだゴーンCEOと話をしていないため、この発言の真意は分からないと、日産の複数の中国法人幹部がコメントするなか、幹部の1人は、先端技術を中国の主要提携先に移転することについての日産の基本姿勢を示す一般的な発言だと理解していると語った。

同幹部は「一企業として、一定の制約を設けずに先端技術を提携企業と自由に共有するような状況はほとんどのケースで想像しがたい」が、東風汽車集団との間には特別な状況が存在する可能性があるとして、以下のように語った。

「第一に、東風汽車のような提携企業は技術の習得が早く、どんな技術でも比較的素早く追いつくことが出来るため、技術の共有に制約を設けることにあまり意味がないことが多い。第二に、産業・技術の基盤発展を目指す中国が進めている取り組みに出来るだけ協力し、後押しするというのが当社の基本姿勢だ」

同幹部はその他にも、「リーフ」の中国生産の可能性について検討しているが、まだ何も決まっていないとコメント。日産と東風汽車集団は「中国でリーフを共同生産するという理解のもとで、技術移転について話し合っているが、いつ、どこで、どのように実行するかについては、まだ決定を下していない」と語った。

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